「第5回ドアサミット」開催!
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※本記事は2019年7月12日に掲載した記事の再掲載となります。情報はもとの掲載日現在の情報です。
最新情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。
国内の自動車メーカーが主催
「ドアサミット」は、国内の主要自動車メーカーが主催する、自動車のドアに特化したカンファレンスです。2016年、自動車のドアに関する情報交換の場を求める自動車メーカーの声に応えて東陽テクニカが事務局となりスタートしました。
「日本のドアをよりよくしていこう!」を理念に定例開催されている「ドアサミット」。その第5回が、2019年5月21日、東陽テクニカ本社にて開催され、全国から約100名のドアエンジニアが参加しました。日々自動車ドア開発に取り組むエンジニアたちが、ディープで有益な情報を共有し貴重なカンファレンスとなりました。ドアサミットの継続的な開催を通して、日本の自動車産業により広く貢献することを目指しています。
会場内には各社のドアが多数展示
ドアサミットの会場内には、主催社の車のドアが多数展示されました。ドアの内部構造を間近で見ることで、新しいドア開発に向けて着想のヒントを見つける機会になるかもしれません。こうした点もまた、多くの自動車メーカーが主催しているドアサミットならではのメリットです。
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技術講演とグループディスカッション
ドアサミットのタイムテーブルは、大きく分けて技術講演とグループディスカッションの2部制です。
前半の時間帯は、ドア開発の最前線で活躍するエンジニアが登壇して技術講演を実施しました。
後半の時間帯は、テーマ別に分かれて深く意見交換できるグループディスカッションを開催。ドア閉まり音、軽量化、自動化など、さまざまなテーマに関して積極的に意見交換を行いました。
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エンジニアが情報を共有できる「ドアサミット」
外観デザインを構成する極めて重要なパーツでありながら、快適性・安全性の追求も求められる自動車のドア。そんなドア開発の最前線で活躍するエンジニアが取り組んでいる最新のテーマとは何なのでしょうか。
今回の「ドアサミット」の幹事を務めてくださった、ダイハツ工業の三好氏にお話をお聞きしました。
──現在ドアエンジニアのみなさんが取り組んでいらっしゃる開発テーマに関して教えてください。
三好氏:快適性向上のためには、車内の気密性を高めることが重要になります。ただ、気密性を高め軽量化を重視すると、ドアが閉まりにくいという事象につながる可能性もあります。「ドアサミット」開始のころからずっと、多くのドアエンジニアが「軽くても閉まりやすいドア」の開発に取り組んでいます。「ドアサミット」は、このテーマに関する数多くのヒントをドアエンジニア間で共有することができていると考えています。
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ダイハツ工業株式会社
車両開発本部 三好 哲史 様
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──ユーザーにとって、快適なドア閉まりとは、どのようなものでしょうか。
三好氏:「開けやすさ」「ハンドルを握ったときの質感」「閉まるときの音」などが、その車の快適さを印象づける大切な要素となります。中でも高級車は重厚感が重要になりますので、ドア音は非常に重視される傾向にあります。その一方で軽自動車は、ターゲットが女性や高齢者がメインになるため、軽やかなフィーリングや軽快さ、そして弱い力でもよく閉まることが快適だと感じていただける傾向があるように思います。それぞれの自動車がターゲットとするお客様のニーズを満たす上で、ドアは非常に重要な役割を担っています。
──自動運転の実現に向けて、自動車開発は新たな局面に入ったと思います。ドア開発も同じように、新たな局面に入るのでしょうか。
三好氏:これまで自動車はステータスとして所有するものでした。しかし、これからモビリティーサービスが広がることで、自動車の存在価値も、そしてドアの価値も大きく変わる可能性があると考えています。私たちドア開発に関わるエンジニアが果たすべき責務も変化していくでしょう。だからこそ「ドア」という共通テーマに取り組んでいるエンジニアたちが知恵を出し合い、協力し合い、日本の自動車産業の未来をさらに明るいものにしていければと思っています。
「ドアサミット」は、東陽テクニカさんが先導してくださっているおかげで、今もこうして続けられています。今後も横のつながりをさらに広げ、日本のドアを盛り上げていきたいと思います。
「EZ Slam2」なら、日本メーカーの自動車開発力をさらに向上させることができる
米国EZ Metrology社の「EZ Slam2」は、世界初のドア閉まり動作の計測ソリューションとして、世界の自動車メーカーで導入が進んでいます。このたび、同社のLucas Cicero(ルーカス・シセロ)氏が「ドアサミット」での技術講演のために来日しました。
インタビューを通して「EZ Slam2」の魅力に迫ります。
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EZ Metrology
Technical Director
Lucas Cicero氏
──ルーカスさんは、ドアサミットは今回が初めてですね。参加された感想をお願いします。
ルーカス:素晴らしいカンファレンスですね。参加者のみなさんが、技術講演にとても集中している様子が印象的でした。エンジニアのみなさんの高い向学心を感じました。
──ドア計測システムに関しては、自社で開発している自動車メーカーも多いと聞きますが。
ルーカス:ヨーロッパでも、いまだに多くのメーカーが独自のツールを開発しています。しかし、自社開発ツールでは、ドアのことを正確に理解するのに時間も手間もかかります。計測項目の定義だけで1か月かかる場合もあります。完成されたツールを使うほうが効率的です。当社のドア計測システムを活用すれば、短時間で正確な計測ができます。
──「EZSlam2」の最大のメリットは何ですか。
ルーカス:「EZSlam2」はセットアップに10分もかかりません。計測もわずか20分程度です。計測が完了すると、自動車ドアの速度、車室内圧力、ドアエネルギー計測など、約30種類の測定結果をまとめてPCに表示してくれます。セットアップから計測完了までトータルで約30分です。時間短縮はすなわちコスト削減です。車両のラインアップの多いメーカーであれば、さらに大きなコスト削減効果を期待できると思います。
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※ ドアにセッティングされたEZSlam2
──「EZ Slam2」の活用方法について教えてください。
ルーカス:例えばプロトタイプを開発した際に、ドア開閉エネルギーの正確な数値を測定して、現行モデルとプロトタイプを正確な数値で並列比較できます。「EZ Slam2」の解析結果を有効活用することで、プロトタイプの改良点をより明確に把握することができます。新車開発をより正確に効率的に進めることができるはずです。
──EZ Metrology社は、日本市場をどのように見ていますか。
ルーカス:大変有望だと捉えています。自動車メーカー各社の開発力が非常に高いですから。パートナーである東陽テクニカと協力して、日本メーカーのみなさんのお役に立ちたいと考えています。
EZ Metrology社とは?
自動車ドア計測の世界的なリーディングカンパニー(公式サイト:https://www.ezmetrology.com/)。
東陽テクニカは、2015年にEZ Metrology社と国内総代理店契約を締結。日本のお客様に、自動車ドア計測システム「EZ Slam2」などをご提供しています。
※東陽テクニカ EZ Slam2(ドア計測システム)はこちらから
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