金属部品は目的に応じて様々な加工が施されています。その中でもメッキによる表面処理は非常に幅広く用いられ、コスト・耐摩耗性・耐腐食性・デザイン性等の様々な理由で材質を変えています。ナノインデンターではそれらの表面強度を高精度に測定することが可能です。
　下記は連続剛性測定法を用いて各メッキ・表面処理膜の硬度・ヤング率を測定した事例です。結果は下記の通りです。表層は基材の影響の少ない、メッキ膜自体の値が計測されます。深い領域では基材の影響受けて基材の硬度・ヤング率に徐々に値が近づいていきます。

　基材の影響の少ない表層の硬度・ヤング率は下記のとおりです。材料による硬度・ヤング率の違いが計測されています。

なお、本測定は通常ナノインデンテーション法で用いられるバーコビッチ圧子ではなく、ビッカースの圧子を用いております。従来ビッカース硬度を求める際には圧痕の観察を行う必要がありましたが、上記硬度から変換を行うことで圧痕の観察を行うことなく簡便にビッカース硬度を算出することが可能です。