物性評価ソリューションマガジン Vol.10

Andeen-Hagerling 社製「自動キャパシタンスブリッジ 2550A/2700A」のご紹介

平素は弊社製品をご愛顧いただき誠にありがとうございます。理化学計測部 物性チーム メールマガジン担当です。
先日「強誘電体特性評価 基本原理と測定上の注意点・ノウハウのご紹介 オンラインセミナー」を開催し、当日は 120 名を超える方々にご参加いただきました。誠にありがとうございました。セミナー内容がみなさまのお仕事や研究に少しでもお役に立てれば幸いです。
今後も、様々なテーマでオンラインセミナーの開催を企画しておりますので、ご希望の講演テーマがありましたらぜひお聞かせください！

さて、今月ご紹介する製品は、世界最高確度・分解能・安定度を誇る、Andeen-Hagerling 社製 自動キャパシタンスブリッジです。

１．Andeen-Hagerling 社製 自動キャパシタンスブリッジ 2550A/2700A

Andeen-Hagerling 社の自動キャパシタンスブリッジは、下記のとおり、他に類をみない、測定確度、測定分解能、温度安定度を有する、キャパシタンスアナライザです

• 基本確度：5ppm
• 測定分解能：0.8aF
• 温度安定度：0.035ppm/℃（周波数 1kHz において）

今回、キャパシタンスブリッジの頭に、“自動”と表記したのは次のような理由からです。
昔のキャパシタンスブリッジは、ダイヤルが数多くついていて、そのダイヤルを手動で調整し、ブリッジバランスをとりながら、測定を行うため、熟練のエンジニアでさえ、測定に非常に時間がかかるものでした。
しかしながら Andeen-Hargerling 社の 2550A/2700A はそれらを自動で行うことで、測定時間 1 秒以下を実現！熟練のエンジニアでなくても短時間で、高確度・高分解能キャパシタンス測定が可能となりました。
キャパシタンス（静電容量）が、上述の基本確度（5ppm）、測定分解能（0.8aF）で測定できるということは、C=ε0・εs・S/d （ε0：真空の誘電率、εs：比誘電率、S：電極面積、d：電極間距離）より、比誘電率や、並行平板（電極）に挟まれた誘電体（絶縁体）の厚さや変位も、同じ確度・分解能で測定可能となります。また、キャパシタンスの測定と同時に損失（Loss）の測定も可能で、電気伝導率や絶縁抵抗もまた同時に測定可能です。
これらの特長から、2550A/2700A 型自動キャパシタンスブリッジは、幅広い研究分野でご使用いただいております。

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２．自動キャパシタンスブリッジのアプリケーション例

３．自動キャパシタンスブリッジの使用例

絶縁体（誘電体）の誘電率や変位の測定は、試料を電極で挟めば可能ですが導電体や半導体の場合は、少し工夫が必要です。 導電体（半導体）の振動測定と変位測定の例をご紹介します。

■de Haas van Alphen 効果測定

金属の特性を知るのに非常に重要なフェルミ面の研究は、最近では金属だけではなく、磁性体や超伝導体などでも研究が盛んに行われ、新たな物性評価として成果を上げています。 このフェルミ面を実験的にとらえる手法の一つとして、de Haas van Alphen（dHvA）効果があります。
dHvA 効果とは、極低温下において、金属など物質の磁化率が磁場の逆数に比例して振動する現象で、この現象を利用して、フェルミ面を観測することが可能です。

■振動測定

カンチレバーにサンプルを取り付け、サンプルの反対側に少し隙間を開け並行平板（電極）を置き、コンデンサを形成します。
サンプルに強磁場をかけるとサンプルが振動し、その振動による変位をキャパシタンスブリッジで測定を行い、振動の周期を求めます。

de Haas van Alphen
効果測定の詳細

■熱膨張・磁歪測定

温度変化に対し試料長が変化する熱膨張や、磁性体の磁化の強さを変化させると歪みや形状変化が現れる磁歪測定にも、キャパシタンスブリッジは有効です。
de Haas van Alphen 効果測定と同様、試料の形状変化をキャパシタンスの変化として測定することで、高感度、高分解能測定が可能となります。

熱膨張・磁歪測定の詳細

４． オンラインストアのご案内

みなさまからご好評をいただいておりますオンラインストアは年中無休で稼働しております。
弊社在庫品は標準納期 5 営業日以内、メーカ手配品についても標準納期を記載しており、見積書の取得からご発注まで、サイト上で一貫して手続き可能で、ご利用は無料です。
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