校正トレーサビリティ

測定の完全性を確保するには

人生とビジネスの両方において、私たちは誠実さを見積もって関係を整理しようとしています。ビジネスにおいては、公正な価格設定を行い、約束を守るベンダーを求めます。人生においては、性格が良く、良い時も悪い時もそばにいてくれる友人を求めます。校正の世界では、校正の完全性は、実績があり再現性のあるプロセス(厳密に文書化された不確かさの計算に基づく)と、測定のトレーサビリティに左右されます。測定のトレーサビリティとは、各測定要素の国際標準または物理的定数へ関係づけられることを示します。

振動校正の世界では、年1回の正確なトレーサブル校正を必要とする測定システムの主要コンポーネントがいくつかあります。そのような主要コンポーネントとは、データ収録装置(最新のシステムではDSA、古いシステムではメーターベース)、基準および被試験センサ(SUT)シグナルコンディショニング、振動基準トランスデューサなどです。これらのユニットは、振動校正システムの構成要素であるため、完全性が求められます。毎年の各ユニットの再校正だけでなく、厳密な環境制御(取り扱いと環境の両方)を受けることに加えて、通常は既に校正された振動センサによる毎日のシステム検証を受けます。

トレーサブル再校正の時期になったら、基本的に4つの選択肢があります。殆どの企業では基準を校正する用意がありませんが、可能であれば、まず検討すべきは貴社の社内計測部門です。2つ目は、基準コンポーネントの製品供給元(OEM)(または適切な能力を備えた競合メーカ)です。3つ目は、貴社の地域にある校正検査サービス会社の利用です。そして最後に、NIST、PTB、NPLなどの公認国立研究所です(訳注:米国の場合)。

 

上記の選択に関係なく、ベンダーの品質について保証が必要です。これは次のようにして確認できます。

  1. 誰がベンダーの品質システム/手順を監査したかを議論し、理解し、尋ねます。
  2. 関連規格が何であるか(ISO 17025)、およびベンダーが独立した管轄機関(A2LA)によって認定されているかどうかを尋ねます。ベンダーは17025と16063-21を理解しているはずであり、あなたが理解できる説明の仕方で、あなたに17025と16063-21を説明できるべきです。
  3. ベンダーが使用している機器の種類を尋ねます。より古いメーターベースの正弦法または現代のFFT / DSA法のどちらを使っていますか?ベンダーの基準センサはどのように校正されていますか?2次校正ですか?1次校正ですか?これらはシステムの不確かさに影響しますので、特定の試験要件に対して評価するべきです。
  4. ベンダーの本当のビジネスの焦点は何ですか?シェーカーの会社ですか?メーターの会社ですか?センサとシステムの会社ですか?ベンダーは最新の振動校正法を積極的に開発していますか?または、最新の振動校正法に従っていますか?
  5. ベンダーは、NSCL、MSC、IMEKOなどの関連業界会議に参加しますか?ベンダーはTC 108 S3のような世界標準プロセスに参加していますか?そして、ベンダーはISO 16063の策定に参加していますか?
  6. サービスプロバイダーの評判はどうですか?彼らはどのくらいの期間にわたり同事業を行っていますか?どのような顧客照会先を提供できますか?サービスプロバイダーの誠実さとカスタマーサービスへの取組みについて、顧客照会先に尋ねてみてください。

ベンダーによっては、定期的な再校正のための校正/トレーサビリティ体系図を提供できることがあり、これらは品質と完全性を保証に役立ちます。

結局のところ、ベンダーの選択は知識と信頼に基づくべきです。ベンダーの完全性を調査して、適切に校正を始めて下さい。適切な校正パートナーを選択することは非常に重要であり、能力、経験、精度、そしてサービスに基づいて決定して下さい。

東陽テクニカのセンサ校正とは?