電気化学ソリューションマガジン Vol.08

誘電体の誘電率測定法のご紹介と新製品のご紹介

平素は弊社製品をご愛顧いただき誠にありがとうございます。
理化学計測部 電気化学チーム マーケティング担当です。

さて今回は、これまでの電気化学測定から少し趣向を変えて、容量法を使った誘電率の測定方法をご紹介します。
ぜひ、最後までご一読ください。

description  目次

  1. 誘電体の誘電率測定
  2. Spectroinlets 社 EC-MS 電気化学質量分析計取扱い開始の先行案内
  3. Bio-Logic 社 新製品!VMP-3e 電気化学測定システム(16ch)のご紹介
  4. 【測定のコツが知りたい電気化学分析】個別相談室のご案内
  5. 学会・展示会・その他のイベント予定
  6. あとがき

1.誘電体の誘電率測定

誘電率とは物質の分極のしやすさ(電気を蓄えられる大きさ)の指標で、コンデンサ用材料や絶縁体における性能評価の指標として使われます。
例えば、誘電率が高ければ高いほど蓄えられる電気量が大きくなるので、コンデンサ材料としては優秀なものになります。
逆に絶縁体は電荷が溜まることを防ぐために誘電率は低ければ低いほど良い材料といえます。
また、コンデンサ材料や絶縁体材料は、総じて漏れ電流(誘電損失)が小さい材料が要求されますが、その度合いも誘電率測定を行うことにより評価することが可能です。
誘電率を測定することは、誘電体・絶縁体の特性を評価する上で大変重要な情報となるため、誘電率を計測する装置は汎用的に使用されます。

▼ さらに詳しい計測・計算方法についてはこちらから
  https://www.toyo.co.jp/material/casestudy/detail/ele22.html

誘電体等の絶縁体は低周波域になると高インピーダンスとなり、計測が困難になります。
それを解決するために当社では 1TΩ まで測定可能なインピーダンスアナライザを開発しました。

▼ マテリアルインピーダンスアナライザ MIA-5M の詳細はこちらから
  https://www.toyo.co.jp/material/products/detail/MIA-5M.htmlele22.html

2.Spectroinlets 社 EC-MS 電気化学質量分析計(お取り扱い終了)

電気化学反応により発生した揮発性分子をリアルタイムで観測・定量化するシステム。
※本システムは取り扱いを終了いたしました。お問い合わせはページ下記【お問い合わせフォーム】よりお願いいたします。
Spectroinlets社が開発した特殊なガス交換膜(特許取得済)により、電気化学反応により生じたガスは直ちに質量分析計(MS)に送られるため、電気化学測定中のガス分析、および定量化が可能になりました。
これまでの電気化学質量分析計は発生ガスのリアルタイム観測は可能でしたが、発生したガスを定量化まで可能にしたのは、他の測定器には無い特徴的な機能です。これらの機能は CO2 還元触媒により複数種類発生するガスの特定や定量化、リチウムイオン二次電池のガス発生のリアルタイム観測などに役立ちます。

3.Bio-Logic 社 新製品!VMP-3e 電気化学測定システム(16ch)のご紹介

▼ VMP-3e 電気化学測定装置(16ch)の詳細はこちらから
  https://www.toyo.co.jp/material/products/detail/VMP-3e.html

Bio-Logic 社製マルチチャンネル電気化学測定システムの新製品 VMP-3e をご紹介いたします。
VMP-3e は、インピーダンス品質評価機能(EIS Quality Indicators)を新たに標準で搭載しており、従来の装置でインピーダンス測定時によくあるお悩みごとである、インピーダンス測定の前提条件としての、線形性、因果性、不変性の定量的な評価を可能にしました。
基本仕様・機能は VSP、VMP3 と同様ですが、VMP-3e(最大 16ch)では、最大±1A まで電流出力を拡張することができます。
インピーダンス品質評価機能に対応した最新式の電気化学測定システムを使用することで、お客様の研究開発をより強力にサポートいたします。

▼ EC-Lab® インピーダンス品質評価機能(EIS Qquality Iindicators)に関する技術資料はこちらから
  https://www.toyo.co.jp/material/casestudy/detail/ele27.html

▼ VMP-3e 電気化学測定装置(16ch)の詳細はこちらから
  https://www.toyo.co.jp/material/products/detail/VMP-3e.html

また、従来モデル SP-150、VSP、VMP3などをご使用中の方でもインピーダンス品質評価機能をご利用い ただけるポテンショ/ガルバノスタットボードも取り扱っております。

■ eタイプ ポテンショ/ガルバノスタットボード(SP-150、VSP、VMP3、VSP-3e、VMP-3e 対応) インピーダンス品質評価機能(EIS Quality Indicators)を搭載したポテンショ/ガルバノスタットボード です。
インピーダンス測定の前提条件である線形性、因果性、不変性を定量的に解析することが可能で、インピーダンス測定結果の信頼性を評価することができます。
eタイプ ポテンショ/ガルバノスタットボードを格納するシャシーは、既存製品のシャシー(SP-150、VSP、VMP3)または新製品のシャシー(VSP-3e、VMP-3e)の両方に対応しています。

▼ ポテンショ/ガルバノスタット一覧はこちらから
  https://www.toyo.co.jp/material/products/list/?contents_type=2320

4.【測定のコツが知りたい電気化学分析】個別相談室のご案内

本相談室では、初めて電気化学分析を行われる皆様を対象に、
「測定には何をどれだけ揃えれば良いのか?」
「作用電極のメンテナンスはどうしたら良いのか?」
「有機溶媒のCV測定は難しい?」
数え始めるときりのないこれらの疑問点やお悩み事をうかがったうえで、その測定に必要な測定機器と電極などをご紹介し測定に至るまでのご相談を承ります。

相談室申込ページ

5.学会・展示会・その他のイベント予定

第61回電池討論会(Web 開催)

○ 開催期間:2020年11月18日(水)~20 日(金)
Web 展示会にて弊社取り扱い製品を掲載予定です。
詳細が決定次第、改めてダイレクトメールでご案内いたします。
○ 電気化学におけるインピーダンス測定法と解析法 オンライン技術セミナー
Web 開催日:2020年11月27日(金)
例年、弊社が主催し大好評をいただいております、東京理科大学 理工学部 先端化学科 板垣昌幸教授による、電気化学インピーダンスセミナーを今年はオンラインにて開催いたします。

6.あとがき

今号も最後までお読みいただきありがとうございます。
本メールマガジンが少しでもみなさまのお仕事、ご研究のお役に立つことが出来れば幸いです。

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