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インタビュー
2022/12/14

「第7回ドアサミット」コロナ禍で2度目のオンライン開催!

国内の自動車メーカーが主催、多くのサプライヤーも参加

「ドアサミット」は、国内の主要自動車メーカーが主催する、自動車のドアに特化したカンファレンスです。2016年、自動車ドアに関する情報交換の場を求める自動車メーカーの声に応えて東陽テクニカが事務局となりスタートしました。
「日本のドアをよりよくしていこう!」を理念に定例開催されているドアサミットですが、第7回となる2022年は前年に続きオンライン形式で9月8日に開催されました。
自動車メーカー、サプライヤーをはじめとする46社から、180名(※接続アカウント数)の自動車ドア開発に取り組むエンジニアが集まり、現在のドアに関する技術やその未来について活発な意見交換が行われました。
もともと自動車メーカーのエンジニア同士の交流の場として始まったドアサミットですが、年々サプライヤーのエンジニアの参加も多くなっており、回を重ねるごとにますます盛り上がりを見せています。
東陽テクニカは事務局として、主催自動車メーカー各社とのプログラム内容調整、開催の準備、当日の進行、終了後のアンケート集計などドアサミットの開催と発展を支援しています。
ドアサミットの継続的な開催を通して、日本の自動車産業により広く貢献することを目指しています。

2度目のオンライン開催

第5回までのドアサミットは、東陽テクニカのセミナールームに全国から約100名のエンジニアが集結し、自動車メーカー各社のドアパネルの実物展示、テーマ別に分かれてのグループディスカッションなど、リアルイベントならではの取り組みが行われていました。
第6回に続き2度目のオンライン開催となった第7回ドアサミットでは、実物展示の代わりにオンラインでのドアパネル紹介を、昼休みの歓談イベントとして実施しました。また、年々参加者の増えるサプライヤーとの交流をさらに深める取り組みとして、「リアルタイムアンケート」と「他社への質問コーナー」にサプライヤーからも質問者としてご参加いただきディスカッションをするなど、オンラインでできることを模索しました。参加者数も前回より増えて、活発な意見交換が行われました。

第7回ドアサミットの振り返り

技術講演

ドアサミットの恒例プログラムの一つである技術講演では、ドア開発の最前線で活躍するエンジニアがそれぞれのテーマで講演します。今年は以下の講演が実施され、質疑応答も盛んに行われました。

  • 「新型 SUV リフトゲート開発」(マツダ株式会社)
  • 「ドア設計に対するモデル化変遷と今後」(ニュートンワークス株式会社)
  • 「新型ノア・ヴォクシーの紹介」(トヨタ車体株式会社)
  • 「新開発樹脂製テールゲートインナーのご提案」(帝人株式会社)

参加者による投票の結果、最優秀講演賞はトヨタ車体株式会社の講演が選ばれました。

「新型 SUV リフトゲート開発」(マツダ株式会社)

「新型 SUV リフトゲート開発」(マツダ株式会社)|「第7回ドアサミット」コロナ禍で2度目のオンライン開催!|モビリティ・テスティング|東陽テクニカ

「新型ノア・ヴォクシーの紹介」(トヨタ車体株式会社)

「新型ノア・ヴォクシーの紹介」(トヨタ車体株式会社)|「第7回ドアサミット」コロナ禍で2度目のオンライン開催!|モビリティ・テスティング|東陽テクニカ

リアルタイムアンケート

リアルタイムアンケートは、ドアサミット恒例のプログラムです。主催の自動車メーカー各社が事前に質問を用意し、その質問をリアルタイムで参加者にアンケート方式で回答してもらい、その場で結果を共有するというものです。今回は技術講演で発表したサプライヤー2社からも質問が用意されました。前回よりも時間枠を拡大して実施し、大いに盛り上がりました。

Q1-1(マツダ) 再度ドア商品性の中で、最も開発に時間をかけている性能は何ですか?

Q1-1(マツダ)|「第7回ドアサミット」コロナ禍で2度目のオンライン開催!|モビリティ・テスティング|東陽テクニカ

Q1-2(ホンダ) ドア構成部品について、機種間で共通化が進んでいる者はどれですか?または共通化を進めようとしていますか?(標準規格を定め流用できるようにしている部品)

Q1-2(ホンダ)|「第7回ドアサミット」コロナ禍で2度目のオンライン開催!|モビリティ・テスティング|東陽テクニカ

他社への質問

前回オンライン開催となったことをきっかけに初めて企画されたのが「他社への質問」のプログラムです。今回も各自動車メーカーから別の自動車メーカーのドアの気になる部分について質問が投げかけられ、その回答をきっかけに、他の参加者からのコメント・質問も加わり、さまざまな意見交換が行われました。こちらでも技術講演で発表したサプライヤー2社からも質問があり、ドアサミットの新たな広がりを感じられるプログラムとなりました。

Q1-3(トヨタ)【単一回答】電動車両化に伴いドア構造を見直ししていますか?

