AGM(アガロースゲル・マイクロカプセル)は、アガロースゲルのシェルによる、シングルセルの包埋技術※です。"AGM™試薬キット" は、当技術を簡便に利用できるよう試薬キット化したものです。一般的な生物系ラボにある理化学機器を利用するだけで、微生物シングルセルを微細なAGMに包埋することが可能です。
※理化学研究所の特許技術(特許第7018685号)
サンプルが少量であっても全ゲノム解析が可能なため、難培養性微生物の解析にも適用可能です。
かつてない高いゲノムカバー率でのDNA増幅が可能。シングルセルを微小中空カプセルへ包埋することで、増幅バイアスを極限まで抑えます。これにより、かつてない高いゲノムカバー率でのDNA増幅を実現します。
高価な専用機器は不要。既存のラボ設備ですぐに実験可能です。
個々のゲノム情報をシングルセル(単一細胞)レベルで詳細に解読する「シングルセル全ゲノム解析」は、「メタゲノム解析」との情報補完性の高さから注目されつつあります。
微生物のシングルセル全ゲノム解析の実現は極めて困難ですが、その原因は、DNAの量が絶対的に少ないという事実にあります。ゲノム解析には必要な量までDNAを増幅させる必要がありますが、その際、ゲノムの部位による増幅率の偏りが生じるため、全ゲノム解析が困難になります。この増幅バイアス問題をなくし、ゲノムカバー率を100%に近づけることが、シングルセル全ゲノム解析における重要な課題です。
シングルセル全ゲノム解析での増幅バイアスの発生を抑える方法としては、反応容積の微小化が有効であることが知られていますが、それを高いレベルで実現したのがAGM(アガロースゲル・マイクロカプセル)です。
AGMに包埋された大腸菌シングルセル
●(緑色)
AGM内でMDA反応後に増幅したDNA
●(緑色)
AGMはピコリットルスケールの微小中空カプセルへシングルセルを包埋することで、増幅バイアスを極限まで抑制します。実際に従来法とAGMを比較検討した大腸菌の例では、90%以上のゲノムカバー率を実現。従来法が抱える課題を解決しています。
従来法 | FACS**によりPCRプレートに細胞を単離後、MDA反応実施 |
---|---|
AGM | AGMに細胞を包埋した状態でMDA反応実施 |
* FACS:蛍光活性化セルソーター。蛍光標識した細胞を流し、蛍光特性に基づき不均一なサンプル中から特定の細胞集団を容器へ振り分けることができる装置。
**MDA:Multiple Displacement Amplification。Phi29 DNAポリメラーゼとランダムプライマーを用い、相補鎖の置換反応が複数箇所連続して多重に起こる等温DNA増幅法。
MEMS技術を応用したマイクロ容器や、マイクロ流路によるオイル中の微小液滴などの微小化技術では、充分なゲノムカバー率を確保できません。さらに、高価な専用機器が必要、手間がかかる、反応後のサンプル抽出が困難など、コスト、効率の両面で課題が明確でした。AGM™試薬キットは、高価な専用機器が不要です。生物系ラボにある一般的な理化学機器だけで、高いゲノムカバー率での解析実現をサポートします。
AGM | ゲルビーズ | Water-in-Oil ドロップレット |
|
---|---|---|---|
粒子内外の成分移動 | 容易 | 容易 | 困難 |
構造 | |||
包埋物の粒子内移動 | 容易 | 困難 | 容易 |
包埋物の抽出 | 容易 | 容易 | 困難 |
MDA必要回数* | 1 | 2 | 2 |
AGM | |
---|---|
構造 | |
粒子内外の成分移動 | 容易 |
包埋物の粒子内移動 | 容易 |
包埋物の抽出 | 容易 |
MDA必要回数* | 1 |
ゲルビーズ | |
---|---|
構造 | |
粒子内外の成分移動 | 容易 |
包埋物の粒子内移動 | 困難 |
包埋物の抽出 | 容易 |
MDA必要回数* | 2 |
Water-in-Oil ドロップレット |
|
---|---|
構造 | |
粒子内外の成分移動 | 困難 |
包埋物の粒子内移動 | 容易 |
包埋物の抽出 | 困難 |
MDA必要回数* | 2 |
* DNAを、解析できる量まで増幅するのに必要な、MDA反応の実施回数
「 AGM™試薬キット」紹介セミナー
2023年7月13日(木)に開催した「AGM™試薬キット」開発者である青木弘良氏による製品解説セミナーをアーカイブでご視聴いただけます。
