電荷出力型加速度計とICP®圧電型加速度計の類似点
電荷出力型加速度計とICP®圧電型加速度計の類似点の理解
チャージアンプの3つの基本的機能は以下の通りです。- インピーダンス変換
- 信号正規化
- ゲイン調整
上記3つの機能はすべて、電荷出力型加速度計とICP®圧電型加速度計の両方のチャージアンプに当てはまります。
圧電型システムの各機能を達成する方法およびその配置を最適化することによって、しばしば性能が向上し、チャンネル当たりのコストが大幅に低下します。
インピーダンス変換
あらゆる圧電型センサのシグナルコンディショナの基本機能は、圧電素子からの高インピーダンス電荷出力を、低インピーダンス電圧信号に変換することです。電荷出力型加速度計では、インピーダンス変換はセンサの外部で行われます。電荷信号はフィードバックキャパシタへ流れ込み、低インピーダンス出力電圧信号を供給します。
ICP®圧電型加速度計では、低インピーダンス電圧信号への変換を加速度計の内部で行われます。
インピーダンス変換の技術面およびコスト面での重要性
電荷出力型加速度計の分解能(ノイズフロア)は条件によって変わり、信号をチャージアンプの入力に接続する入力ケーブルと加速度計の容量性負荷に依存します。このため、長い入力ケーブルを使用して低レベルの測定を行うのは困難です。この問題に対処するには、チャージアンプを加速度計の近くに配置してSN比を改善します。実際には、単に加速度計の近くで電荷から電圧への変換を行い、チャージアンプ入力の容量性負荷を減らすことによって、ノイズを低減します。測定信号のノイズに影響を与えるその他の環境要因としては、ケーブル曲げによるの摩擦電気ノイズ、およびグリース、汚れ、または油による(高インピーダンスチェーン内の)コネクタの汚染による絶縁抵抗の損失、などが挙げられます。
ICP®圧電型加速度計は、インピーダンス変換電子回路を加速度計の内部に配置することにより、ノイズが最小限に抑えられ、圧電型センサ固有の高い分解能を損なわずに、長くて低コストの通常の同軸ケーブルが使用できます。
信号正規化(標準化)
- チャージアンプは通常、加速度計の電荷感度を設定するためのダイヤルを備えています。
- 電圧出力であるICP®加速度計では、加速度計内部で正規化が完結します。ファインゲイン調整付のICP®電源装置を使用すれば、任意の正規化も行えます。
ゲイン調整:
- チャージアンプには、非常に特殊な高インピーダンスゲイン調整回路が使われています。
- ICP®圧電型加速度計には、多くの計測・記録機器ですでに利用可能なゲインが使われています。(テープ記録などでゲインが必要であれば、標準的な電圧アンプまたはゲインを有する低コスト電源装置が使用できます。ほとんどの現代の24ビット動的信号分析器においては、ゲインは全く不要です。)
ゲイン調整の技術面およびコスト面での重要性
多くの電荷出力型加速度計では、チャージアンプと計測機器の両方でゲイン調整する必要はありません。
図示されている最新のICP®圧電型加速度計を用いたシステムでは、ゲイン調整は計測・記録機器に設けられています。ゲインが必要な場合は、標準の計装アンプまたはゲイン内蔵の電源装置から低コストでゲインを得ることができます。