FAQ
燃料電池
燃料電池評価
ID.Q5
Q. 燃料ガスの“露点”と“相対湿度”の違い
A.
PEFCの発電評価では、試験条件としてセルの加湿状態の管理が重要であるため、供給ガスへの加湿水分量の規定が重要になります。
よく「相対湿度〇%で負荷発電」と言った記述がありますが、相対湿度から水分量を算出するには、その時のガスの温度が何度だったかの情報が必要になります。”25℃で相対湿度100%”と”80℃で相対湿度100%”では加湿水分量として非常に大きな違いがあります。そのため、相対湿度を0~100%まで制御したいと言っても、対象環境のガス温度が指定されなければ加湿水分量が決まらないわけです。
東陽テクニカのFC評価装置では、加湿水分量は「露点」で制御します。“露点”はそのガスに含まれた水分が飽和して結露を始める温度で、温度による飽和水蒸気量は飽和水蒸気圧曲線などで確認することができます。“相対湿度”はあるガス温度での飽和水蒸気量に対する実際に含まれている水蒸気量の比です。
露点はガス温度に依存せず加湿量を規定できますが、相対湿度は「加湿露点/セル温度」の関係から算出されます。
例えば露点80℃の加湿ガスが80℃のセルに入れば相対湿度100%、露点60℃の加湿ガスが80℃のセルに入れば相対湿度42%という形になります。
ちなみに、100℃以上で相対湿度100%、または露点100℃以上を達成するには、露点も100℃以上にする必要があり、セルや配管をそれに応じた温度まで昇温する必要があり、加湿器の水温も100℃以上にするために加圧が必要になります。