フレキシブル(CVT)プローブの効果
Lake Shore社プローブステーションで連続温度可変測定
概要
物質は温度が変わると熱膨張係数に応じて寸法が変化します。サンプルステージを室温から4.2K まで冷却するとプローブアームの温度も変化するので長さが400μmほど収縮します。そのためサンプルステージの温度を変えるときは、一旦プローブをサンプルから離して、温度が安定してから改めて接触させることが推奨されてきました。このような作業が必要なため従来は自動的に温度を変化させる測定は困難でした。
世界初!温度を可変させても接触位置をキープするプローブを開発
フレキシブルプローブ(CVT)は熱膨張や熱収縮によるアームの長さの変化を吸収するために設計された新しい探針です(左図参照)。これにより温度を変化させても接触位置を維持できるようになりました。(米国特許取得済み、日本国特許出願済み)
フレキシブルプローブの利点
- 温度変化させながらの連続測定が可能なため、短時間かつ自動測定が可能
- プローブの再接触による接触抵抗のばらつきがないため、高精度で測定が可能
フレキシブルプローブを用いたホール移動度の温度依存性測定
ホール移動度の温度依存性の測定結果をもとに、フレキシブルプローブと従来のプローブを比較します。測定はLake Shore社プローブステーションCPX-VF(2.5T垂直磁場印加超伝導マグネット搭載)で行っております。 従来のプローブ(ZN50R)では温度を変える前に針先をサンプルから離し、温度が安定したら再び針先をサンプルに当て、合計14回オペレーターの介入を必要としました。 フレキシブルプローブ(ZN50R-CVT)は20Kでサンプルに針先を当て、そのままの状態でオペレーターが介入することなく温度を20Kから300Kに変化させて測定しました。
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株式会社東陽テクニカ 理化学計測部