あらゆる車が路面性状測定車に大変身!可搬性・即時性・高精度を実現する路面測定とクラウド解析のご紹介
はじめに
一般道路や高速道路、自動車関連会社が所有するテストコースなどでは、道路舗装の維持管理において、路面状態の把握と修繕候補箇所の抽出のため路面性状調査が行われています。
その調査の方法はいくつかありますが、それぞれ課題を抱えています。水準測量(水準儀と標尺を用いて標高を求める方法)は、精度は良いのですが利便性に問題があり、調査員の体感や目視による推測は簡便な反面、精度に問題があります。専用の大型路面性状測定車の購入には数億円規模の費用がかかり、レンタルや受託サービスといった形態では即時性が損なわれます。
XenomatiX社製 路面形状計測システム「XenoTrack(ゼノトラック)」は、一般車両のルーフに搭載することで路面の凹凸をリアルタイムに計測でき、後解析により大型路面性状測定車と同等精度の結果を得ることができます。さらに、後述する解析用クラウドビューワー「RoadViewer(ロードビューワー)」を使用することで、専用のソフトウェアを使用せずに、ブラウザの画面上で地図や実映像と同期した路面の凹凸マップやプロファイル、路面性状の評価項目(IRI=国際ラフネス指数、轍掘れ、平坦性など)を確認することができます。
「XenoTrack」は唯一無二なシステム
測定の要であるセンサー部分はLiDARに分類されますが、一般的なLiDARはTOF(Time of Flight、光が物体に反射し戻る時間を計測する)方式で、良くてcm精度であるのに対し、「XenoTrack」は3,000本のレーザーを同時に高速で照射しながら“三角測量”するという特許技術(日本特許番号:JP6387407 B2)により路面の凹凸を線ではなく面としてとらえ、高さ方向2mm以下という高精度計測を実現しています。
「XenoTrack」は安価で簡便なシステム
MMS(モービルマッピングシステム、自動車にカメラと3次元レーザースキャナを搭載し、道路およびその周辺映像・3次元データを取得するシステム)よりも安価であり、システム構成はセンサー1台と計測用のPC 1台のみと、とても単純です。専用の車両を必要とせず、20分程度であらゆる車両に搭載することができます。
「XenoTrack」は高速走行しながらリアルタイムに路面の凹凸をモニター可能
計測用PCでリアルタイムに路面の凹凸をモニターしたり、過去のデータをリプレイしたりすることができますので、路上計測後オフィスに戻らずとも、途中のサービスエリアや休憩所にて計測結果を確認することができます。最高60Hzのフレームレートにより、一般道に限らず、高速道路(80km/h以上で走行可能)での運用も可能です。
路面性状の評価項目を解析可能なクラウドビューワー(2021年9月サービス開始)
解析用に便利なクラウドサービス「RoadViewer」では、自身のアカウントに紐づくデータをいつでも閲覧できます。
cm精度のGPSや高解像度カメラ映像にも対応し、地図、実映像、海抜基準の高さマップ、3D路面プロファイル、反射輝度マップ、走行方向のプロファイル、横断方向のプロファイル、IRI、轍掘れ量などを算出することができます。
XenomatiX社の解析アルゴリズムだけではなく、お客様独自のアルゴリズムを実装することもできます。
路面性状測定以外のアプリケーション ~活用事例のご紹介~
① 路面データをOpenCRGフォーマットに変換(CRG変換ツールも販売中)
OpenCRG形式にて路面プロファイルをシミュレーションツールにインポートすることで車両走行を模擬し、車両耐久試験、操縦安定試験、乗り心地試験などにも利用されています。
② 研究開発分野では前方照射モデルが人気
レーザーを後方に照射するモデルだけではなく、前方照射モデルも販売しています。車両前方の落下物検出、危険回避、車両の乗り心地を担保するアクティブサスペンション開発にも応用されており、自動運転/ADAS(先進運転支援システム)開発にも寄与しています。
おわりに
「XenoTrack」は路面の測定→リアルタイム再生→後解析において、大型路面性状測定車にひけをとらない精度、圧倒的な可搬性と即時性を備えています。
東陽テクニカは今後も測定機器の販売・サービスをコアコンピタンスとして、安全で円滑な道路交通の確保および自動車開発のさらなる発展に寄与してまいります。
路面形状計測「XenoTrack」デモンストレーション
路面形状計測「XenoTrack」製品紹介動画
「XenoTrack」プロモーションビデオ(英語)
“6D Road Scanning and Surveying with XenomatiX”
プロフィール
PROFILE
水戸部 涼太
機械制御計測部
2011年 東陽テクニカに入社。
バッテリーの充放電装置などの電気化学測定器、半導体や低温・磁気デバイスを評価する物性測定器の営業を経て、現在はADAS/自動運転用のLiDAR製品やデータロガー製品を担当。執筆や講演活動も手掛ける。
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