HYPACK - A Xylem Brand (旧 Coastal Oceanographics, Inc.)
「HYPACK」統合型海洋測量・調査ソフトウェア
特長
- 一般的なWindowsノートPCで動作
- 各計測・測量の設定をプロジェクト単位で管理
- リアルタイムにデータ収録状況・3D地形図をモニター
- 電子海図や航空写真、岸線地形、等深線などを測量計画画面および誘導画面に表示し、オペレーションの状況がわかりやすい
- 複雑な計画断面の土量を計算
- シリアル出力が用意された全ての測量機器とインターフェイス
- 測深機と同期した固定線入力
- リモートモニタリングで離れていても計測状況がリアルタイムに確認可能。
機能
HYPACK®は、HYPACK® MAXと、HYSWEEP®、DREDGEPACK®から構成されています。その他、幾つかのパッケージスイートをご用意しています。
HYPACK® MAX-水路測量ソフトウェア
HYPACK®は測量の計画、データ集録、編集、成果作成を行う、PC上で動作するソフトウェアです。
計画 - Shell及び計画プログラム群
HYPACK® MAXは、測量調査を迅速に計画し、そして、成果を作成する強力なツールです。 強力な描画エンジンは、DXF、DGN、TIF、S-57、BSBラスタ、C‐マップ、VPFファイルをバックグラウンドデータとして表示することが可能 です。また、それらのデータの回転、スケールの変更も任意です。測量計画プログラムでは測線ラインを簡単に作成できます。 HYPACK®MAXは、自動的に各プロジェクトの設定を保存し、プロジェクトの変更も即座に行うことができます。これの機能は全てWindows® PCのドラッグ&ドロップ機能によって容易なものとなっています。
調査 - SURVEYプログラム(HYPACK® SURVEY / HYSWEEP® SURVEY)
HYPACK® MAXのサーベイプログラムは、測量業務を行う上で必要とされる柔軟性、及び、パワーを備えて います。 GNSS/電波測位機、方位センサー、ジャイロにより位置やリアルタイムの動揺データや、遠隔潮流測定ゲージなどの計測環境データを収録しつつ、シングルビーム(単周波及び2周波)、多素子測深機、マルチビーム測深機、サイドスキャンソーナー、磁力計など、300種類以上の計測機器をサポートします。 サーベイプログラムは、様々な形の船または曳航体とその航跡を表示する機能を提供します。ユーザは、DXF、DGN、TIF、S-57、BSB、C‐MAP形式またはVPF形式のバックグラウンドデータ上で船の位置を表示することが可能です。
編集 (SBMax / MBMax / HYSCAN / GEOCODER™)
HYPACK®の視覚的な編集ツールによって、測量データを迅速に編集することが可能です。 潮位補正は、RTK GPS潮位、遠隔測定潮流ゲージ、手動の観測もしくはNOAA web sitesからダウンロードされるデータにより自動的に行われ、音速度補正もプロファイラや手入力から行うことができます。 ユーザは、測量データを個々の測深データまたはエリアごとに確認して、効率よく編集することが可能です。HYPACK®の新しい処理機能群によって、計測時に収録したスパイクデータ(ノイズ等)の削除や最終データの選別(圧縮)、成果の作成、出力が可能となります。
最終成果 (TIN / CrossSections & Volumes / HYPLOT / Export)
HYPACK®は、様々な最終成果機能を提供します。 断面/体積計算機能は、浚渫土量を計算します。TINプログラムは、3次元サーフェイスモデルや等深線を作成し、更には海岸侵食などの研究で使われる表面間でのボリュームを計算する機能を備えており、堆砂量などの時間変動が評価できます。最後に、エクスポートプログラムによりHYPACK®の編集・解析データをDXFやDGNなどの多彩なフォーマットで他のCADやGISシステムに出力することが可能です。
オプション
HYSWEEP®-マルチビームデータ集録・編集
HYSWEEP®は、HYPACK®オプションモジュールとして、主にスワス測深機やLiDARなどの高密度点群計測システムに関するデータ収録、表示、編集機能を提供します。
#1 : HYSWEEP®によりマルチビーム測量やLiDARで必要になるキャリブレーション等の設定を容易に行うことができます。
