Perforce Helix ALM 事例紹介:Sennheiser社
Sennheiser社:コンプライアンス管理とアジャイル開発への移行を加速させるためにHelix ALMを導入
2007年以来、Sennheiser社は、開発からリリースに至るまでのプロセスの促進やコンプライアンスに関するレポート作成の自動化、さらにはアジャイル開発への移行にもHelix ALM(旧TestTrack)を役立てています。現在、同社のグローバルな開発環境では、Helix ALM独自のデータモデルと、要件/テストケース/テストラン/不具合すべてを関連付ける機能によって、一段と革新的で複雑な製品開発を実現しています。
Helix ALMで開発からリリースまでのプロセスを加速
コンプライアンス
世界中の業界規格におけるコンプライアンス管理を支援
アジャイル開発への移行
安定感のある自己管理型のチーム作りをすることで、より速やかに顧客のニーズに対応
エンドツーエンドのトレーサビリティ
リアルタイムで多数のユーザにアクセスをさせならがも、遅延や不注意による主要製品のデータ削除を回避
プロジェクト品質管理マネージャやテスト担当者がその機能性を絶賛
「プロジェクト品質管理マネージャやテスト担当者は、テストケースを作成したり、テストランで繰り返し実行されるテストの結果をドキュメント化したりできる機能性を絶賛しています。さらに、テスト業務でのレポート機能も好評です。」
Hartmut Gohdes氏
プロダクト品質管理マネージャ
Sennheiser Electronic GmbH & Co. KG (Sennheiser社)
Helix ALMを選んだ理由
- 開発プロセス全体におけるトレーサビリティの自動化
- 多数のユーザに対してすべてのプロジェクトデータへのアクセスを提供し開発を促進
- さまざまなテクノロジーが実装されいる製品の管理を簡素化
- コンプライアンス管理とレポート作成の自動化
- ソフトウェアおよびハードウェア両方におけるアジャイル開発チームのサポート
Sennheiser社について
Sennheiser社は、高品質のオーディオ製品を提供する世界的な一流企業です。1945年の創立以来、同社は革新的なヘッドフォン、マイクロフォン、無線伝送システムを開発/製造しています。Sennheiser社は、50以上の国々で活動し、ドイツ、アイルランド、アメリカに自社の製造施設を持っています。同社は数百という開発者を抱え、常にオーディオ製品を進化させることに力を注いでいます。
主な課題
Sennheiser社では、2007年にHelix ALMを導入するまで、ソフトウェアやハードウェアの開発プロセスで課題管理を行うために、“鉛筆と紙”そしてExcelを使っていました。この方法は手作業で時間がかかり、次のような問題がありました。
- 間違いが発生しやすく、意図せずデータを削除
- ワークフローの管理が困難
- トレーサビリティの確立が困難
- アクセスできるのは一度にひとりのユーザ
Excelでの課題管理にくわえ、Sennheiser社のチームは要件およびテストケースも手作業で管理しなければなりませんでした。このため、チームメンバは開発プロセスに存在する問題を解決するために、Excelよりも効率的で透明性の高いワークフローを求めていたのです。
Helix ALMの導入
Sennheiser社は当初、課題管理およびバグレポート業務を改善するためにHelix IM(旧TestTrack Pro)を導入しました。Helix IM導入以前は、ミーティング時や電話越しに口頭で課題を開発者やプロダクトマネージャに割り当てていましたが、導入後はHelix IMを利用して、課題の割り当てやその課題の修正に関する進捗を追跡ができるようになりました。また、チームメンバは全員、課題ごとに担当者やワークフローの状態に関する概要をいつでも確認できるようになりました。
さらに、Helix IMではSennheiser社と仕事を共にする外部の関係者がプロジェクトのデータベースにアクセスできるため、分散開発環境でのワークフローや情報の共有が向上したのです。
さまざまなニーズが増えるにつれ、同社はテストケース管理にHelix TCMを、要件管理にHelix RMを次々に導入しました。今現在、Sennheiser社のチームはHelix ALMスイートが提供するあらゆるメリットを享受し、エンドツーエンドで開発サイクルをカバーできるようになりました。同社において、Helix ALMはソフトウェア開発の支援だけに留まらず、ハードウェアの開発プロセスにも活用されています。
コンプライアンス
