日本初!電気・ハイブリッド自動車部品のEMC試験に対応した CISPR25適合 可搬型電気モーター負荷ユニット「BlueBox」 と モーターテストソリューションの販売を開始
株式会社東陽テクニカ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:五味 勝)は、EMC試験設備および機器の世界的リーディングサプライヤーである、Frankonia Germany EMC Solutions GmbH(本社:ドイツ・バイエルン州ハイデック、以下 Frankonia社)が製造する、EMC試験のための可搬型電気モーター負荷ユニット「BlueBox」を10月23日より販売いたします。
「BlueBox」は、今後、電気自動車やハイブリッド車の更なる普及に伴い、それらに搭載する車載電子部品(パワートレイン部品など)に対してのニーズも高まると予想されるCISPR25:2016(Edition 4)(車載受信機の保護のための限度値及び測定方法を規定したCISPR※2の国際規格)に適合したEMC試験を、新しい大型電波暗室を建てることなく既存の施設で実施可能とする、日本初の可搬型電気モーター負荷ユニットです。
東陽テクニカはEMC試験の分野で40年以上の経験を持ち、日本のEMC市場を開拓してきた第一人者です。多くのiNARTE認定EMCエンジニア※3が在籍している強みを活かし、今後も単体の試験機器の提供だけでなく、個々のお客様のニーズに最適なテストソリューションの提案を続けてまいります。
EMCとはElectromagnetic Compatibilityの略で、電磁環境両立性などと訳されます。電子機器や装置が他の電子機器へ電磁妨害(電磁波ノイズが周囲の機器や人体に影響を及ぼすこと)を与えず、かつ他の電子機器からの電磁妨害に影響されず、性能劣化や誤作動などを生じることなく設計どおり動作し得る能力を表します。十分なEMC対策を行わない場合、人命に係わる重大な事故に繋がる可能性もあります。そのような危険性が危惧される機器の一つが、自動車の車載電子機器です。近年の自動車の中は電子装置が密集していることに加え、電磁妨害に敏感な受信機と大きな信号を出力する送信機が混在しており、非常に厳しい電磁環境であるといえます。
このような車載機器のEMC試験における測定方法などを規定した国際規格CISPR25が1995年に発行され、電気自動車(EV)およびハイブリッド車(HV)の車載装置に関連した記述が追加された最新の改訂版“CISPR25:2016(Edition 4)”が2016年10月に発行されました。ヨーロッパではガソリンエンジン車やディーゼル車の将来的な販売禁止が打ち出されるなど、EV/HVシフトが加速しており、今後日本でもEVやHVの普及が進むと見られ、これに伴い、本規格に適合した試験の実施ニーズが高まると予想されます。
モーターなど、新たに定義されたインバーターや充電システムなどの高圧直流電源やAC電力に接続される機器を対象とした試験を行うためには、負荷装置(ダイナモメーター)が必要です。しかし、従来の据付タイプの負荷装置からは電磁妨害波が発生するため、電波暗室の外に設置せねばならず、負荷装置を含めた新規大型電波暗室の建設が必要となります。
一方、「BlueBox」は、ユニット本体から電磁妨害波が発生せず、かつ小型化されたユニットで持ち運びができるため、既存の電波暗室内に簡単に設置することができます。新規で電波暗室を建てる必要がないため、新たな土地や建設費用が不要で、コストと時間を削減でき、直ぐに試験が実施できるようになります。また、自社内で試験を実施できるようになることで、これまでのように海外の試験所に試験を委託する必要がなくなり、コストや工数の削減と試験期間の短縮に貢献します。
東陽テクニカは、EMC試験分野の日本におけるパイオニアとして40年以上の経験があり、1,500台以上のシステムならびに2,500本以上の自社開発ソフトウェアを、公的機関やEMC試験所をはじめとする国内外の多くのお客様へ納入してきた実績があります。当社の強みは、在籍する多くのiNARTE認定エンジニアが、お客様のEMC試験の目的・要望に合わせた最適な環境と運用までをトータルソリューションとして提案できることです。また、EMC規格策定団体などの活動にも積極的に参加しており、規格の最新動向をいち早く掴み、自社開発ソフトウェアにすばやく反映、お客様に提供しています。
「BlueBox」の主な特長
CISPR25:2016(Edition 4)に対応した、パワートレイン部品などのEMC試験用可搬型電気モーター負荷ユニット。従来型の外付けダイナモメーターを備えた大型設備に代わる製品。
- エミッション測定(EMI):CISPR25:2016 (Edition 4)適合
- イミュニティ試験(EMS):ISO 11452-2適合
- 電磁波ノイズ対策がされた可搬タイプの負荷機器(ダイナモメーター)
- 追加バッテリシミュレータ:上限1,000V, 600kW, 600A
- ターンテーブルを導入することで360度ポジションのEMC測定にも対応
- 「BlueBox」のバルクボディを車両構造とみなして試験することが可能
製品仕様
製品データ
- 製品名:可搬型電気モーター負荷ユニット「BlueBox」
- 販売開始:2017年10月23日
※1 EMC対策済みモーター試験装置として。2017年10月6日時点。東陽テクニカ調べ。
※2 国際無線障害特別委員会で1934年に設立され、一般にシスプルと呼ばれている。IEC(国際電気標準会議)の特別委員会。
※3 正式名称iNARTE EMC Engineer。米国の非営利団体であるiNARTE(The International Association for Radio, Telecommunications and Electromagnetics)が、1988年に創設したEMCの技術、スキルを認定するグローバルな技術資格。
<Frankonia Germany EMC Solutions GmbHについて>
Frankonia社(本社:ドイツ・バイエルン州、ハイデック)はEMC試験ラボのプランニングや実現において約30年に亘る経験をもつ、世界的リーディングサプライヤーです。1987年の創業以来、革新的なコンセプトに基づいた大型電波暗室やRFシールドルームの製造、電波吸収体(RF absorber)の新しい技術の開発などを通じて急成長した企業です。高周波/マイクロ波吸収体からドアやゲートまで重要なシールド部品すべてを製造することができる、数少ないサプライヤの一つです。
Frankonia Germany EMC Solutions Webサイト:http://frankonia-solutions.com
本件に関するお問い合わせ先
株式会社東陽テクニカ EMCマイクロウェーブ計測部
TEL:03-3245-1244(直通)
E-mail:emc@toyo.co.jp
商品サイト:https://www.toyo.co.jp/emc/products/detail/id=12494
※本ニュースリリースに記載されている内容は、発表日現在の情報です。製品情報、サービス内容、お問い合わせ先など、予告なく変更する可能性がありますので、あらかじめご了承ください。
※記載されている会社名および製品名などは、各社の商標または登録商標です。
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可搬型電気モーター負荷ユニット「BlueBox」
CISPR25:2016(Edition 4)に適合したEMC試験を、新しい大型電波暗室を建てることなく既存の施設で実施可能とする、可搬型電気モーター負荷ユニットです。
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