国産ベンダーだからこその「 高性能」「高信頼」にこだわり日本のネットワークを支え続ける
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“国産”のネットワーク機器メーカーとして、国内テレコム業界や社会インフラ、大企業を中心に高性能で信頼性の高い製品を提供し続けるアラクサラネットワークス様。日本品質へのこだわりや、今年度に目指す方向性などについて、同社 ネットワークシステム部 部長の宮本貴久氏と同 担当部長の能見元英氏のお二人にお話をうかがいました。
品質と信頼性を徹底追求し、国産ベンダーならではの強みを発揮
―まず、アラクサラネットワークス様のご紹介をお願いします。
2004年10月に日立製作所とNECの合弁により誕生した当社は、高信頼・高性能ルータ・スイッチの開発・製造・販売を行う日本トップクラスのメーカーです。主にテレコム向けと社会インフラ&エンタープライズ向けの二つの事業を柱としており、高い技術力が反映された製品をお客様に安心して安全に使っていただく、というコンセプトを15年近くにわたって変わることなく貫いています。
コンセプトは変えない一方で、お客様のニーズや市場に対してはその変化を読み柔軟に対応することをモットーとしています。
―ネットワーク機器というと外資系ベンダーが強いイメージですが、そうした中、国産ベンダーである貴社はどのように強みを発揮しているのでしょうか。
先のコンセプトとも通じますが、日本のお客様が求める高い要求レベルを常に満たしさらには超えられるよう、品質と信頼性の追求に全力で取り組み続けていることが、我々の強みだと自負しています。具体的には、企画や設計から工場での製造・出荷に至る、ものづくりの全てのプロセスの中に、必ず品質を担保する工夫を凝らしています。その結果、当社の製品は安定した稼働を続けることができ、信頼性を担保できるのです。他社にない同一機器での10年間サポートを保証できるのも、全てのプロセスで高レベルの品質をクリアすることを徹底しているからです。
加えて我々は、“常に日本のお客様の隣を歩かせていただいている”と考えています。常にお客様と寄り添い会話を欠かさないようにしているため、製品のアップデートや新製品の開発などにおいても、お客様にとって必要と思われる機能や性能を盛り込むことができるのです。これも国産ベンダーである当社の強みです。
海外と国内の市場を比べると、やはり国内のほうがより品質に厳しいですから、製品を導入していただいた日本のお客様から「“アラクサラ”の製品は壊れないね」と言っていただけるのはとても励みになりますね。
2018年度のキーワードは「セキュリティ」「可視化」「自動化」
―2018年度、貴社の目指す方向性についてお聞かせください。
今年度掲げているテーマは「ミッションクリティカルなネットワークを支える技術と信頼性」です。「ネットワーク」は社会インフラとなっていて、例えば5Gのような超高速のモバイルネットワークでは、低遅延性と同時に信頼性がますます重要視されるので、そこにこだわっていく姿勢の表れでもあります。とりわけ5Gネットワークは将来的に国内産業の背骨となるので、我々としても2020年、2030年に向けて大切にしていきたいですね。
また、今後5GのネットワークにIoT機器などが接続されてくると、従来の「高速化」といった分かりやすい課題とはかなり変わってくるはずです。そうした社会の動向を踏まえて当社では、今年度に目指す方向性として「セキュリティ」「可視化」「自動化」の3つを掲げています。
まず一つ目のセキュリティですが、サイバー攻撃が高度化・複雑化している中、お客様の事業継続を支えるためにも、この分野にしっかり取り組む必要があると考えています。例えば昨今の最大の脅威である標的型攻撃に対しては、現状、(組織内)ネットワーク入口での防御が主流ですが、もしもそこを突破された際にどう対処するかセキュリティベンダー各社も頭を悩ませています。そこで当社が新たに提供する「サイバー攻撃自動防御ソリューション」では、インシデントの検知から遮断までを自動化して初動対応を迅速化するのに加え、「いつ/だれが/どこで/何をしたか」のトレーサビリティも確保することができます。
二つ目の可視化に関しては、今後もさまざまなサービスが目覚ましい進化を遂げ続けるには、それらを支えるネットワークの可視化が重要であると考えています。そうした背景から当社として送り出すのが「可視化・異常検知ソリューション」です。これは、機械学習技術を使ってネットワークを監視し、通信異常を検知するソリューションで、従来の“リアクティブな運用”から“プロアクティブな運用”へのシフトを促します。 最後3つ目の自動化は、特に日本の少子高齢化や労働時間の削減の動きを踏まえた展開になります。運用管理に携わる人も時間も減っていく中でもネットワークを維持し続けるためには、自動化がポイントになることは明らかです。とはいえネットワークの運用管理というのはこれまで自動化のハードルが高かったのも事実です。このため当社では、まず自社内のネットワークで自動化に向けた検証を進めるなどした結果、今年4月に構成管理ツールAnsibleを活用した「運用自動化ソリューション」をリリースすることができました。このソリューションは、従来「職人芸」とされていた運用管理のノウハウをコード化し、自動化シナリオに基づいて実行することで、職人技を持たない人でも運用を可能とします。これにより運用管理の作業の自動化と脱属人化を進め、さらにより直感的なインターフェースへの移行を目指しています。
目指す価値観と品質へのこだわりを同じくする東陽テクニカへの期待
―最後に、各種ビジョンの実現に向け、東陽テクニカに対する要望はありますか。
例えば当社で一番高速な回線である100ギガビットイーサネットのような高性能なネットワークを検査するのはとても大変で、計測機器にはそれ以上のスペックが必須となります。そこまでの広帯域や低遅延に対応できるのは東陽テクニカしかありません。
我々のように世の中にないものを新たにつくろうとすると、検査や評価のところでどうしても壁にぶつかりがちです。「これぐらいやっておけばいいだろう」では絶対にだめですから。そうした限界を超えたところまでつきあってもらえる唯一のパートナーが東陽テクニカであり、計測機器の提供だけでなく、評価方法などについてもその時々に応じて的確なアドバイスをもらっています。
また、一般的に外資系メーカーは新しい技術を取り入れるスピードは速いのですが、本当にニーズがあるのかには疑問があります。しかし、東陽テクニカが扱うようになれば最先端の技術でも本物だと思えるのです。そこまで当社が信頼できるのも、目指す価値観と品質に対するこだわりの方向性について、お互いに深く理解しているからでしょうね。これからも情報交換しながらビジョンを共有し、その実現に向けてともに歩み続けてもらえると期待しています。