FAQ
TIPS、使い方のコツ
エミッションソフトウェア(EP5、EP7、EP9、EPX、ES10)
ID.
Q. レシーバースキャン測定時の、測定時間の考え方
A.
レシーバースキャン測定時に、
・Dwell Timeを短めにし(1スキャン1秒ぐらい)、モニター時間(たとえば10秒間)内で何回もスイープして測定してMaxHoldの最大値を結果とする
・1回のスキャンで10秒かかるように、Dwell Timeを長めに設定する
について、どちらを選択するかの考え方について説明します。
なお、これはレシーバースキャンを実行したときに一度にすべての周波数範囲を測定できずに周波数をステップして測定する場合の考え方です。ご使用されるEMIレシーバーでレシーバースキャン(タイムドメインスキャン)で一度に測定できるFFT帯域幅をご確認ください。
(例えば、Keysight N9048B PXEでは、Accelerated time domain scanでは最大350MHz、Accelerated機能をOFFにしたTime domain scanでは最大59MHzのFFT帯域幅があります)
このような場合は基本的に1スイープをお勧めします。1スイープの場合はDwell time/measuring timeが一つの周波数のモニター時間ということが明らかなので見逃す可能性があるノイズがはっきりします。例えば10秒のDwell timeを設定した場合、10秒以内の間欠ノイズは確実に捉えます。モニター時間にすると1つの周波数のモニター時間がトータル10秒だとしても常時その周波数を見ているわけではないのでタイミングによっては取りこぼす可能性が生じます。偶然に頼る部分が生じるわけです。
1スイープの場合で気を付けなければいけない点は、開始周波数付近と終了周波数付近で測定時間の差が生じることに留意することです。この時間差によって今測定しているEUTのノイズの取りこぼしが発生する可能性があるかどうかを事前に確認することが大切です。また当然ですがDwell time以内に発生しないノイズは見逃してしまうのでEUTの出すノイズの発生タイミングを把握しDwell timeを十分な値にする必要があります。