オンチップ・バイオテクノロジーズ社製「On-chip® Droplet Generator」を利用して、AGMの自動作製が可能になります。
ご興味のある方は、オンチップ・バイオテクノロジーズ社公式サイトよりご確認ください。
On-chip Droplet Generator(DG)で作製した80 µm程度のAGMの様子をご覧いただけます。
AGM™試薬キット は、AGMのテクノロジーを簡便に利用できるよう試薬キット化したものです。
一般的な生物系ラボにあるような理化学機器を利用するだけで、微生物シングルセルを微細な AGM に包埋することが可能です。
標準価格:130,000円(3反応)
標準価格:130,000円(3反応)
発明者:国立研究開発法人理化学研究所
山形 豊 氏 青木 弘良 氏
ユーザ:国立大学法人東京工業大学
本郷 裕一 氏
NEW展示会
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「第61回日本消化器免疫学会総会」に出展いたします。(会期:2024年12月5日~12月6日│開催場所:出島メッセ長崎)
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「第83回日本癌学会学術総会」に出展いたします。(会期:2024年9月19日~9月21日│開催場所:福岡国際会議場、マリンメッセ福岡B館)
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「日本患者由来がんモデル学会・日本ヒト細胞学会 合同学術集会2024」に出展いたします。(会期:2024年8月21日~8月23日│開催場所:国立がん研究センター)
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「日本組織培養学会 第96回大会」に出展いたします。(会期:2024年6月27日~6月28日│開催場所:つくば国際会議場)
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「第23回日本再生医療学会総会」(開催場所:朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター)に、出展いたします。(2024年3月21日~3月23日)
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「第18回日本ゲノム微生物学会年会」(開催場所:かずさアカデミアホール)に、株式会社オンチップ・バイオテクノロジーズ様と共同出展いたします。(2024年3月12日~3月14日)
展示会
株式会社新興精機様のブースにて「第46回日本分子生物学会年会」(開催場所:神戸ポートアイランド)に出展いたします。(2023年12月6日~12月8日)
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「日本微生物生態学会 第36回大会」(開催場所:アクトシティ浜松)に出展いたします。(2023年11月27~11月30日)
展示会
展示会
「日本患者由来がんモデル学会学術集会2023」(開催場所:国立がん研究センター)に出展いたします。(2023年10月24日~10月25日)
展示会
お知らせ
アプリケーションノート「大腸菌1細胞の培養」をアップしました。 画面右上の、AGM™試薬キット取扱説明書ダウンロードから、ダウンロードいただけます。
セミナー
7月13日(木)14時~ :“第2回「AGM(アガロースゲル・マイクロカプセル)」試薬キットご紹介オンラインセミナー(講師:発明者 青木弘良 氏)” を開催いたします。(お問い合わせはこちら )
展示会
「第41回 日本ヒト細胞学会学術集会」(開催場所:ウェスタ川越)にてAGMに関連した口頭発表と出展をいたします。(発表者:AGM発明者 青木弘良氏)(2023年8月26日~8月27日開催)
セミナー
4月18日(火)14時~ :「AGM(アガロースゲル・マイクロカプセル)」紹介セミナーを開催いたします。(お問い合わせはこちら )
展示会
「第96回日本細菌学会総会」出展に出展いたします。(2023年03月16日~3月18日開催)アクリエひめじ(兵庫県姫路市)
展示会