状態監視・予知保全ソリューション
状態監視・予知保全を日本の工場の「当たり前に」
労働力不足が今後さらに進行していく日本において、設備の状態監視・予知保全の必要性は高まっています。しかし、自社の課題解決に必要な計測器の選定や、解析技術への適切なサポートを求める企業は多くあります。
東陽テクニカでは、状態を把握するうえで最も重要な振動センシング技術を中心とした製品の提供はもちろん、状態監視・予知保全に関する様々なソリューションを、お客様の課題にあわせて支援を行っています。
業界
- 鉄鋼
- 化学
- 石油精製
- 半導体
- 飲料・食品
- 自動車
- 電力
- 製紙
対象物
- ポンプ
- モーター
- ギヤボックス
- 軸流ポンプ
- クライオジェニックポンプ
- クーリングタワー
- レシプロ圧縮機
- 遠心圧縮機
- タービン
- 風車
センサ
- 極低温対応加速度
- 高温対応加速度計
- 圧電式加速度計
- 本質安全防爆対応加速度計
- 4-20mA出力 振動センサ
- 振動スイッチ
- ガスタービン燃焼圧センサ
- デジタル出力加速度計
- ワイヤレス振動センサ
振動計測がなぜ設備の状態監視・予知保全に有効なのか?
回転機械の予知保全や状態監視に有効な計測方法として、振動計測は多くの現場で使用されています。 その理由として、回転機械の不調の多くは振動現象に現れること、そして、振動計測を用いることでより早く異常を検知できるという特性が挙げられます。 以下の図は、横軸に設備の経過年数を、縦軸に設備の状態をとり、設備が経年劣化していく過程で、異常を検知できる点(P点)と機能停止に陥る点(F点)を結んだ曲線(「P-F曲線」)です。 この図では、各過程でその異常の兆候を検知する手段として最適なものが提示されていますが、振動は“より早い”段階で異常を検知できることを示しています。 早期に異常を検知できると対策にかける時間を多く取ることができコストも低く抑えられますが、検知が遅くなると設備状態の悪化が急速になり対策にかけられる時間が限られ、コストが増加することがわかります。 振動計測は潜在的な故障の検知に有効で、かつ、コストも低く抑えることができる、最もバランスの取れた検知手法です。
4-20mA振動センサによる傾向管理の信頼性と利点
振動計測による状態監視の最も基本的な方法として、4-20mA出力の振動センサを使用した傾向管理があります。
4~20mAの電流で信号を出力する方法には、以下の利点があります。
- 信号のインピーダンスが低いため、外乱ノイズの影響を受けにくい
- 長距離の伝送でも、電圧降下が発生しにくい
- 構成がシンプル
- 断線などのシステムの不具合を容易に検知できる
- PLCやDCSなどの制御システムで計測が可能
振動センサから出力されるパラメータとして、一般的には「振動速度の実効値」または「振動加速度の実効値」が用いられます。 この理由は、ISO 10816 にて回転体の振動監視をする際の振動レベルの標準が示されていますが、この標準で指示されているパラメータが「振動速度の実効値」であるためです。 振動速度が用いられる理由としては、同じ変位で振動する物体がある場合、振動の周波数を上げていくと、中周波数帯域(一般的には1kHz以下)で振動速度のレベルがより顕著に表れるため、回転体のアンバランスやミスアライメントなど、回転周波数の1倍成分が特徴として現れる不具合を、よりよく捉えることができるからです。 そのため、4-20mA信号を使用した振動レベルの監視は、設備の傾向管理において最も手軽で信頼性の高い方法と言えます。
図:ISO-10816 JIS-B-0906 振動シビアリティ評価基準
- クラスⅠ:通常の運転条件の下で、全体の完成機の一部の構成要素として組み込まれたエンジン及び機械(例:出力15kW以下の汎用電動機)
- クラスⅡ:特別の基礎をもたない中形機械(例:出力15kW~75kWの電動機)及び特別な基礎上に堅固に据え付けられたエンジン又は機械(300kW以下)
- クラスⅢ:大形原動機及び大形回転機で、剛基礎又は振動の測定方向に比較的高い剛性をもつ重い基礎上に据え付けられたもの
- クラスⅣ:大形原動機及び大形回転機で、振動の測定方向に比較的柔らかい剛性をもつ基礎上に据え付けられたもの(例:出力10MW以上のターボ発電機セット及びガスタービン)
周波数分析を用いた精密診断の概要
4-20mA出力の振動センサによる傾向管理は設備の状態をモニターする最も簡便で有効な手段ですが、一方で、OK/NG以上のことを判別できないという現実もあります。
単純な振動レベルだけでは、詳細を把握することは出来ません。
振動が“なぜ”起きているのか、そこまで踏み込んで把握することで、詳細な不具合部位の特定ができるため、必要最小限の修理で済み、結果的にコストを安く抑えることが可能になります。
そうした詳細な分析をする際に必要となる基本的な技術の一つに、「周波数解析」があります。
振動現象を周波数軸で見ることで、回転機械の振動がどの部位の不良によって引き起こされているのか(例えば、ベアリングが悪いのか、軸のアライメントが悪いのか、架台の取付が悪いのか等)を把握することができます。
主な不具合と周波数の関係は、以下のようになります。
BPFO:Ball Pass Frequency Outer-race(外輪通過周波数)
BPFI:Ball Pass Frequency Inner-race(内輪通過周波数)
このように、周波数解析を実施することで、不具合部位の特定ができ、必要な対策だけを講じることができます。
当社の状態監視向けソリューション
常時監視
常時監視とは、設備に振動センサを取り付け、設備の振動を継続的に監視することです。設備の状態を常に把握することができるため、普段と違う兆候が見られた際に、必要な保全を早期に行うことが可能です。大規模な故障を防ぎながら、設備を長く使うことができます。
常時監視用振動センサは、有線式とワイヤレス式がございます。
巡回点検
巡回点検とは、作業員が定期的に設備を点検してまわり、設備の状態を確認することです。手間と労力はかかりますが、お好みのタイミングと条件で計測ができるため突発的な対応が可能で、センサ1個と計測器1台で計測できるため低コストで実施できます。
必要な機材を一つにまとめた設備振動解析キットがございます。
状態監視のあらゆる場面でサポートいたします。
センサ、トランスミッタやソフトウェア、校正器などの販売、解析サービス、校正サービスまで
お客様のご要望に合わせたご提案、カスタマイズが可能です。
当社の強み
海外メーカー150社以上とのグローバルネットワークと
自社開発力が生み出すオンリーワンソリューション
各領域の専門家集団である技術部を組織し、且つ、営業も多数が工学系のバックグラウンドを持つというユニークな特長を活かし、欧米を中心とした最先端の計測技術を組み合わせることで、これまでにない価値を提供いたします。
Q&A
A. 日本は2025年に800万人以上が75歳以上になる超高齢化社会を迎えると言われています。
また、出生率も低調です。労働人口が少なくなる時代において、生産規模を維持していくための手段の一つとして、設備保全の機械化は重要だと考えています。
世界中でこの流れは加速しています。
A. 鉄鋼、化学、石油精製、半導体、飲料・食品、自動車など様々な業界で取り組みが始まっています。
A. もちろん可能です。当社ではセンサ以外にも、トランスミッタやソフトウェア、校正器なども販売しており、お客様のご要望に合わせたカスタマイズも可能です。
A. もちろん可能です。費用に関しては、都度、相談となります。