FAQ

燃料電池

燃料電池評価

ID.Q1

Q. 固体高分子形燃料電池(PEFC)の発電に必要な燃料ガス流量は?

A.


PEFCの発電に必要な理論上の燃料ガス流量は「Q=mFz」の式から求められます。

 Q:電荷量[C]=電流[A]×時間[sec]
 m:モル数[mol]
 F:ファラデー定数(=96500 [C/mol])
 z:イオン価数

例えば、MEAの面積が1 cm2の燃料電池を1 A/cm2の電流密度で1分間通電したときに必要な水素の量は以下のようになります。 (ただし、水素分子は理想気体、体積は標準状態換算)

水素[L]=22.4[L/mol]×1[cm2]×1[A/cm2]×60[sec]×1/96500[C-1mol]
 ×1/2(価数)=0.006963・・・[L]=6.96 [mL]

つまり、1cm2の面積の燃料電池で、1A/cm2の電流を1分間保持するための水素量は、水素が100%反応すると仮定した場合、約7 mL/minとなります。
ただし、一般には100%反応させることは難しいので、通常は最低必要量よりも多い燃料を流します。
この時の流量の指標として、“燃料利用率:反応する燃料量/供給する燃料量”があります。
25cm2の燃料電池で1A/cm2の発電の際に、燃料利用率50%で発電させるとすると、

水素[L/min]=7[mL/(min・cm2)]×25[cm2]×(100/50[%])=350[mL/min]

スタックセルの場合は更にスタック数を掛けると、必要な水素量を算出できます。
カソード側の酸素(空気)量は考え方次第ですが、少なくとも反応する水素量と100%反応するだけの酸素量が必要になります。

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