物性評価ソリューションマガジン Vol.11

比抵抗/ホール測定システムのご紹介と半導体特性評価 オンラインセミナーのご案内

平素は弊社製品をご愛顧いただき誠にありがとうございます。理化学計測部 物性チーム メールマガジン担当です。
例年、今月末には全国的に梅雨明けを迎えますが、今年の夏は新型コロナウイルスの影響で海水浴場やプールが通常通り営業できなかったり、各地の花火大会でも中止が検討されているという報道も目にします。いつもと同じ夏が過ごせないのは少し残念ではありますが、例年とは違った夏休みの計画を立てるのもよいかもしれませんね。
その中で、働き方も変わりつつあると思います。私たちもセミナーの方式から対面での開催からオンライン開催に切り替え、積極的に最新の技術情報をみなさまへご提供できるように努めております。

さて、今月号は比抵抗/ホール測定システムのご紹介と7 月 29 日(開催終了)に開催するオンラインセミナーの先行案内をいたします。

1.オンラインストア サマーキャンペーンのご案内

いきなりですが、みなさんは「半導体」という言葉を耳にしたことがありますか?
大多数の方が YES とお答えになると思います。この半導体は現在、我々の生活には不可欠な物になっています。身近では、スマートフォン、LED や自動車などの電子デバイスに使用されており現代社会を支えています。今後も半導体は近未来の社会システムや我々の生活の向上に貢献していくことと思います。
この半導体の特性を知るためには、基礎物性であるキャリア輸送特性を調べることが不可欠です。半導体の電気を伝える能力(輸送特性)は、移動できる荷電粒子の含有量(キャリア濃度)と荷電粒子がどれくらいの速さで動くか(キャリア移動度)で表すことが可能です。これらを測定するのが、比抵抗/ホール測定システムです。

【比抵抗/ホール測定システム ResiTest8400 型の特長】

  • 電極間抵抗測定範囲 :10^-5Ω ~ 10^13Ω
  • 比抵抗測定範囲   :10^-9Ωcm ~ 10^9Ωcm (試料厚み= 1μm)
  • ホール移動度測定範囲 :0.001cm^2/V・s 以上(端子間抵抗 10^8Ω 以下)
  • キャリア濃度測定範囲:<10^23cm^-3
  • 印加電流範囲    :100fA~100mA
  • 印加磁場範囲    :AC 磁場 0.35Trms DC 磁場 -0.52T~+0.52T
  • 測定温度範囲    :REF 型 20K~473K VHT 型 室温~800℃

一番の特徴は、AC(交流)ホール測定により、高抵抗/低移動度のサンプルのホール測定が出来る点です。当社は 1984 年からホール測定装置を販売しており、これまで多くの半導体材料の評価に使用されてきました。1995 年頃にダイヤモンド半導体などのワイドバンドギャップ半導体(パワー半導体、発光デバイスなど)が注目されはじめましたが、ワイドバンドギャップ半導体のホール起電圧は小さくノイズに埋もれてしまうため、それまでのホール測定装置(DC 磁場)では測定ができませんでした。当社はこの問題を解決するために、2000 年に AC(交流)ホール測定法(特許取得)を開発しました。
AC ホール測定法とは、磁場の向きと大きさを一定の周期(sin 波)で変化させ、それと同期してサンプルに現れる純粋なホール起電圧のみを検出し、DC 不平衡電圧、高周波ノイズの影響を除いて測定する測定法です。
この AC ホール測定法を採用した当社が販売する ResiTest シリーズは、それまでの DC 磁場ホール測定装置よりもホール起電圧測定感度が 100 倍以上向上しました。

製品詳細

【M91型 MeasureReady FastHall™ホール効果測定コントローラの特長】

この AC ホール測定法は高感度で測定が可能ですが、測定時間がかることが唯一の欠点でした。そこで「測定対象サンプルが多数あり素早く測定がしたい!」というお客様からのニーズに応えるため、弊社が国内総代理店を務める米国 LakeShore 社は、ホール測定コントローラ M91 型を開発しました。
この M91 型は LakeShore 社が特許を取得した FastHall 測定技術により、ホール電圧測定時に印加される磁場の極性を反転せずにホール効果測定を可能にします。
これにより、特に高磁場の超伝導磁石を使用する場合は、従来と比較してより高速、高感度な測定を実現します

製品詳細

2.半導体特性評価 オンラインセミナーのご案内

当社主催の半導体特性評価 オンラインセミナーをメールマガジン読者の方に先行してご案内いたします。
比抵抗/ホール測定は基本的な測定ではありますが、不適切なサンプル形状や電極により測定誤差が大きくなり本来の値を得ることが出来ない場合が多々あります。
今回のセミナーでは比抵抗/ホール測定における注意点と、先ほどご紹介した AC(交流)ホール測定・FastHall 測定の原理・利点をご紹介します。

  • 半導体特性評価 比抵抗/ホール効果の測定ノウハウとホール測定手法のご紹介
    • 開催日時:2020 年 7 月 29 日(水) 13:30~14:30(終了しました)
    • 開催形式:Zoom によるオンライン会議にて講演します
    • 講演内容
      • 半導体の基本
      • 測定上の注意点・ノウハウ
      • AC(交流)ホール測定の原理・利点━━低移動度サンプルの測定が可能
      • FastHall 測定の原理・利点━━磁場反転不要で高速測定が可能
    • 参加費:無料 ※事前の参加登録が必要です
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3.オンラインストア サマーキャンペーンのご案内

今年もオンラインストア サマーキャンペーンを実施しております。
メールマガジンをご愛読いただいているみなさまに先行して対象製品をご案内いたします。
<キャンペーン対象期間:2020 年 9 月末日ご発注分まで>※終了しました

5.あとがき

東京は梅雨真っ盛りの湿った毎日ですが、みなさまのお住まいや職場ではいかがでしょうか?
新型コロナウイルス対策で私も普段からマスクをしていますが、思い返すと 20 数年の人生の中で夏場にマスクをして過ごした経験がなく、未だに慣れません……。週に 2 回の出社日に駅の階段を上り下りするだけでぜぇぜぇしています。
前回のメールマガジンで 11 分の痩せるダンスを始めた、とお伝えしましたが11 分では何の変化もなかったので最近は 15 分の痩せるダンスにプログラム変更しました。増やすのは簡単なのに、落とすのはこんなに難しいものかと頭を悩ませていますが、この増加した 4 分が私を劇的に変えることを期待しています!!
来月配信する頃には梅雨も明け、夏真っ盛りの暑い日々かと思いますが、みなさまに良い報告ができるように頑張ります!

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