IO-Link対応振動センサ「674A91」ケーススタディのご紹介
製品情報
先日、PCB社からIO-Link対応振動センサ「674A91」が発売され、世界各国で導入が進んでいます。この度、PCB社からエタノール工場でのケーススタディが公開されましたので、ご紹介します。
IO-Link対応振動センサ「674A91」
課題
大型の産業用ファンを備えているエタノール工場では、ファンの複数の故障状態を監視する必要がありました。しかし、従来のアナログ振動センサを組み込むことは、監視するファンごとにADコンバータやPLC、新しい制御キャビネットが必要になり、コストがかかり複雑であることが判明しました。さらに、これらのシステムを統合し、アナログデータをフィールドバスネットワークに変換するには、専門的なスキルと膨大な労力が必要で、すべてのファンを収容するためには、最大数万ドルという多額の資本支出が見込まれました。また、標準のアナログ振動トランスミッターは単一のデータポイントしか提供しないため、ファンアセンブリ内の複数の潜在的な故障モードを診断するシステムの能力に限界があることに気が付きました。そのため、同社は、長い予算承認および承認プロセスを開始する前に、他のオプションを検討することにしました。
解決策
そこで、目を付けたのが、PCB社から新たに発売されたIO-Link対応振動センサ「674A91」です。IO-Link アーキテクチャは、安価で標準的なケーブルを使用することができ、制御キャビネットやカスタムのエンクロージャを必要としません。IO-Link マスターのソフトウェアを使用すると、ネットワークへのデータのプラグ&プレイ接続が可能です。IO-Link マスターは REST API を介してクラウドと直接通信し、工場のフロアから施設のクラウドデータ管理プラットフォームにセンサデータを直接送信します。これにより、ゲートウェイや PLCなどを経由せず、センサからのピーク値と傾向データに基づいてリモートでアラートと作業指示書を設定できるようになりました。
IO-Link対応振動センサ「674A91」の特長
IO-Link対応振動センサ「674A91」は、エッジで生の振動データをデジタル処理し、ピーク加速度、RMS 加速度、RMS 速度、波高率、温度などの主要な傾向値を送信します。このデータにより、ベアリングやファンモーターの複数の故障状態を監視し、ベアリングの潤滑の必要性やシャフトの位置ずれなどの早期警告状態を容易に検出できます。
イメージ図
このように、IO-Linkを使うことで、コストを削減し、複雑さを軽減するとともに、機器の状態を正確に判断するための必要なデータを取得することができます。重要なファンの監視に必要な、従来のハードウェアに代わる手段となるのです。