小型構造物試験用の小型加速度計
測定時の考慮事項
多くの人々が構造試験を、自動車、航空機、土木構造物などの大きな構造物の振動研究と考えています。しかし、モバイル電子機器の世界(携帯電話、ディスクドライブ、サブノートブックなど)で小型化、軽量化、高性能化が進んでおり、構造試験エンジニアにとって独自の課題が発生しています。何よりも加速度計を設置するためのスペースを確保するのが難しいです。この記事では、超小型または超軽量の試験構造に関する考慮すべき点を説明します。
加速度計メーカは、ここ数年間で多数の小型加速度計を発売しています。最小/最軽量の加速度計は、わずか0.16グラムという軽量パッケージで提供されています。また、業界標準の定電流電源から電力を供給する単軸および三軸パッケージの両方で、超小型ICP®加速度計が用意されています。
小型加速度計の選択に際しては、ケーブルの選定も重要です。センサと構造体の質量が非常に軽いため、ケーブルそのものが測定に影響を与える可能性があります。用途に適した最も軽いケーブルを選択し、ケーブルにストレインリリーフサービスループを取り付けてください。超軽量ケーブルを選択する際のトレードオフとして、ケーブル、信号経路、およびコネクタの長期耐久性に問題が生じることがあります。重いケーブルは一般的に長持ちしますが、ケーブルにかかる力も大きくなります。極細の撚り線の36 AWGワイヤはケーブルの力を最小限に抑えますが、試験は1~2回しか行えません。より太いゲージのケーブルが必要な場合は、一体型ケーブルを使用する必要があります。一体型ケーブルにより、コネクタが不要になり、質量が最小限に抑えられます。
質量負荷は、小さな構造物の懸念事項としてしばしば挙げられます。加速度計の質量と対象構造物の質量比が10:1以下であるべき、という経験則が存在しますが、これは動的質量に関するものです。モーダルモデリングの場合、重要なのは、センサの質量を減らすだけでなく、質量の分布を一定に保つことです。複数の小型加速度計を固定アレイとすることで一貫した質量分布により、モード周波数の測定が保証され、これにより、正確なモードパラメータの推定精度が向上します。
最後の考慮事項は、取付方法です。ほとんどの場合、取付穴を開けることは実用的ではありません。また、取付スタッドを使用すると重量が増えるため、小型軽量の対象物には接着剤による取付が最も一般的です。一部の小型加速度計のケースとコネクタは非常に壊れやすいため、取付と取外しはメーカのガイドラインに従って、特に注意して扱ってください。一部のメーカは、専用の取外しツールを製品を提供しています。
このように、小型加速度計のオプションは拡大しているため、適切な使用とケアのための様々な考慮事項があります。ご質問については、弊社までお気軽にお問合せください。