FAQ
HYPACKに関する質問
9.マルチビームデータ処理(Multibeam Processing)
ID.Q9-2
Q. 測深データ削減プログラム(Tests of Sounding Reduction Program)
A.
SOUNDING REDUCTIONプログラムはHYPACK(TM) Version 8.9のモジュールの一つとして製作・公開されたものでした。これは元データを忠実に反映しつつデータ量を減らした、サブセットを作り出すことを目的とし ています。例えば、1チャンネルのマルチビーム測量によって、5,000,000データ点数に昇ったとします。このデータをSOUNDING REDUCTIONプログラムに通すことによって、同じチャンネルを800,000データ点数で正確に描くことが可能です。
SOUNDING REDUCTIONでは、海底斜面の変化があるところでは、数多くのデータ点を保存します。比較的平坦な場所においてのみ、データ点を減らします。これは最近、LIDAR(airborne hydro)でのデータ簡略化や陸測データにおいて用いられた方法です。
このプログラムは、HYPACK(TM) SWPファイル(直接指定するかLOGファイルから指定するか)、アスキー形式のXYZファイルのどちらでも使用することができます。このプログラムに よって、右図に示されるように隣り合ったデータ点間で三角形を形成します。そして、各々の三角面から垂直に投影された線分の角度差を計算します。これらの 角度差がユーザーの指定した許容値以内であれば、中心点は"不要な"点として、データセットから外されます。角度差が許容値を超える場合には、その点は海 底面を正確に描くために必要な点として保存されます。
SOUNDING REDUCTIONプログラムの実行は簡単です。まず入力ファイルを開きます。アスキー形式のXYZファイルもしくは、HYPACK(TM) SWP ファイル(直接指定するかLOGファイルから指定するか)を選びます。データを読み取り、いくつの測深点が記録されているのかを表示します。
次に、除外するための角度と(マルチビームデータは10°を指定すると良いようです。)、データ点間の最大距離を入力します。この最大距離によっ て、平坦な場所において、代表点を保持することができます。入力が終わったら、計算を実行させます。データ点数によりますが、せいぜい数分で計算が終わり ます。最後に、この計算結果をアスキーXYZファイルへ保存します。
SOUNDING REDUCTIONプログラムをテストするに当たって、データファイルは、USACE-TECより提供されました。データ点数515,420を、異なる"除外角度"を用いて計算させました。結果は以下の表にまとめてあります。
削減設定角 |
実行時間 (secs) |
% 削減率 |
# 最終的なデータ数t |
---|---|---|---|
Original Data Set |
515,420 |
||
5 |
116.72 (2 iterations) |
35.25 |
333,791 |
6 |
116.11 |
42.05 |
298,675 |
8 |
163.84 (3 iterations) |
54.14 |
236,388 |
10 |
158.52 |
61.94 |
196,144 |
12 |
152.69 |
68.11 |
164,375 |
14 |
147.04 |
73.03 |
139,014 |
16 |
141.27 |
77.06 |
118,237 |
18 |
135.56 |
80.40 |
101,008 |
20 |
129.79 |
83.20 |
86,609 |
25 |
143.41 (4 iterations) |
88.64 |
58,572 |
30 |
127.32 |
91.77 |
42,471 |
計算時間は除外角度によって異なっています。計算は、細部の繰り返しによって点の除外率が小さくなると自動的に終わります。
結果がもっとよくわかるように、以下にHYPACK(TM) TIN modelを用いて作成した三つの表面モデルを示します。
Original Data Set
10 Degree Reduction (61.94%)
20 Degree Reduction (83.20%)
除外角10°を超えると表面モデルは劣化していますが、実際の等深線は、それほど悪くはありません。
Original Data Set with 3' Contours.
20 Degree Reduced Data Set with 3' Contours.