リアルタイムアンケート1-3(トヨタ)|「第7回ドアサミット」コロナ禍で2度目のオンライン開催!|モビリティ・テスティング|東陽テクニカ

ドアパネルの紹介

リアル開催で行っていた歓談イベントを昼休みの時間に復活させました。ドアパネルを紹介する“ブース”として、各社のトークルームを作成し、参加者が自由に参加できるようにしました。昼休みという非公式な場での歓談であったため、少人数で議論ができるなど活発な意見交換の場となりました。

第8回ドアサミットのお申し込み

ドアサミット幹事 マツダ株式会社 黒田氏へのインタビュー

黒田 智也 氏|「第7回ドアサミット」コロナ禍で2度目のオンライン開催!|モビリティ・テスティング|東陽テクニカ

マツダ株式会社
車両開発本部 車両実研部 強度実研Gr.
Assistant Manager
黒田 智也 氏

今回のドアサミットの幹事を務めてくださった、マツダ株式会社の黒田氏に、ドアサミットの感想や期待、今後の自動車のドアに関するお話を伺いました。

―:今回のドアサミットの感想をお聞かせください。

黒田氏:私自身、今回が2回目の参加になります。前回から参加させていただきましたが、技術的な交流や悩みを相談できるイベントなのかなと思い参加しました。実際にその通りのサミットで、前回も今回も期待していた以上に本音ベースで話せる充実したイベントでした。リアル開催には参加できていないので、直接的な比較はできないですが、オンライン開催は、発言までのロスが少ないというメリットがあると思います。場が盛り上がった時は、活発な意見交換ができていましたね。また、遠方から参加される方々には、参加費用の面でも非常にメリットがあります。一つのアカウントで複数人が聴講している企業も多くいらっしゃったので、実際は登録数以上の多くの方々が参加されていたと思います。

一方で課題もあったと考えています。オンラインでは、発言を聞く側にまわる場面も多くなり、参加している人数に比べて意見交換に制限が出てしまうということもありました。リアル開催とオンラインが同時にできるといいですが、連携を密にすることが非常に大事になってくるので、運営が難しいという課題もありますね。

―:今回初めて昼休みに各社のドアを紹介する歓談イベントを開催しました。過去のリアル開催では各社がドアを持ち寄り、昼休みは並べたドアを見ながら歓談する時間となっておりました。今回オンラインという形で開催しましたが、いかがでしたか?

黒田氏:とてもよいイベントだったと思います。昼休みの時間での開催であったため、少人数で気軽に参加できる場となりました。各ブースでは、過去モデルからの進化点、注力点を物や資料を見ながら直接開発担当者を交えて意見交換されていました。私も他社のブースに参加しましたが、自分たちの会社で考えている、議論しているところを、他社はどういう思想で設計しているのかを直接聞けたことがとてもよかったです。気軽に本音ベースで意見交換ができる場はほかにないと思います。参加された方全員に大きなメリットがあったのではないでしょうか。

歓談イベントの形式や時間割は各社にお任せしました。その結果、途中から参加された方が、話に入りにくいブースもいくつかありました。また、もっと各社の話を聞きたいという声も多かったです。次回は時間をもっと確保して、発表の区切りを統一するなどの工夫も必要ですね。まだまだよりよいイベントにできると思います。

―:「リアルタイムアンケート」「他社への質問」でサプライヤー様からも質問をご提示いただきました。サプライヤー様のご参加も増えていて、ドアサミットをより活性化できたと思います。今回も盛り沢山な内容でしたが、今後のドアサミットにどのようなことを期待したいですか?

黒田氏:時間が足りないくらい盛り上がりました。前回の反省を踏まえましたが、時間配分が難しいコーナーですね。どうしても自動車メーカーの設計思想や苦労した話、将来はどうなっていくのかなどの議論が中心になってしまうので、もっとサプライヤーさんに議論に入ってもらえるような話題提案など、環境作りも必要だと思いました。今回技術講演いただいたニュートンワークスさんの講演は「1D-CAE」という部分で新しい議論の場となりました。今後はこのようなシミュレーション技術が一層注目されていくと思います。ドアシステム以外の分野での新しい知見や議論の場になるよう、サプライヤーさんも主役になるような企画を作っていけるといいですね。

―:毎回、幹事様にお伺いしているのですが、黒田様の考える良いドアとはどのようなドアでしょうか?

私の考える「良いドア」は、お客様が日常的に使われていく中で、心地よさを感じられるドアですね。具体的には手や電動で動かす時の「操作音」「操作性」「作動性」、これらが作りこまれたドアです。マツダには、エネルギー効率を最大にして、コスト/重量を抑えながらフィーリングの良いドアを実現する、という設計思想があります。これには、単純に作り手の都合で安く軽く開発するのではなく、人間の特性を基準に、性能の良し悪しを判断することが必要です。人間の生理反応やメカニズムを解明しながら、お客様が本来必要とするタイミングで、意図を持った音質を出す、動きであれば、不要な振れや引っ掛かりなどのノイズを排除していくなどで、お客様の感性にあったドアシステムを世に出したいと考えています。

―:今後のドアサミットに期待することはありますか?

黒田氏:参加された方々や会社の変革行動に繋がるイベントであればと思います。自分たちの開発構想や方針にドアサミットで得た知見を取り入れて開発を進めることで、業務に反映していけるといいですね。それが、世界一のドアを世に出していくきっかけになることを期待しています。

―:ドアサミットで皆さんがおっしゃいますが、ドアは最初と最後に触る部分となり車の印象を決める大きな部分でもありますね。東陽テクニカは今後も人が使っていて心地よいドア作り、そしてそのドアを作っていくきっかけとなるドアサミットのお手伝いをさせていただきます。

※1D-CAE:ものづくりの上流段階である概念設計から適用可能な設計支援の考え方や手法、ツール
参照:日本機械学会、1DCAEのWebサイトhttps://1dcae.jp/

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