#2 : HYPACK®/HYSWEEP®は、ボリューム計算、海底地形の比較、CADへのエクスポート等、最終成果作成に必要な数多くの機能を有しています。
HYPACK®MAXは、R2Sonic、Norbit、RESON、Kongsberg、ELAC、Atlas、Simrad、Odomなどの各マルチビーム測深機と接続することが可能です。
システムキャリブレーション
HYSWEEP®のパッチテストプログラムはGNSSと測深機の遅延時間、ジャイロや測深機本体の設置位置や角度のズレなどに関す る正確な校正を行います。6つの短い測線を計測することで容易に使用中のシステムに最適な初期値を検出することができます。パッチテスト用の測線を計測し、テストを行うために必要な時間は時間を大幅に削減することができます。
HYSWEEP® SURVEYからの
リアルタイムスクリーン
マルチビームデータ集録・ビジュアル化
HYSWEEP®におけるデータ集録機能はHYSWEE P® SURVEYにより提供されます。このプログラムは、SharedMemoryを利用して高密度点群計測を行う全機器のためにミリ秒未満の時刻タグ付加機能を持ち、HYPACK® SURVEYプログラムからナビゲーションデータを直接使用します。他の計測機器のデータは直接HYSWEEP® SURVEYがハンドリングし、測位情報や時刻タグが統合、表示されます。HYSWEEP® SURVEYは、リアル タイムで品質管理情報を提供できるため、運用中のシングルビーム測深機の測深結果と品質を同時に比較することが容易となります。 HYSWEEP® SURVEYは深度に応じてカラーコード化された測深情報をリアルタイムに表示します。またマルチビーム測深機がオプションで出力するサイドスキャンデータもあわせて収録・表示することが可能です。
マルチビームデータ編集
高密度点群計測センサー用のデータ編集プログラム「MBMax」は、音速度プロファイルデータを用いてマルチビーム測深機の往復伝播音波の屈折補正や潮位補正も自動的に行います。
マルチビーム測深データの編集では、はじめにGNSS、動揺センサー、ジャイロ、潮位、及び速度などの計測時のプラットフォーム情報、環境情報の確認・編集を行います。次に、マルチビームシステムの測深点の深さや位置を、様々な補正データを用いて計算します。これらのデータは手動でいつでも確認・編集することが可能で、最終成果物を作成するための強力な自動化フィルタを使用することができます。
作成された3D Tinモデル
Sounding Selection (使用データの選別)
HYPACK®は、膨大なマルチビーム絞り込むために、グリッド地形作成(Mapper)及び測深点圧縮(Sounding Reduction)の2つ のプログラムが提供されています。マッパーは、測量エリアに格子状のセルを仮定し、各セルに1つ測深値(最小値、最大値、平均値、セル中心位置の深度のいずれ か)を割り当てます。測深点圧縮は海底地形の形状に応じて測深データを間引く機能(平坦な場所ほどデータを間引く)です。成果物の特徴に応じてこれらの機能を利用することで、データ解析の省力化が行えます。
DREDGEPACK®-浚渫工事管理
DREDGEPACK®は、カッタ吸引、ホッパ、及び、掘削機オペレータのためにリアルタイムに情報を提供するソフトです。
DREDGEPACK®浚渫エリア表示、
画面左部部の赤色エリア
HYPACK(或いは、他の調査システム)からの情報は、まずカラーにコード化されたマトリックスファイルにマッ プされます。ユーザは、そこから浚渫したい部位の配色を変えて強調表示することができます。右のスクリーンにおいて、赤い部分は、計画水深より浅いエリア を表示しています。このカラーにコーディングされた測深ディスプレイは、浚渫機が計画水深値未満の深さの各セルを通過するとリアルタイムに画面を更新しま す。これによってオペレータは浚渫すべきエリアをリアルタイムに把握することができ、採掘効率をあげることができます。
DREDGEPACK®の
プロファイルウィンドウ
プロファイルウィンドウは、カッタヘッドの正確な深さを表示します。カッタ吸引浚渫機の場合、採掘ツールの半径に沿ったプロファイルとなります。ホッパ浚渫機の場合、ドラッグアームヘッドの断面のプロファイルとなります。