Lake Shore Cryotronics Inc.(レイクショア / USA)
温度コントローラ 325型
325型は 2チャンネルのクライオジェニック温度コントローラです。センサー入力はダイオード温度計、抵抗温度計に対応し、発注時に熱電対に変更することも可能です。2系統の独立したPID制御ループがあり、それぞれ25Wヒータ出力と電圧出力を持っています。
株式会社東陽テクニカ 脱炭素・エネルギー計測部
phone03-3245-1103
Mail:keisoku[at]toyo.co.jp
特長
- 最低使用温度 1.2K
- 2チャンネル入力
- 多彩なセンサーに対応 (ダイオード、抵抗センサー、熱電対)
- 電流反転機能
-- 熱起電力による誤差を抑制 - オートチューニング機能
- 2系統のループコントロール
-- Loop1:25Wヒーター出力
-- Look2:2W、0-10V電圧出力 - 通信インターフェース
-- GPIB
-- RS-232C
テクノロジー
センサー入力
325型温度コントローラの入力回路には、24ビットの高分解能なADコンバーターが使われています。センサーを駆動する電流ソースはそれぞれのチャンネルごとに独立して用意されています。この定電流ソースによってセルノックスセンサーであれば最低で約2.0Kまで、シリコンダイオードセンサーであれば1.4Kまでの温度測定/制御が可能です。熱電対に対応したモデルを使えば最高で1500Kまでの温度測定/制御が可能です。センサーの信号をデジタル回路のノイズから守るため、センサー回路は光カップラーで他の部分から絶縁されています。また、抵抗センサーの測定では、熱起電力による誤差を抑制するために電流を反転して測定するモードが用意されています。センサーの測定データは毎秒10回、ディスプレイの表示は毎秒2回のレートで更新されます。
325型のカーブメモリーには、あらかじめシリコンダイオード温度計、白金抵抗温度計、酸化ルテニウム温度計、及び数種類の熱電対の標準温度カーブが登録されています。ひとつのカーブメモリーには最大200ポイントのデータによる校正カーブが登録できます。そのカーブメモリーにはレイクショア社の校正カーブ(CalCurves®)やユーザーが作成したオリジナルの校正カーブを最大50 件登録できます。レイクショアのSoftCalR1アルゴリズムを使えば、シリコンダイオード温度計と白金抵抗温度計の校正カーブを生成し、ユーザーが作成した校正カーブとしてカーブメモリーに登録できます。またレイクショアのオリジナルソフトウェア「カーブハンドラー」を使えばPCと325型の間で簡単に校正データの通信や編集ができます。
325型のセンサー入力は、ダイオード及び抵抗温度計に対応した入力と熱電対に対応した入力があり、モデルによって異なります。入力が2チャンネルともダイオード及び抵抗温度計に対応しているモデル、反対に2チャンネルとも熱電対に対応しているモデル、またそれぞれのセンサーが1チャンネルずつ対応しているモデルがあり、発注時にこの選択をしなければなりません。ご購入後に入力の構成を変更することはできません。
フロントパネルからセンサーを選択すると、適切な駆動電流が自動的に選択されます。
1) レイクショアのSoftCal校正は従来の個別の校正より安価に、かつ標準温度カーブより高い精度を必要とする用途に最適です。対応するセンサーは白金抵抗とシリコンダイオード温度計です。この校正方法は標準カーブが持っている予測が可能であるという性質を利用して、いくつかの既知の温度基準点でセンサーの確度を改善するものです。
温度制御
325型には独立したPID温度制御ループが2系統あります。PID制御とはPIDアルゴリズム従って制御センサーの温度と設定した目標温度から制御出力を計算するものです。チューニングパラメータが広いためほとんどのクライオシステム、小型高温炉に適合します。出力値の分解能が高いAD変換回路を使っているため、スムーズな制御出力を発生します。PIDのパラメータをユーザ自身が設定することも、自動的にパラメータを生成するオートチューニング機能を使って設定することも可能です。
制御ループ1の出力は安定化されたDC 可変電流ソースです。最大出力は25W で、かつ、冷却パワーの低い温度領域に対応する、より低いレンジ設定も可能です。制御ループ2の出力は単一レンジで、0.2Aの可変DC電圧ソースです。50Ωでは最大2W、25Ωでは1Wの電力をヒーターに供給することができます。
制御ループ2の出力は別途、自由に値を設定できる電圧ソースとしても使えます。50Ωに対しては0から10V、25Ωに対しては0から5Vの範囲で変化させることができます。どちらのループの出力もシャーシグランドを基準としています。
温度の設定目標(セットポイント)にスムーズに近づいてゆきたい場合はセットポイントランプ機能を使います。また、広い温度域にわたって制御する際にPIDのパラメータを自動的に切り替えながら制御するゾーン機能もあります。温度の設定目標に応じて10の温度領域に区分されたPID設定のリストから最適なパラメータが選択されます。
インターフェース
325型の通信インターフェースはGPIB及びRS-232Cに対応しています。データ収集のみならずほとんどの機能をPCからコントロールできます。センサーの温度カーブもカーブハンドラーソフトウェアを使ってPCから入力したり操作したりできます。
変更可能な表示ディスプレー
325型のディスプレーは明るく見やすい液晶で、同時に4項目を表示します。ディスプレーには値だけでなく、入力チャンネルなども表示されます。表示の位置は4項目とも自由に変えることができ、また温度以外にも電圧値や抵抗値での表示も可能です。ヒーターのレンジ、ヒーターへの出力電流値やパワーも連続的に表示されます。表示されているコントロールループがどちらのチャンネルのものかわかるようにチャンネルのマークの下にアンダーラインが点灯します。
通常(デフォルト)のディスプレイ
ディスプレイの表示位置は4箇所。読み取った温度や目標温度(セットポイント)はこれらのどこにでも表示できる。温度だけでなく電圧などのセンサーの単位で表示することも可能。ヒーターは電力または電流でフルスケールに対するパーセンテージで表示される。
柔軟な設定
読み取り値の表示位置はアプリケーションに応じて自由に変更できる。読み取り値の前の文字は入力チャンネルのABまたは目標温度(セットポイント)Sを意味する。読み取り値の後ろの文字は単位。
カーブの登録
測定した温度の表示だけでなく、温度カーブの登録やゾーン登録、SoftCal 校正にも表示ディスプレイは対応しています。温度カーブの登録はフロントパネルの表示とキーパッドの操作でPCからの通信によるものと同様に実施できます。
325 型リアパネル
- 電源入力
- シリアルI/O インターフェース
- ヒーター出力
- センサー入力コネクター
- ターミナルブロック(リレー及びアナログ出力)
- IEEE-488 インターフェース