祝 ノーベル物理学賞受賞!! 青色LEDの研究に貢献

 
赤﨑先生、天野先生、中村先生、ノーベル物理学賞受賞決定おめでとうございます!!
 (天野浩・名古屋大学教授との特別対談はこちら。)
 
ノーベル物理学賞受賞に当社の技術力が大きく貢献
 
スウェーデン王立科学アカデミーは、2014年のノーベル物理学賞を、高効率青色LEDを発明した赤﨑勇・名城大教授、天野浩・名古屋大教授、中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授の3氏に授与することを決定しました。この青色LEDの発明により白色を含むあらゆる色の光を照射でき、明るくて消費電力の少ない最新のLED光源が作られるようになりました。

この青色LEDの研究に、東陽テクニカのホール測定装置(商品名「レジテスト」)が大きく貢献をしたことは、当社にとってたいへんな喜びであり誇りであります。 赤﨑先生、天野先生と中村先生は当時所属されていた大学や会社は異なりますが、それぞれの研究室には共通して当社のホール測定装置が導入され、研究室で試作したLED半導体の特性を調べるために活用をしていただきました。
 
 
この青色LEDを作るために3氏が使われたのはガリウムナイトライド(GaN)という新しい半導体の材料です。それまで半導体と言えばゲルマニウム(Ge)やシリコン(Si)という材料しか実用化されてなかった1990年代に、赤﨑先生は青い(エネルギーの高い)光を照射するために必要なもっと高いエネルギー構造を持った半導体(ワイドバンドギャップ半導体)としてガリウムナイトライドに着目されました。

しかしガリウムナイトライドはそのエネルギーの高さゆえに半導体としての電気的な性質を調べることは簡単ではありません。当時普及していた従来型のホール測定装置では、ガリウムナイトライドの半導体特性(移動度、キャリア濃度)を測定することは不可能でした。そこで当社がワイドバンドギャップ半導体の測定ができる新しい技術を開発して、ACホール測定装置として半導体研究機関に提供をしたのです。

例えば移動度で言うと、シリコン半導体は500(単位は[cm2/Vs])以上あるのに対して、当時、特にp型のガリウムナイトライドの移動度は10にも満たない低いものでした。しかし当社が提供したACホール測定装置は、わずか0.1の移動度までもの観測を可能にしました。これにより試作段階のまだ完成度の低いLED半導体の特性を正確に評価することが可能になり、新しい半導体プロセスへのフィードバックがスピードアップされました。ここまでの性能の装置は当時世界にも例がなく、日本のガリウムナイトライド半導体の研究が世界を大きくリードしていくことに当社が多少なりとも貢献できたことをたいへん光栄に感じております。

さらに、青色LED以外の分野でも、パワー半導体の旗手と言われるシリコンカーバイド(SiC)や超高精細液晶ディスプレイを実現したイグゾー(IGZO)と呼ばれる光透過型半導体など、日本が世界をリードする新型半導体の基礎研究にも当社のACホール測定装置(商品名レジテスト)が広く活躍をしています。赤﨑先生らに続いて、将来さらに日本の半導体研究者がノーベル賞に輝く研究業績を上げられることを願うとともに、それらの研究に当社が貢献できるようこれからも優れた計測装置の供給に邁進していきたいと当社員一同、決意を新たにしています。