校正の不確かさに関する技能試験
実験室間の比較
不確かさの分析では、潜在的なエラーや見落としを発見し、どこで改善を加えることができるかを知るために、結論を検証する必要があります。そこで、技能試験のトピックを取り上げます(これは、ラウンドロビン試験または実験室間比較とも呼ばれます。)
技能試験は、結果の相関関係をチェックするための2つ以上の実験室間の比較です。加速度計の校正では、複数の実験室で同じ加速度計を校正して結果を比較することによって行われます。これは、お互いに知っている個々の実験室によって行うこともできますし、またはすべての参加者が匿名のままで、システム製造業者などの第三者が試験を計画して行うこともできます。どちらの場合も、安定した感度を持つ加速度計を使用して、加速度計が研究に及ぼす影響を最小限に抑える必要があります。水晶は長期安定性に優れており、この試験用の加速度計の受感素子として理想的な材料です。
最も一般的には、技能試験対象となる設備を拡張して、センサと信頼できる実験室を追加し、範囲外のデータを特定します。システムのデータ、測定方法、および不確かさの計算を検討した後、最も一般的なエラーの原因が最初に判明されます。許容範囲外の偏差が高周波数で発生している場合は、取付状態を調べます。表面の平坦度、取付スタッド、ねじ山、カップリンググリース等はすべて、加速度計の高周波応答に影響を与えます。偏差が低周波数で発生する場合は、ケーブルの力が原因であることが最も多く、適切な等級のケーブルを使用し、適切なストレインリリーフループでケーブルを固定することで対処できます。偏差がセンサの周波数応答関数(中または高周波数)の局所的な不具合である場合、考えられる原因はシェーカの横方向の動きです。たわみに基づく加振器は、対象となる校正周波数範囲内に横方向の共振を有することが多く、これが主運動軸の100%を超える横方向入力運動を引き起こします。残念ながら、過度の横方向の動きを簡単に修正することはできません。横方向の動きに起因する測定誤差を修正するためには、不確かさを増やすか、シェーカを校正用のエアベアリング加振器に交換する必要があります。
測定の不確かさを評価することに加えて、特に誤差の要因がシステム全体に起因している場合には、測定結果は校正システム自体の改善のためにも使用できます。たとえば、技能試験で、他の実験室と比較して一貫して感度が1%低いことが示された場合は、シグナルコンディショナなどのシステム部品が結果に影響を及ぼしている可能性があり、改善の余地があります。上記の通り、この種の分析は複数の実験室が参加して行うと有意義です。
不確かさの計算はややこしく思えるかもしれませんが、それは実際には測定機器/プロセスの現実的な限界を理解することであり、そしてどのような測定も完全ではないことを示しているに過ぎません。貴社の品質システムまたは貴社の顧客の要求により、読者は校正方法と不確かさについて知識を持って正確に比較し議論することが求められるでしょう。
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