技術資料
設備安全基準に対応した安全機構付きシステムの提案
I はじめに
全世界でカーボンニュートラルの実現に向けた動きが加速しており、クリーンなエネルギーの需要が高まっています。その中でも蓄電池や燃料電池の研究は盛んに行われており、自動車をはじめとする様々なデバイスへの運用も進んでいます。開発が進んで蓄電池や燃料電池の大容量化が進む一方で、実験を行う際に研究者の安全確保もシステム構築を行う上で重要な項目のひとつになっています。当社ではそういったお客様からのご要望の応えるため、装置単体だけでなく様々な安全機構を設けたシステム提案を行っています。
II 危険源
安全機構を構築するにあたり、まずは危険源の同定を行う必要があります。この危険源に対して想定されるリスクの見積り・評価を行ったうえで対策を講じることで、研究者が安全に試験を行うことができます。表1に危険源・リスク例および対策の一覧を示します。危険源がサンプルと計測器のどちらなのか混同しがちですが、それぞれで想定されるリスクや対策も異なるため注意が必要になります。また、燃料電池では実験設備に水素(可燃性ガス)や加湿器を使用するため、ガス漏れや水漏れに対する対策も必要になります。
表1. 危険源・リスク例および対策の一覧
III 提案例(蓄電池)
蓄電池がサンプルの場合における安全機構付きシステムの概要例を図1に示します。当社開発の安全監視ユニットをまとめ役として、計測器や恒温槽の異常監視やサンプル電圧・温度の二重監視を行います。異常検知時は直ちに各装置を停止させるとともに、お客様設備およびシグナルタワーにより装置異常を知らせることができます。信号の種類やシグナルタワーの配色はもちろん、お客様の安全基準に準拠した安全機構システムを提案できます。
図1. 安全機構付きシステムの概要例
IV まとめ
本稿では、蓄電池や燃料電池を試験する上で安全機構の必要性、危険源および提案例を紹介しました。すでにお持ちの計測器に対して安全機構を追加することもできるため、安全機構について詳しく知りたい方や興味のある方は当社までお気軽にお問い合わせください。
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