Lake Shore Cryotronics Inc.(レイクショア / USA)
2ch 温度コントローラ 335型
335型は 2chのダイオード/抵抗センサー入力とPID制御ループ、合計75Wの2chヒーター出力を持つ温度コントローラです。適切な温度センサーとの組み合わせで 低温300mKから1505Kの温度を測定/制御できます。従来機(331,332型)から性能/機能を改善し、低温実験において国内で幅広く採用されています。
株式会社東陽テクニカ 脱炭素・エネルギー計測部
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特長
- 最低温度300mK
- 2チャンネルセンサー入力
・ダイオード、抵抗センサー、熱電対オプションに対応
・熱起電力誤差を補償する電流反転機能 - チャンネルPID制御ループ
・50W/25Wもしくは75W/1W - 自動センサー入力切り替えにより300mKから1505Kの連続測定及びコントロールが可能
- センサーに名前が付けられるラベル機能
- USB、GPIB I/F標準装備
- ±10Vのアナログ出力、アラーム音、リレー接点標準装備
335型のハードウェア、ソフトウェアともに性能が改善されており、よりパワフルな ヒーター出力も加わり、お客様の様々なご用途に適合できます。ヒーター出力の出力1は電流モード、出力2は電流/電圧モードに設定できます。出力2を電圧モードに設定すると±10Vのアナログ出力、もしくはPID機能を持った1Wのヒーターとして使用できます。従来よりも改善された自動PID制御パラメータにより、温度コントロールで課題であったチューニングの時間を減らし、実験・研究により多くの時間を実験・研究に割くことができます。
335型はLake Shore社の全ての最新温度センサーラインナップ(ダイオード、抵抗温度センサー、熱電対)をサポートしています。自動センサー入力切り替えにより、300mKから1500Kまでスムーズな温度コントロールが可能です。
335型は、直感操作が可能なフロントパネルキーパッド配列で、明るい真空蛍光表示管ディスプレイ及びLEDインジケータを採用しています。ディスプレイは、4種類の情報を表示可能で、その表示はお客様が自由に設定できます。実験装置に関連するラベルや直感的に認識できるようなラベルなどに変更できるセンサー入力ラベル機能はとても便利です。また、USBやIEEE-488インターフェースなど必要な機能を十分に備えています。
335型は、温度コントローラの業界スタンダードモデルであった331型、332型の後継機種となります。そのため、335型はソフトウェアエミュレーションモードを持ち、331S型、332S型で計測システムを構築していたお客様にも容易に置き換えていただくことができます。
335型は、低温測定分野のリーディングサプライアであるLake Shore社が自信を持ってご紹介できる最新温度コントローラです。
テクノロジー
センサー入力
335型は、ダイオードとRTD温度センサーに対応した2チャンネルの温度入力を持っています。また、フィールドインストー ルが可能な3060-H型熱電対オプションを追加することにより、2チャンネルの熱電対測定に対応できます。センサーの入力部には24ビットの高分解能アナログ-デジタル変換機、そして電源部には独立した2チャンネルの電流ソースとして機能する電源を有しています。また、335型の入力部は、ノイズ低減や再現性の良い測定の為に、光学的に他の電子回路から絶縁されています。そして、電流反転機能は抵抗センサーで発生する熱起電力(TEMF) を除去できます。電流ソースの電流値は9段階に切り替えることができるので、負の温度係数を持った抵抗温度センサー(NTC RTD)を使って300mKまでの温度測定と温度制御が可能です。オートレンジ機能は、電流ソースの電流値を自動的に切り替えて抵抗センサー(特に負の温度係数を持ったセンサー)の自己発熱誤差を減らします。
シリコンダイオードやGaAlAsダイオードセンサーを使えば、1.4Kまでの低温測定と温度制御ができます。フロントパネルの操作でセンサーの種類が決まると、自動的に適切な駆動電流と測定回路の増幅率レベルが設定されます。335型のゾーン設定機能はユニークで、温度に応じてセンサー入力が自動的に切り替わり、300mKの低温から1500Kを超える高温まで、広い温度範囲を中断することなく連続的に測定できます。
