Z-RW-Analysis インピーダンス解析ソフトウェア
Z-RW は新たな等価回路フィッティング手法として注目されているRW 法を用いたインピーダンス解析ソフトウェアです。初期値に依存せず、解析が難しいデータに対しても確度の高い解析結果を得ることができ、等価回路フィッティングの精度を向上できます。
株式会社東陽テクニカ 脱炭素・エネルギー計測部
phone03-3245-1103
特長
- フィッティング解析で用いる初期値の自動算出機能
- 初期値に依存しない高いフィッティング精度
- 解析結果の等価回路モデルデータをZView に出力
- OS Windows 10 Pro(64 bit)/ Windows 11 Pro(64 bit)
RW 法の概要
従来の等価回路フィッティングで用いられる勾配法の場合、極小値が1 つであれば解析結果は初期値に依存しませんが、多数の極小値がある場合フィッティング結果は初期値に依存します。RW 法では極小値(局所解)を導出後もより最適な極小値を探索し、導出することができます。そのため、初期値に依らず最適な極小値(最適解)を導出することで確度の高い解析結果を得ることができ、等価回路フィッティングの精度を向上できます。
使用事例
酸化物系固体電解質の測定データExp. に対して、右図に示す等価回路モデルを用いて3 パターンの初期値 I1 , I2 , I3 で勾配法とRW 法それぞれのフィッティング結果を示します。勾配法の場合、測定データと値が近い初期値 I1 では測定データとフィッティングスペクトルが重なっていますが、値が離れている初期値 I2 、 I3 ではフィッティングスペクトルにも違いがみられます。一方でRW 法の場合、いずれの初期値でも同じフィッティングスペクトルが得られており、測定データとも重なっています。このように、勾配法ではフィッティング結果が異なる初期値に対しても、RW 法では最適な極小値を得ることで同じフィッティング結果を得ることができています。
本製品は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務の結果、国立大学法人東京大学が開発した成果を活用しております。
※『 Unique fitting of electrochemical impedance spectra by random walk Metropolis Hastings algorithm 』
( Kazuaki Kawahara, Ryo Ishikawa, Yuichi Ikuhara et al., Journal of Power Sources 403(2018) 184-191)