多機能制御計測ソフトウェア 「TMT」
TMT (Toyo Motor Test system) は、東陽テクニカが独自開発したPC用のモータトルク計測・制御ソフトウェアです。各種モータのトルクと回転数の計測に加えて、PCのみで負荷ブレーキの制御を行うことができます。また、従来ソフトウェアと比べて拡張性にも優れており、電力計によるモータ電圧/電流/効率計測やデータロガー、信号発生器、PLCといった機器との連携が可能です。
特長
計測ソフトウェアとしての特長
- モータトルク・回転数・出力の計測に対応
- 計測時間上限なし!数時間以上の連続計測も可能
- 日置電機(株)、横河計測(株)の電力計/パワーメータ最新機種に完全対応※1
- 電力計計測パラメータ数に上限なし!ピーク値とRMS値の同時計測可能
- データロガー連携!データの同時モニタリング、同期計測対応※2
- 計測時、指定範囲に計測値が収まったかの判定と結果表示に対応
- CSVを始めとする複数種類のデータ出力が可能
制御ソフトウェアとしての特長
- PC直結でブレーキ電源を直接制御
- PC/コントローラでのPIDトルク/回転数制御
- ステップ試験、スイープ試験など多彩な制御パターン設定/自動試験機能
- モータ電源制御対応※3
- デジタル/アナログ/パルス出力対応※4
※1:対応機種は「対応電力計」のセクションを参照してください。
※2:対応機種、計測、同期などの詳細についてはお問い合せください。
※3:対応電源についてはお問い合せください。
※4:パルス出力に関しては対応機器が必要です。必要機器についてはお問い合せください。
電力計/パワーメータパワーアナライザ連携
国内各社の電力計をPCに接続し、 TSB(Toyo Smart Bench)あるいはMagtrol社製トルクメータとともにTMTソフトウェアで同時計測することが可能です
電力計の主な計測パラメータはすべて同時に収録可能です。 各電圧/電流チャンネルのピーク値とRMS値の同時計測も可能で、 チャンネル数の制限などもありません。
対応電力計
日置電機株式会社社製
パワーアナライザ
PW8001
PW6001
PW3390
パワーメータ
PW3335
PW3337
横河計測株式会社社製
パワーアナライザ
WT5000
WT1800E
パワーメータ
WT3323E
WT332E
WT310E
オプションの計測・制御機器
国内メーカの各種計測機器をオプションとして接続して計測・制御機能を拡張することができます。
対応している機器の詳細についてはお問い合わせください。
汎用データロガー ・ 温度ロガー
- アナログ デジタル入出力、温度計測
- AB相エンコーダの角度計測
信号発生器
- パルス出力の電圧値、周波数、デューティ比の設定
- 用途:被試験モータの駆動制御
負荷用サーボモータ
- 回転数制御、トルク制御、位置制御
- 用途:誘起電圧試験、ホールディングトルク試験
PLC (安全装置用)
- リレー接点の制御、 アナログ デジタル入出力
- 用途:装置やモータの異常監視、インターロック
パソコンの推奨環境
- OS: Windows10 Professional 64bit
- CPU: Core i5 以上
- メモリ: 8GB 以上
- ディスク容量: 250GB 以上 空き容量 20GB 程度
- 画面解像度: 1280 x 800 以上
- ポート: USB2.0 または 3.0 ポート 1 つ以上、 LAN 1 つ以上
ソフトウェア画面
メイン画面
メイン画面から試験を実行して計測値のグラフ表示、合否判定、値の抽出ができます。
データファイルを開いて後処理で平均化などのデータ加工もできます。
負荷パターン画面
時間[秒]を基準として任意のブレーキ負荷パターンが作れます。負荷制御の方式は、オープンループ 電流制御 、トルク制御、回転数制御から選択します。 オプションの電源を接続すると、被試験モータの電圧もパターン制御ができます。 データロガーを接続すると、アナログ電圧でモータ制御をすることができます。 電源の代わりに信号発生器を接続すると、パルスでモータ制御もできます。
試験終了後、または後からデータファイルを開いてデータ加工ができます。 加工した後のデータに対して合否判定や抽出の処理を行います。
平均化
平均化なし
平均化あり(30ポイント)
直線近似
直線近似なし
直線近似あり
切り出し
処理なし
3000rpm 以上削除
外挿計算
処理なし
無負荷データの計算
値の抽出
階段状の負荷を与えて、トルク・回転数が安定しているところの値だけを抽出することができます。指定した期間の平均値の抽出もできますので、変動している計測値にも使うことができます。
合否判定
モータの出荷検査等で、回転数や電流値などの合否の規格値(範囲)がある試験に使うことができます。
ログファイル、品番管理
モータの出荷検査等で、モータの品番型番や製品 、シリアル番号 ロット番号 などがある場合、これらの情報をデータファイルに残すことができます。 連続する数値のシリアル番号の場合は、試験が終了する毎に番号を自動増加させ、さらに自動でログファイルに追記する 機能を使うことができます。
計算チャンネル
計測値に対して四則演算の処理をした値をデータに追加することができます。 例えばトルク・回転数・入力電力から計算した効率を算出できます。
データファイル形式
「データを保存」と「エクスポート」の2通りで保存ができます。
- データを保存:
TMTソフト専用の xml形式 拡張子 .mtdx ) 。平均化や近似などの処理がされる前の生波形データです。この形式でファイルを保存すると、後から開いてグラフ表示や後処理をすることができます。 - エクスポート:
平均化や近似などの処理が された後のデータです。 Magtrol製のM Testソフトウェアで開ける mdfの形式、タブ区切りのテキスト.txt、コンマ区切りのテキスト .csv、imc FAMOSのdat形式と .raw 形式があります。この形式でファイルを保存した場合、後からTMTソフトで開くことはできません。
装置構成
トルク・回転数の計測・制御機器
1. DSP7000 コントローラ: トルク・回転数の計測と制御
DSP7000の機能でPIDトルク/ PID回転数制御、オープンループ制御ができます。
2. 3411 表示計: トルク・回転数の計測
DC電源オプションを用いると、TMTソフトの機能でPIDトルク/ PID回転数制御、オープンループ制御ができます。
3. TSトルクセンサー: トルク・回転数の計測
DC電源オプションを用いると、TMTソフトの機能でPIDトルク/ PID回転数制御、オープンループ制御ができます。
システム事例
トルク・回転数を電力計に入力、電力計内で同期して効率計算
1. DSP7000 コントローラ: トルク・回転数の計測と制御
DSP7000コントローラからトルク・回転数を取得して、電力計から電流・電圧を取得すると、時間のずれが生じるため効率値を正しく 評価できない場合があります。そこで、電力計にトルクと回転数を入力し、すべての計測値を同時に電力計から取得して時間のずれを 無くすことができます。DSP7000コントローラは負荷の制御用として使います。
コギングトルク、ロストルクの試験
ギヤ付きのサーボモータを負荷にして、被試験モータを外部から1rpm程度の低速で回転させてコギングトルク試験ができます。
負荷用サーボモータを数千rpmで回転させてロストルクの試験をしたり、被試験モータに電力計を接続して誘起電圧試験も可能です。
ステッピングモータ
信号発生器でパルスを出力してステッピングモータを回転させ、プルイントルクやプルアウトトルクの試験ができます。
高分解能のロータリーエンコーダとAB相対応のロガーを用いて、角度のダンピング波形(モータが1パルスで動くときの時間vs.角度) を計測することもできます。