ESS、HALT、HASS:加速度計の検討
環境ストレススクリーニング(ESS)、高加速寿命試験(HALT)、高加速ストレススクリーニング(HASS)は、それぞれ振動の観点から長期間のサイクリングを含み、しばしばサイクルされた温度や圧力を伴います。これらの大きな振動、温度、圧力は物理的に負担が大きく、試験中の製品または構造物の機能を証明、劣化寿命評価を目的としておりますが、振動コントローラにフィードバックを提供する監視用加速度計にも同様に負荷をかける可能性があります。
このような過酷な環境の中で、特別に設計され試験されたESSバージョンのICP®低インピーダンス圧電型加速度計は、いくつかの理由から最適な選択肢です。第一に、ESSバージョンのICP回路における特別な設計と製造上の工夫により、シェーカー制御システムの重要な入力部品である加速度計の熱サイクルによる故障を防ぎます。品質保証のために、ESS加速度計は製造承認前にプルーフテストとして熱サイクルを受けます。低インピーダンスの信号経路は、極端に高温、低温、または湿気のある環境では理想的です。湿気は、電荷出力型加速度計を動作させる上で非常に困難な障害となります。
温度範囲の課題に対処するために、ESSバージョンのICP®加速度計は、最大163℃までの標準動作に対応します。極端な環境(最大260℃)での動作用に、インピーダンス変換用の遠隔シグナルコンディショニングで動作する特殊セラミック受感素子があります。低温動作に関しては、標準のESSバージョンのICP®加速度計は最低-73℃まで動作し、特殊な極低温ICP®加速度計は-196℃までの極低温用に設計されています。極端な温度に関係なく、堅牢なICP®加速度計は、ソリッドステートスタイルで動作し可動部品がないため、過酷な環境で何十年にもわたる信頼性の高い動作を実現できます。ESS加速度計の多くでは、HALTおよびHASS試験で発生することがある帯域外励起を除去するのに役立つ、積分ローパスフィルタ処理も利用できます。
加えて、加速度計をレーザー溶接によってハーメチックシールすることが重要です。正しくレーザー溶接すれば、湿気や熱衝撃を含む悪環境でのコネクタ接合部の完全性とセンサーハウジングの全体的な密封性の両方の信頼性を高めることが証明されています。コネクタとケーブル接続に関して、ICP®加速度計には低インピーダンス動作とケーブル接続という利点があります。一般的なものはPTFE絶縁信号ケーブルで結合された10-32マイクロドットコネクタですが、繰返し衝撃ストレススクリーニングのような極端な環境においては疲労故障のケーブル修理を容易にするために、はんだ端子を有する加速度計を使用することもできます。