Helix ALMは、世界中の業界規格におけるコンプライアンス管理にも役立っています。Sennheiser社は無線のオーディオ製品を提供しているため、電波干渉、電磁両立性(EMC)や他の安全事項に関わる各国のさまざまな規制を順守しなければなりません。同社が参入している数多くの国際市場において製品の認可を受けるのはもとより、関連の然るべき規制すべてのコンプライアンスを追跡するには、途方もない作業量が求められます。
Sennheiser社のチームは、これらすべてのコンプライアンス要件をHelix ALMで管理しています。コンプライアンス、開発、そして安全保証の各チームは、対応しなければならないリスクや規制に関する懸念事項を、より簡単に確認することができるようになりました。また、過去のプロジェクトで実施された対策を調べたり、必要な詳細情報を容易に検索したりすることも可能です。これらにくわえて、Helix ALMは、あらゆるプロジェクトの成果物を自動的に関連付けるため、これまでになく簡単にトレーサビリティを確立できます。
アジャイル開発への移行
Sennheiser社は数年前にアジャイルな開発手法を模索し始め、現在は、アジャイル開発への移行がかなり進んでいます。アジャイル開発への移行における同社の目標は、必要な製品知識をすべて有する安定感のある自己管理型のチームを作り、より迅速に顧客のニーズに対応することです。
アジャイル開発への移行は、まずアジャイルコーチが所属する試験プロジェクトを立ち上げることから段階的に行われました。この最初のプロジェクトが優れた実績を残し、そこで得た教訓とベストプラクティスが他のアジャイルチームに引き継がれてゆきました。
現状、Sennheiser社ではアジャイル開発を行うプロジェクトの数が著しく増えており、それらのプロジェクトに携わっている開発チームは、Helix ALMがアジャイル開発にうってつけであると実感しています。なぜならば、ストーリー、タスク、欠陥におけるそれぞれの状態をHelix ALMという1つのツールで管理し把握することができるからです。
これらのアジャイル開発プロジェクトでは、Helix ALMの要件管理モジュールであるHelix RMが重宝されています。Sennheiser社のシステムエンジニアは、同社のTeamConnect Wirelessシステムなどに代表される、マルチテクノロジーで複雑な要件を管理するために、Helix RMを使っています。
TeamConnect Wirelessは、同社のWeb会議向けの製品です。これまでになく快適なWeb会議を開くために、より明瞭で優れた音声品質を提供します。同製品は、さまざまなスマートフォン、タブレット、PCに接続することができるので、Sennheiser社の無線接続、有線接続、マイク、スピーカの主要技術と、ソフトウェアを組み合わせて連動させる必要があります。このため、製品が複雑になり、何百という技術要件が作成されました。
多数の機能を実装するTeamConnect Wirelessのような製品の開発プロジェクトにおいて、Sennheiser社のチームはHelix RMドキュメントに要件をユーザストーリーとして作成のうえ、このドキュメントをエピックとして使ったのです。そして、Helix RMのフォルダビューに“Story Backlog”というフォルダを作成しました。ビューでは、優先順でストーリーの一覧を確認できます。また、個々のスプリント時に作業するストーリーを格納するためのスプリントフォルダ(スプリントごとに1フォルダ)も、このフォルダビューに作りました。スプリント内の進捗を示すバーンダウンチャートのようなレポートを自動的に生成することが可能です。
まとめ
開発チームがExcelを使い、ウォーターフォール方式で業務を遂行していた2007年より前の時代では、TeamConnect Wirelessプロジェクトを適切に管理することは限りなく不可能だったことでしょう。しかし、Helix ALMを導入することで、Sennheiser社のチームはアジャイル開発へと徐々に移行し、より複雑な製品開発を簡単に管理できるようになったのです。
さらに、同社のワークフローは一段と効率的かつ透明性の高いものとなり、製品開発のライフサイクル全体を通したエンドツーエンドのトレーサビリティの自動化を実現しました。また、Helix ALMでは多数のユーザがリアルタイムでプロジェクトデータにアクセスできるため、遅延がなくなり、不注意によって主要製品のデータが削除されることもなくなりました。
Helix ALMはSennheiser社において、ますます複雑化するマルチテクノロジー製品の開発管理を容易し、ひいては革新的オーディオテクノロジーを世界に提供し続ける手助けをしています。