カンタン解説! ICP®加速度計
~必要な機器・選び方・取り付け方法~
東陽テクニカでは、PCB PIEZOTRONICS社製の加速度計を取り扱っています。
PCB社ではアンプ内蔵型の加速度計を“ICP®加速度計”と呼んでおります。
ICP®加速度計は比較的安価に信号入力部分の構成が可能で、取り扱いも容易という特徴があります。
ここでは、ICP®加速度計を使用する際の基本的な事項について、簡単にご紹介いたします。
1 ―必要な機器について
ICP®加速度計を使用する際には、下図のような構成となります。
ICP®加速度計は2~20mAの定電流、18-30VのDC電源で駆動し、これらの電源を組み込んだシグナルコンディショナが必要となります。
ただし、ICP®電源内蔵型の計測器を使用する際は、シグナルコンディショナは不要となります。
<構成例1>
アンプに電源を供給するためのシグナルコンディショナが必要です。
<構成例2>
ICP®電源内蔵型の計測器を使用する場合は、シグナルコンディショナは不要となります。
2 ―加速度計の選び方
ご用途やご使用環境によって、適した加速度計が異なります。主な選定ポイントは下記の通りです。
感度・測定レンジ | 最大どの程度の加速度が予想されるかが分かっていれば、測定レンジの範囲内のセンサを選ぶ必要があります。また、PCB社のセンサは±5V出力となっており、感度と測定レンジは反比例します。 |
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使用環境の温度 | 多くのICP®加速度計は、温度範囲が120℃程度までとなっています。 高温下でご使用される場合には、高温対応のセンサを選定する必要があります。 |
大きさ・重さ | センサの重量が振動を阻害する可能性があるため、より軽量なセンサが好まれます。 取り付け可能な大きさかどうかも大切なポイントです。 |
取り付け方法 (ねじ止め、接着、磁石など) |
希望する取り付け方法が可能なセンサかどうかもご確認ください。 |
周波数範囲 | 測定対象の周波数を十分カバーしている加速度計を選択します。 |
3 ―加速度計を取り付ける
加速度計の取り付け方によって、周波数応答が異なってきます。ご使用環境やご用途に応じて選択ください。
ねじ止め
周波数応答範囲:◎
最も正確な計測が可能です。
図面に従って取り付け穴を加工する必要があります。
スタッドで取り付けられた加速度計
接着剤
周波数応答範囲:○
マウントベースを介して取り付けが可能です。
接着剤は使用環境やご用途によって適切な種類を選択してください。
接着剤による加速度計の取り付け例
080A109型
ペトロワックス
マウントベース
磁石
周波数応答範囲:△
簡単に取り付けるのに便利です。
取付の際には、センサの許容以上の衝撃がかからないように注意する必要があります。
磁石マウントベースで取り付けられた
加速度計の例
磁石マウントベース
左図はICP®加速度計352C34において、取り付け方法ごとの周波数応答を比較したグラフです。
高周波になるほど、取り付け方法による影響が大きくなります。
スタッド取り付け(ねじ止め)が最も広い周波数範囲をカバーすることが可能です。
352C34
3軸ブロック