大規模化するデジタルアセットに最適なバージョン管理を! ―高速ソフトウェアバージョン管理ツール「Perforce Helix Core」

株式会社東陽テクニカ ソフトウェア・ソリューション 課長 田口 智浩

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目次
  1. はじめに ―DXとバーチャル技術
  2. 大規模化するデジタルアセット管理の難しさ
  3. 最適なバージョン管理を実現する「Perforce Helix Core」
  4. おわりに

「Perforce Helix Core」イメージ

はじめに ―DXとバーチャル技術

DX推進への取り組みが進む中で、企業は、より良い顧客体験を迅速に提供するため、仮想現実を利用する機会が増えています。これを実現する技術のひとつとして、「デジタルツイン」が挙げられます。

デジタルツインは物理空間から取得した情報をもとに、仮想空間に現実世界を再現する技術です。例えば、自動車の衝突テストや自動運転車の走行テストは、実車や実路面で行うとコストやリスクが高くなりますが、環境を完全にシミュレートすることによって、安全に繰り返しテストを実行できるようになります。また別の例では、仮想空間にリアルな街を再現し、人や車の流れをデータとして加味することで、都市の再開発に役立てることができます。

では、デジタルツインはどのようにして実現するのでしょうか。最近では仮想空間の構築において、ゲーム開発で用いるゲームエンジンの技術が注目されています。米国に本社を置くコンピュータゲーム、ソフトウェアの開発販売企業、Epic Games社が提供する「Unreal Engine」もそのひとつで、高輝度、高解像度のグラフィックを作成する際に、ゲーム開発以外の用途で使われるケースが多くなっています。このようなグラフィックは、数百万ファイルにも及ぶデジタルアセットで構成されています。

大規模化するデジタルアセットをどのように管理すればよいのでしょうか。本稿では、デジタルアセット管理に最適なバージョン管理ツール「Perforce Helix Core」をご紹介いたします。

「Perforce Helix Core」イメージ

「Perforce Helix Core」の製品ページ
https://www.toyo.co.jp/ss/products/detail/perforce

大規模化するデジタルアセット管理の難しさ

デジタルアセットとは、資産としての価値があるデジタルデータのことです。本稿の中で、仮想現実を構築するために必要なデジタルアセットとは、具体的には仮想空間を構成する画像、動画、3Dモデル、サウンドなど、さまざまなデータの塊のことを指します。

「Perforce Helix Core」デジタルアセットイメージ

グラフィックを構成するさまざまなタイプのデジタルアセットは、多くの開発者によって追加や修正が行われ、それぞれが独自の進化をとげていきます。そして、デジタルアセットの容量は、1つのファイルで時には数百メガに及ぶことも少なくありません。

開発者は1つの仮想現実を構築するために、大容量でさまざまなタイプのデジタルアセットの構成を確実に把握し、コントロールしなくてなりません。

例えば、共有フォルダやクラウドストレージに保存して管理するという方法がよく用いられますが、大規模化するデジタルアセットにおいては、多くの開発者が同時に作業をするため、誤ったデータを上書きしてしまったり、不安定な状態のファイルを組み込んでしまったり、と人的なミスを誘発しかねません。

それでは、大規模化するデジタルアセットを効率的・効果的に管理するための要件は何でしょう。大きく、次の4つがあげられます。

● 大容量のデジタルアセットを確実に管理できること
● 何十万にもなるトランザクションを制御できること
● 数百人規模でも安心して同時アクセスができること
● 構成管理、変更管理ができること

最適なバージョン管理を実現する「Perforce Helix Core」

そこで提案されるのが、ソフトウェア開発で使用されるバージョン管理ツールです。

バージョン管理とは、プロジェクトの中で更新されるさまざまなデータの変更履歴を保存・管理することです。米国Perforce Software社1)が提供する「Perforce Helix Core」は、4つの要件を満たすと同時に、「Unreal Engine」のような開発ツールとのシームレスなインテグレーションにより、複雑な開発課題を克服できるよう作られたバージョン管理ツールです。

「Perforce Helix Core」イメージ

その優れた機能を5つご紹介します。

1. さまざまなファイルを一元的に管理

テキストから画像などのバイナリファイルまで、異なるタイプのファイルを一元的に管理することができます。ファイルの取り違えや間違った上書きを防ぎ、絶対的に信頼できる唯一のデータとして管理し、開発者やビルドシステムはサーバーにアクセスして、作業を実施できます。

2. 独自プロトコルによる高速なアクセス

独自のプロトコルによって接続されるため、高速なアクセスを実現します。一般的な標準プロトコルを使った通信に比べて、より短時間でのファイル転送を実現します。

3. 高い拡張性と可用性

拡張性が高く、ペタバイト級のデータ管理や、1日あたり数千万トランザクションも可能です。また、10,000人以上の同時アクセスも制御できるため、大規模ソフトウェア開発やリモート環境での開発を支援できます。

4. 堅牢なセキュリティ

ファイルやフォルダへのアクセスをユーザー単位、グループ単位で設定でき、ファイルへのアクセス履歴を記録します。

5. 各種開発ツールとのシームレスな統合

例えば、ゲームエンジンの「Unreal Engine」や「Unity」、グラフィックツールの「Photoshop」、「Maya」、「3ds Max」ともシームレスに統合できますので、日頃から使用しているユーザーインターフェースから操作することが可能となります。

おわりに

ゲーム業界ではいち早く仮想空間技術を活用し、製品やサービスを早いサイクルで市場に展開しています。「Perforce Helix Core」はその開発を支える最適なソリューションとして、多くのゲーム関連企業様に採用されています。今後の技術革新により、ゲーム業界に限らず幅広い業界において仮想空間技術の利用が促進され、それにともないデジタルアセットの管理はより一層需要が高まるでしょう。「Perforce Helix Core」は、高速なファイルの呼び出しや書き込みで非常に優位性があり、デジタルアセット開発者の要望に応えるツールとして注目されています。

東陽テクニカは今後も、最先端の各種ソフトウェア開発支援ツールをご提供してまいります。

1)Perforce Software社
Perforce Software社は、1995年に高速ソフトウェア構成管理システム「Perforce」(現「Perforce Helix Core」)を開発し、その販売を開始しました。現在はさらに、開発者間のコラボレーションを円滑にし、アジャイルプロジェクトを管理するためのツール群(アジャイルプロジェクト管理、要件管理、課題管理、テスト管理ツール)を提供することで、アジャイル開発やDevOpsを支援します。

「Perforce Helix Core」は数多くの革新的なメーカから厚い信頼を集めており、世界で40万人以上のユーザーが利用しています。

筆者紹介

株式会社東陽テクニカ 田口 智浩 写真

株式会社東陽テクニカ
ソフトウェア・ソリューション 課長

田口 智浩

1987年、東陽テクニカに入社し、情報通信分野において通信障害解析ツールの販売に従事。
2009年以降、ソフトウェア開発支援ツールの販売に従事。

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