Helix Coreサーバ管理者ガイド: マルチサイト展開 (2019.1)

レプリカサーバをアップグレードする

マスターサーバをアップグレードする前にレプリカサーバをアップグレードする

マスターサーバからの複製を行うサーバインスタンスを最初にアップグレードすることをお勧めします。レプリカが互いに連鎖している場合は、マスターから最も遠いダウンストリームに位置するレプリカからアップグレードを開始し、マスターサーバに対してアップストリームの方向へと順にアップグレードを行ってください。直近のアップストリームのサーバのアップグレードが完了するまで、ダウンストリームのレプリカは停止したままにしてください。アップグレードを行う間隔は最短に抑えてください。

注意

リリース2013.3では、メタデータをdb.*ファイルに保存する方法に影響する大きな変更が導入されました。ただし、データベーススキーマ、チェックポイントの形式、ジャーナルファイルについては、2013.2と2013.3で違いはありません。

そのため、2013.2から2013.3にアップグレードする場合は、マスターのアップグレードが完了するまでレプリカを停止しておけばそれで済みますが、2013.3のマスターを再起動する前に、レプリカとそのダウンストリームのすべてのレプリカを2013.2以上にアップグレードする必要があります。

2013.2以前のリリースから2013.3以降のリリースにアップグレードする場合:

  • すべてのアーカイブの転送処理が完了してから、レプリカをシャットダウンしてアップグレードを開始します
  • レプリカを再起動する前に、レプリカサーバのルートにあるrdb.lbrファイルを手動で削除する必要があります

p4 pull環境でレプリカサーバをアップグレードする手順

注意

マスターサーバのホスト名やIPを変更している場合は、追加の手順が必要になります。

ここで説明する手順は、すべてのレプリカタイプに共通する手順です。読み取り専用レプリカ、転送レプリカ、ビルドファームサーバ、コミットエッジアーキテクチャのいずれで作業を行う場合も、ここで説明する手順を実行してください。

レプリカサーバ上での手順

  1. 「p4 admin stop」コマンドを使用してレプリカサーバを停止します。
  2. 次のコマンドを実行して、レプリカサーバのチェックポイントを取得します: p4d -r /usr/replica/root -J journal -jd checkpoint
  3. レプリカサーバのp4d実行可能ファイルを置き換えます。
  4. 次のコマンドを実行して、レプリカデータベースをアップグレードします: p4d -r /usr/replica/root -J journal -xu
  5. 各レプリカサーバで手順1 - 4を繰り返し実行します。

マスターサーバ上での手順

  1. 次のコマンドを実行して、マスターサーバを停止します:

    p4 admin stop

  2. 次のコマンドを実行して、マスターサーバのチェックポイントを取得し、バージョンファイルのバックアップを作成します:

    p4d -r /usr/master/root -J journal -jc prefix

    prefix」は、実稼働環境で使用されるジャーナルプレフィクスです。

    注意

    アップグレードプロセスの実行中にエラーが発生した場合は、上記のチェックポイントを使用してデータを復元する必要があります。これ以外の復元方法はありません。

  3. マスターサーバのp4d実行可能ファイルを置き換えます。
  4. 次のコマンドを実行して、マスターデータベースをアップグレードします。

    p4d -r /usr/master/root -J journal -xu

  5. 次のコマンドを実行して、アップグレードされたマスターサーバを起動します:

    p4d -p 1666 -r /usr/master/root -J journal -d

アップグレードされた各レプリカサーバ上での手順

次のコマンドを実行して、該当するサーバを起動します。

p4d -M readonly -D readonly -In Replica2 -p 6661 -r /usr/replica/root -J journal -d