335型はあらかじめシリコンダイオード、白金測温抵抗、酸化ルテニウム、熱電対の標準温度応答カーブを不揮発性メモリに記憶しています。この記憶領域に200点の校正点を持つLake Shore社の校正カーブを39種類まで保存できます。335型に組み込まれたSoftCalというアルゴリズムを使ってシリコンダイオードと白金測温抵抗体の校正カーブをお客様自身が作成でき、またそれを記憶領域に保存できます。Lake Shore社が作成したカーブハンドラーというソフトウェアを使うと、PCに保存してある温度センサーの校正データを335型に書き込んだり、読み出したり、また値を変更したりできます。
温度制御
335型は合計75Wのヒーター出力を持ったハーフラックサイズでは最もパワフルな温度コントローラーです。そして、ノイズの影響を受けやすい極低温領域を含めた広い範囲の温度制御をするために、ノイズの少ない綺麗なヒーター出力を供給します。独立した二つのPID制御系は、それぞれ50Wと25Wまたは75Wと1Wのヒーターパワーを出力し、2チャンネルの入力のいずれとも組み合わせることができます。PID制御のヒーター出力は目標温度とセンサー温度の両方から計算されます。335型のチューニングパラメータは幅広い設定ができるので、研究室で使われる一般的な高温オーブンやクライオスタットのほとんどに適合します。PIDパラメーターをお客様自身がマニュアルで設定することも、また オートチューニング機能で自動的に実施することもできます。オートチューニング機能はPIDパラメーターを調整するだけでなく、ゾーンチューニングのパラメーターテーブルを作成するのにも役 立ちます。ランプ機能を動作させるとPID制御の目標温度は最終目標温度へ向かってゆっくりした勾配で変化します。この機能を活用すると、オーバーシュートが起きにくくなり、またセットリ ング時間が過剰に長くなるのを防ぎます。これを「自動的にセンサーを切り替える機能」、「9 段階の電流のレンジを切り替える機能」ゾーン設定機能の一部と組み合わせれば、335型は300mKから1505Kの温度範囲を連続的に測定し制御することができます。
ヒーター出力の基準電位はシャーシグランドレベルです。工場出荷時の設定では、25 Ωと50 Ωの負荷に対して、出力1と出力2はそれぞれ50Wと25Wのヒーターパワーが出力できます。出力2は電圧モードの設定できます。電圧モードの場合、直流の可変電圧出力で、電圧の範囲は±10Vまたは、閉ループPID制御が可能な1Wのヒーター出力として機能します。このモードであれば、出力1は25Ω負荷の場合、75Wのヒーター出力が可能になります。入力温度の制限設定は安全策として用意されています。それぞれの入力に対して温度制限値を設定できます。そしてどれかひとつ制限を越える値が観測されたらすべての制御系は自動停止します。
インターフェース
335型はUSB、GPIB(IEEE-488)を標準装備しています。そして、これらのインターフェースから335型が持っているほとんどのデータ収集機能をコントロールできます。また、レイクショアはセンサーの校正カーブを扱うソフトウェア(カーブハンドラー)を用意しています。このソフトウェアを使えば誰でも簡単に校正データを335型の不揮発メモリーに書き込んだり、校正データの編集をしたりできます。必要の際は東陽テクニカへご用命ください。 USBインターフェースは固定ボーレート57,600BPSのRS-232Cシリアルポートをエミュレートします。
このUSBインターフェースを使えば、お客様ご自身でファームウェアのアップグレードができます。その際、ハードウェアにかかわる作業は不要です。
センサー入力にはそれぞれアラームが設定できます。設定した値より「高い」または「低い」場合、アラームが動作します。動作モードはラッチとノンラッチの両方が用意されています。二つのリレーはアラームと組み合わせて使うことができます。例えば、実験に問題が起きた場合に警報を発したり、あるいは単純なON/OFF制御をするためにも利用できます。リレーはどのアラームにも割り当てられます。また、マニュアル操作も可能です。
±10Vのアナログ電圧出力は温度に比例した電圧をチャートレコーダーやデータ取り込みシステムに送り記録させることができます。このとき、出力に送るスケールやデータを(温度や単位を含めて)選ぶこともできます。
335型リアパネル
- センサー入力コネクター
- ターミナルブロック(リレー及びアナログ出力)
- USBインターフェース
- IEEE-488インターフェース
- 電源入力
- ヒーター出力1
- ヒーター出力2
- 熱電対入力オプション
仕様
- 温度制御の安定性は、制御対象が理想的であるとみなして電気的な性能についてのみ記述している。
- 電流ソースの誤差の影響は測定確度上では除去可能である
- ダイオード温度計の駆動電流は1mAに設定すこともできる。
- 電流ソースの誤差は校正を通して除去される
- 確度の仕様は室温補償の誤差を含まない。
- Tcal の確度は23.5℃±1.5℃(ティピカル値)