加速度計の構造と機能

基本的構造

しばしば、加速度計は内部構造や機能を無視して「ブラックボックス」として 扱われます。今日ではデータ
収録装置にICP®センサ電源を内蔵させることが多くなり、2線式の定電流信号調整も「ブラックボックス」
扱いされることがよくあります。その結果、多くのユーザが動的センサの構造と性能に関するより多くの情報を求めています。

加速度計は、物理的運動を測定、記録、分析、制御に適した電気信号に変換することによって、運動または振動を測定します。加速度計の理想的な挙動は、実は非常に単純で、直線です!これは、加速度計が周波数に対して平坦な振幅感度と位相応答を示し、直線的な振幅直線性を示すことを意味します。

この理想的な挙動を実現するために、加速度計メーカは、内部受感素子として、ある種のビームの向きをそらす慣性マスまたは水晶からなる、さまざまな構造を使用します。圧電素子(水晶)は、ステンレス鋼に相当する15e6psi (104e9N/m2)の弾性率で非常に硬く、測定プロセス中に殆どたわみを示しません。これにより、優れた長期耐久性(ほぼソリッドステート性能)、高い共振周波数、広い周波数動作範囲が可能になります。典型的な内部の機械的構成には、圧縮、逆転圧縮、せん断(シェア)および曲げ/ビームを含みます。これらの内部構成は、1自由度の2次システムの応答を示す、単純なバネマスシステムとして機械的に表すことができます。

したがって受感素子は、出力挙動がほぼ理想的な特定の範囲を有します。このように、振幅周波数応答がほぼ平坦である特定の周波数範囲があります(通常は+/- 5%として指定)。この範囲の最低周波数は、センサ(加速度計)の結合と時定数および信号調整によって電気的に決まり、この範囲の最高周波数は、取付けられたセンサ(加速度計)の共振周波数(fn)とそれに関連する減衰(ζ)によって機械的に決まります。(信号調整に関する1ページの古典的な論文を読むには、ここをクリックして下さい)。これら様々な設計の直線的な挙動を検証し、適切な倍率または「校正値」を決定することは、計測ラボの役割です。


次回からは、様々な受感素子の種類、および様々な加速度計の変換方法について説明し、様々な一般的な
測定用途における長所と短所を調べます。