【RFCの読み方-番外編】ジョークRFCの読み方 ~2025年エイプリルフール最新版~
毎年恒例となったエイプリルフールのジョークRFC、今年もユーモアあふれるRFCが公開されました。本記事では、2025年版ジョークRFCの内容を紹介しつつ、SEとして共感した点や気づきを交えながらご紹介します。
まだ読んでない方にとっては、ネタバレになりますのでご注意ください。
以前の記事を読まれてない方は、ぜひこちらもご覧ください。
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2025年ジョークRFC
2025年のジョークRFCは1件のみ。コンパクトながらも、多くのエンジニアが「あるある!」と共感できる内容でした。
RFC | タイトル |
---|---|
RFC9759 | Unified Time Scaling for Temporal Coordination Frameworks |
以前の記事でも書きましたが、ジョークRFCの一覧を調べたい方は、英語サイトのWikipediaが便利です。2025年版もすぐに更新されていました。2025年4月2日 午前9時(日本時間)の時点では、日本のWikipediaは、まだ更新はされていないようです。
(いつもながら英語版Wikipediaは、ジョークRFCに限らず、誰が更新してるの?と思うほどタイムリーです。)
April Fools' Day Request for Comments
RFC Editorで検索する場合は、日付まで入っているものがジョークRFCです。
なんとすでにErrataまで公開されていました。しかもErrataの指摘でさえ今回のジョークネタとなっています。興味がある方は、RFCだけでなくErrataも読んでみてください。リンクを貼っておきます。
RFC 9759 Errata
RFC9759 時間調整フレームワークのための統一時間スケーリング
「時間調整フレームワークのための統一時間スケーリング」——直訳すると硬いタイトルですが、要するに「みんなで何を言っても2週間ってことにしよう」という、壮大かつユーモア満点の提案です。この2週間ルールは「Two-Week Principle (TWP)」と呼ばれ、以下のようにあらゆる時間表現がすべて「2週間」に変換されてしまいます。
TWP換算表 (3. Conversion Guidelinesの日本語訳)
当初の所要時間 | 標準化された TWP期間 |
2進数 | 16進数 |
---|---|---|---|
1秒 | 2週間 | 100111011000000 | 0x4ec0 |
5分 | 2週間 | 100111011000000 | 0x4ec0 |
24時間 | 2週間 | 100111011000000 | 0x4ec0 |
3~5営業日 | 2週間 | 100111011000000 | 0x4ec0 |
6ヶ月 | 2週間 | 100111011000000 | 0x4ec0 |
2年 | 2週間 | 100111011000000 | 0x4ec0 |
できるだけ早く | 2週間 | 100111011000000 | 0x4ec0 |
納期未定 or 調整中 | 2週間 | 100111011000000 | 0x4ec0 |
2週間 | 2週間 | 100111011000000 | 0x4ec0 |
上記以外の時間 | 2週間 | 100111011000000 | 0x4ec0 |
RFC9759を読んだ感想
上記の表で象徴的に登場するフレーズ、"It'll be done when it's done"を「納期未定 or 調整中」と訳してみました。このフレーズは、直訳すると「それは、それが終わるときに終わるだろう」、つまり「いつ終わるかは未定だが、そのうち終わるだろう」という意味になります。
ネットワークSEのあるあるのシチュエーションで解説すると、このような場合に使用します。
- Case1. 障害調査が泥沼化しているとき
- Q:「まだ復旧の目処が立たないの?」
- A:「調査中です。It'll be done when it's done...」
- → 原因が再現しない、ログが曖昧、ベンダー対応待ちなど、どうにもならない状況。
- Case2.ベンダーのファーム更新など納期が外部依存のとき
- Q:「ファームのバージョンアップ対応、いつ反映されるの?」
- A:「ベンダー側がやってるんで。It'll be done when it's done...」
- → 納期を自分たちでコントロールできないが、切羽詰まっている状況。
- Case3.夜間作業中、予定より作業が長引く瞬間に出るひと言
- Q:「そろそろ切り戻しできそうですか?」
- A:「いや、まだコマンド通らなくて。It'll be done when it's done...」
- → 静まり返る夜中、疲労感とあきらめが入り混じるタイミング。
「終わるときに終わる(=たぶん2週間)」という謎にリアルな標準期間に丸めてしまうこのアプローチは、まさにエンジニアの声を代弁した提案と言えるのではないでしょうか。
あとがき
RFC9759は、時間の見積もりに悩むすべてのエンジニアに向けたRFCでした。日々「時間が読めない」状況と格闘している人ほど、深くうなずけると思います。
そう、すべては2週間で片付く(ことにしよう)!
この記事がRFCを読むきっかけになったら嬉しいです。また、RFC関連の記事はこちらにまとめてありますので、他の記事もぜひご覧ください。