FAQ
TIPS、使い方のコツ
イミュニティソフトウェア(IM5、VI5)
ID.
Q. イミュニティ試験での不確かさを考慮した試験レベルについて
A.
Q. EMI測定は不確かさを考慮して社内限度値を設定しています。
しかし、イミュニティ試験は規格要求レベルをそのまま試験レベルとしています。
イミュニティ試験でも不確かさを考慮して試験レベルを設定した方が良いですか?
A. イミュニティ試験レベルにも「ばらつき(不確かさ)」が生じます。
ご使用のRFパワーアンプの性能にもよりますが、不確かさを含め試験レベルを設定することをお勧めします。
お勧めする理由について、伝導イミュニティ試験を例に挙げて説明します。
IEC61000-4-6:2013の「Annex G」には “Measurement uncertainty of the voltage test level” として、いくつかの不確かさ算出例が示されています。
(CDNを使用したイミュニティ試験を抜粋しました)
これらを参考に、お持ちの試験システムが持つ試験レベルの不確かさを算出します。
資料にはCDNを使用したイミュニティ試験の不確かさが「±1.36dB (k=2)」と算出されています。
下のグラフは、試験レベルの不確かさが1.36dBのとき、10Vemfの試験レベルは右側の正規分布曲線のような確率分布になることを表現しています。
このことから、50%の確率で設定した試験レベルより、実際の印加レベルが低くなることがわかります。
次のグラフは規格要求レベルよりも不確かさ分、試験レベルを高く設定した場合を示しています。
10Vemfの規格要求であれば、不確かさ1.36dB高い11.7Vemfの試験レベルに設定します。
不確かさを考慮した試験レベルの約97.7%の信頼区間で試験することができ、規格要求レベルを下回って印加することが少なくなります。
このように算出された不確かさを考慮して試験レベルを設定することで、より信頼性の高いイミュニティ試験を行うことができます。