オープンソース通信プロトコル「IO-Link」について

お役立ち情報

 

IO-Linkについて

産業オートメーションシステムがますます複雑になり、要求が厳しくなる中で、IO-Linkは、センサの効率を向上させる最もシンプルかつコストを節約できる方法の一つとして、世界各国で導入が進んきました。150 社を超えるデバイスメーカー、システムインテグレーター、エンドユーザーなどのコンソーシアムによって開発されたこのユニバーサルなオープンソース通信プロトコルは、センサとアクチュエータ間のプロトコルとして初めて国際標準として採用されました。

IO-Link

セットアップについて

この技術の一般的なセットアップは次のようになります。
IO-Link インターフェイスを備えたセンサまたはデバイスは、ケーブルを介して IO-Link マスタに接続され、通常は標準の DC 電源で動作します。各センサのパラメーターを提供する固有の IODD (IO デバイスディスクリプション) ファイルは、制御システムにダウンロードできるため、IO-Linkマスタで簡単に認識できます。IO-Linkマスタは、センサから従来の高位の通信システム (フィールドバス、PLC へのバックプレーン、またはイーサネットなど) への双方向のポイント to ポイント通信を可能にし、リモートセンサ、機器監視、センサの状態、および診断を可能にします。

特長について

アナログ信号を安全なデジタル信号に変換するだけでなく、多くの IO-Link センサは、ユーザーが決定した間隔でデータを読み込み、平均値を提供します。また、エッジで大量の処理を実行できるほど"スマート"であり、より広範なデータセットから有用な診断情報を提供します。光電センサは、距離を測定するだけでなく、レンズが汚れて誤った信号が発生する可能性があることをシステムに通知できます。振動センサは、状態監視の傾向を示すためにフルスペクトルのデータを処理し、閾値を超えたときにユーザーに警告することもできます。これらの早期検出および診断機能により、故障検出の全体的なコストが削減され、リモート処理により、従来の定期メンテナンスに関連するダウンタイムと労力の両方を制限してくれます。

IO-Link デバイスはコネクタとケーブルの構成が標準化されており、認定されたすべての IO-Link マスタと互換性があります。データは、産業オートメーションおよび制御システムで既に使用されているほぼすべてのプロトコルを介してマスタから送信できるため、ネットワークケーブルの要件は極めて少ないです。これにより得られる簡素化と汎用性は近年高く評価されており、インストールされる IO-Link デバイスの年間数量は 630 万ノードに達し、合計数は 2,700 万を超えています。また、この記事の執筆時点で世界中の 300 を超えるメーカーから 6,000 を超える IO-Link 製品が販売されていることを考えると、アプリケーションに適した IO-Link 機能を備えた高品質のセンサがほぼ確実に見つかると言えます。

実装するには

IO-Linkを実装する際には、既存のセンサを交換する、もしくは改造するという 2 つの主なアプローチを検討する必要があります。ほぼすべてのセンサは、別のゲートウェイまたはコンバーターを使用して間接的に IO-Link マスタとインターフェイスし、安全なデジタル出力、リモートパラメータ化、リアルタイム診断を実現できます。 従来のアナログ信号から IO-Link への変換デバイスを使用すると、新しいセンサをインストールする場合に比べてコストを節約できますが、追加のハードウェアと配線が必要になるため、トラブルシューティングとインストールが複雑になる可能性があります。別のゲートウェイを使用する場合は、動作温度、信号出力、単位などのセンサ仕様を手動で入力する必要がある可能性がありますが、IO-Link デバイスに付属する IIOD ファイルを使用すると、プラグ&プレイ構成が可能になります。 また、アナログセンサ用のコンバーターを使用すると、一部のデータキャプチャ機能とデバイス情報が失われてしまいますが、IO-Link マスタを使用すると、すべてのセンサが同じ言語で通信できるようになります。ただし、センサ選択の自由度と、既存の機器のセンサを交換せずに接続できる機能を重視するなら、コンバーターは良い選択肢となるでしょう。

従来のセンサを交換するか改造するかに関わらず、最終的には、自動化システムの統合を簡素化し、システムパフォーマンスを向上させ、比類のない柔軟性を提供する IO-Link の能力により、産業用監視および制御アプリケーションにとって明確な選択肢となります。

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