SEがおすすめするSYNESIS Ver.8.5.1で追加された機能 ココがポイント!

今回はSYNESIS SEの目線で最近リリースされたVer.8.5.1のおすすめポイントとその技術背景についてお伝えします。また、前回の記事「SEがおすすめするSYNESIS Ver.8.0で追加された機能 ココがポイント!」もあわせてご覧ください。
Ver.8.5.1で追加された機能のサマリについては、SYNESISポータル NewsページV8.5.1 リリースノートをご覧ください。

この記事では、2つのポイントに絞って解説します。

ポイント1:NPBタイムスタンプ活用にGigamonフォーマットを追加

SYNESISのNPBタイムスタンプ活用とは、NPB(Network Packet Broker)が付与するタイムスタンプでSYNESISの各機能を利用できることです。(ご存知ない方もいるかもしれませんが、)SYNESISは、すでにCGS TowerとVSS Monitoringのタイムスタンプのフォーマットをサポートしています。そこにGigamonが新たに加わりました。
Ver.8.5.1でサポートしているNPBフォーマットは以下のとおりです。

  • CGS Towerフォーマット
  • VSS Monitoring互換フォーマット(NetScout, CUBRO, ProfiTap製品など)
  • Gigamonフォーマット

NPBには、パケット受信時のタイムスタンプをパケットに付与し、その時刻を基準にネットワーク監視ができる機能があります。NPBはネットワーク上の各サイトに配置されそれぞれの時刻を正確に同期できるため、各NPBを通過するパケットのタイムスタンプを使用することでネットワークの性能を正確に解析できます。
SYNESISは、SYNESISは本体のアダプタ(NIC)がパケットを受け取ったタイムスタンプの代わりにNPBで付与されたタイムスタンプを解析時の時刻として扱うことが可能です。ネットワーク上の複数のNPB設置ポイントでキャプチャしたパケットを、NPBの時刻を基準に解析することで、ネットワーク遅延、サービス品質(QoS)、ジッター、エンドツーエンドのネットワークパフォーマンス等の計測をより正確に行うことができます。

SYNESIS NPBタイムスタンプ活用

SYNESISのアダプタタイムとNPBタイムスタンプ

現時点でNPBのタイムスタンプが選択できる機能は以下のとおりです。

  • ダッシュボード *
  • アラート機能 *
  • レポート *
  • APM/NPM
  • マイクロバースト

*DLCカテゴリは除く。DLCはアダプタのタイムスタンプのみサポート。

NPBのタイムスタンプには、メーカーが同じでも製品により異なるフォーマットの場合があります。SYNESISでは、以下のフレームフォーマットに対応済です。

CGS Towerフォーマット

Size Field Description
6 Bytes Time Stamp bits 0-17: Seconds
bits 18-47: Nanoseconds
1 Byte Reserved Unused
23 bits TS id Identifier of the timestamp source
1 bit TS Side Locations in the NPB where timestamps are added
0:At receive/input/pre-enqueue
1:At transmit/egress/post-dequeue

VSS Monitoring互換フォーマット(NetScout、CUBRO、ProfiTap製品など)

Size Field Description
8 Bytes Time Stamp bits 0-31:Seconds
bits 32-33:Identifier of the timestamp source
bits 34-63: Nanoseconds
1 Byte Src Port Source port

Gigamonフォーマット

Size Field Description
8 Bytes Time Stamp bits 0-31:Seconds
bits 32-33:Identifier of the timestamp source
bits 34-63: Nanoseconds
1 Byte Src Port Source port

今後もNPBのメーカー、製品を拡張していく予定です。他のNPB製品をお持ちでSYNESISでタイムスタンプのサポートを希望する場合は、弊社営業もしくは下のお問い合わせボタンからご相談ください。

ポイント2:Rest APIv2の拡張

現在のRest APIのバージョンであるv2に以下のAPIを追加しました。

  • SYNESISユーザの新規作成、削除、ユーザの取得、ユーザリストの取得
  • 統計情報の取得
  • SIP Register値の取得

複数のユーザから要望があったAPIでのユーザの作成ができるようになりました。セキュリティ上、SYNESISのような測定器についても共有アカウントが認められない企業が増えてきました。大量の個別アカウントを作る必要がある場合はAPIのほうが便利です。
また、v1でサポートしていた統計情報の取得とSIP Register値の取得が可能になりました。これで、v1でサポートしていたAPIはすべてv2で実現できます。今後は、拡張性があるv2をお使いください。

SYNESISのRest APIを利用する場合は、2種類のドキュメントを用意しています。
「RESTful API 2.0 使用手順書」では、SYNESISが利用できるAPIのリストと、実際の仕様例、TIPS等が掲載されています。
もうひとつの「RESTful API 2.0 リファレンス」は、OpenAPI Generatorによるhtml形式のリファレンスとなっています。実際にAPIを使う方にとってわかりやすいように作成されたガイドです。

SYNESIS RESTful API 2.0 Reference|API開発者向けガイド

RESTful API 2.0 Reference

SYNESISは早くからRest APIに対応していました。Rest APIを利用すると、SYNESIS単体のみならず、異なるシステム間でデータを効率的にやり取りすることが可能になります。これにより、システム間の連携や統合が容易になり、システム全体保守サービスの締結とユーザ登録のお願いの運用効率が向上します。
こちらの記事「ネットワークの自動化とREST API」もぜひご覧ください。

保守サービスの締結とユーザ登録のお願い

保守サービスを締結いただいているお客様には、会員サイトよりVer.8.5.1のアップグレード版のダウンロードが可能です。
ダウンロードにはユーザ登録が必要ですので、保守サービスを締結済でまだユーザ登録が未完了の方は、ぜひユーザ登録をお願いします。また、ユーザ登録していただくと、アップグレード版の情報等を受け取ることが可能です。
ユーザ登録には、納入時に同梱されていた「サポート・保守サービス証明書」に記載されている情報が必要です。もしお手元にない場合は、弊社営業にお問い合わせください。

SYNESISの歩み

SYNESISは年1回のメジャーバージョン、年1回以上のマイナーバージョンをリリースしてきました。SYNESISは今年で誕生8年目となっています。そこで誕生から今までのSYNESISの歩みを少しだけ紹介させてください。

弊社は、Network General社のSnifferの時代から、30年以上パケットキャプチャツールを販売している実績があります。その実績をいかし、自社開発製品「SYNESIS」を発売いたしました。2015年に当時世界ではじめて100Gbpsをフルレートでロスなくキャプチャできる製品として誕生したSYNESISは、現在では日本を含め12の国と地域で、500システム以上を納品しています。

SYENSISのトピックニュース|100G/200G特許

SYNESISの歩み

SYNESISのコアとなる高速書き込み技術は、日本、米国、中国で特許を取得しました。今後ますます高速化されていくネットワークに対しても意欲的に挑戦し続けます。
SYNESIS ポータルに特許関連ニュースの詳細を掲載しています。

SYNESISがここまで拡大できた理由は、今まで培ってきたノウハウと今まで築いてきたユーザとの信頼関係があったからだと確信しています。私達は、ユーザのニーズを汲み取り、必要な機能をタイムリーに提供することに注力しています。これからも、もっと良い製品やサービスを提供できるよう、共に歩んでいければと思っています。

SYNESISやパケットキャプチャに関するご要望等がありましたら、以下よりお問い合わせください。

SYNESIS お問い合わせ

あとがき

今まではSYNESIS単体での機能拡張を優先で行ってきましたが、今後のバージョンでは他システムとの連携も視野に入れた機能開発を予定しています。ぜひご期待ください!