Bio-Logic Science Instruments(バイオロジック / フランス)
BCS-9XXシリーズ モジュール式充放電測定システム(8ch/1モジュール)
BCS-9XXシリーズは充放電試験だけでなくサイクリックボルタンメトリ・電気化学インピーダンス測定にも対応した充放電システムです。充放電システムの中にサーバーPCを搭載しており、長期試験においても優れた信頼性を有します。複数ユーザーのPCから装置へのアクセスが可能で、試験の制御だけでなくデータ出力・解析も可能です。充放電試験などにおける制御・解析の運用面でも効率化をおすすめできるシステムです。
株式会社東陽テクニカ 脱炭素・エネルギー計測部
phone03-3245-1103
Mail:keisoku[at]toyo.co.jp
特長
長期試験信頼性 向上 | システムにサーバーを搭載、制御PCの性能に依存せず、試験の記録が可能 複数ユーザーのアクセスを想定した設計 |
---|---|
ソフトウェア改良 | 制御、解析、メンテナンスの3つのソフトウェアに分業化、 処理による中断のリスク解消 |
精度改良 | BCSシリーズの特徴はそのまま、精度は改良 EIS/CVに対応 測定精度がさらに高精度化 |
長期試験の信頼性向上
システムにサーバーを搭載/サーバーが試験を記録
- 制御PCの性能に依存しないため、使用PCの動作不良リスクを軽減
- 制御PCとの物理的な断線による接続切断のリスクなし
- サーバーに制御ソフトウェアを搭載、バッファエラーリスクを軽減
複数のPCからアクセス可能
- サーバーにアクセスしているPCすべてから、Webブラウザを通じて条件作成、試験の実施、データの検索が可能
- ユーザーアカウントごとに権限を設定可能
ソフトウェアを分業化
各機能(制御、解析、データ転送)に特化したソフトウェアを用意することで、従来単一のソフトウェアで処理していた負担を軽減、処理が集中した場合の中断リスクを軽減します。
データの管理はData Managerによる一括管理が可能です。
-
- Webブラウザを介してすべてのアクセス可能なPCから条件作成、試験の実施、データの検索、閲覧が可能
- ユーザーのアカウント設定や権限設定が可能
-
- 二次電池解析でよく使用される表示形式に対応
- レシピ機能(レポート):複数データフォーマット一括出力
- ソフトウェアを搭載していないPCからもWebブラウザを通じてデータ閲覧が可能
-
データ転送(BT-Export)
- 制御ソフトウェアに干渉せず、データ転送専用のソフトウェア
- CSV形式で出力
-
データ管理(Data Manager)
- 付与されたタグやキーワードによりデータ検索が容易
- 不要なデータの整理や削除が可能
制御ソフトウェア(BT-Test)の特長
シンプルな初期設定、変数(Variables)で条件で追加し複雑な試験も可能
- あらかじめ設定されたシンプルな試験項目で使いやすいGUI
- Webブラウザを介してすべてのアクセス可能なPCから条件作成、試験の実施、データの検索、閲覧が可能
- ユーザーのアカウント設定や権限設定が可能
- 日本語化対応予定
Variables 例1:内部抵抗によるサイクルリミット
CC-CV充電→CC放電→DCIR の繰り返し試験においてDCIRの値をサイクルの終了条件に設定できる
Variables 例2:レート特性試験
Cレート測定条件においてあらかじめ変数(条件)を設定することで、各試験ごとにすべての必要項目を設定する必要がなく、効率的に試験をおこなうことが可能。
Variables 例3:SOC調整+EIS
充電試験条件においてあらかじめ変数(条件)を設定することで、要望に応じた試験の実施が可能。
解析ソフトウェア(BT-Analysis)の特長
二次電池解析に特化した解析ソフトウェア:BT-Analysisを搭載したPCで、サーバー(BT-CORE)に保存されているデータにアクセス、解析やレポートの出力が可能
解析ソフトウェア画面:測定中データでもdQ/dV表示
複数の測定データの最小・最大・平均点を表示)
Recipe機能(レポート機能):エキスポートデータの選択、保存先の指定、レポート形式をPNG,JPEG、CSVから選択して保存可能(本設定は保存可能)。
ソフトウェアを搭載していないPCからもWebブラウザを通じてデータ閲覧が可能
仕様
モジュール仕様
BCS-905 | BCS-910 | BCS-915(*) | |
---|---|---|---|
チャンネル数 | 8 | 8 | 8 |
最速サンプリング間隔 | 1msec | 1msec | 1msec |
セル接続 | 4 端子 (+ グラウンド) | 4 端子 (+ グラウンド) | 4 端子 |
電圧 | |||
電圧レンジ | 0 ~10V | 0 ~10V | 0 ~9V |
電圧制御分解能 電圧測定分解能 |
150μV 40μV( 18bit) |
150μV 40μV( 18bit) |
150μV 40μV( 18bit) |
電圧制御/ 測定確度 | 値の0.01%±300 μV | 値の0.01%±300 μV | 値の0.01%±300 μV |
スルーレート | 150kV/sec | 150kV/sec | 3kV/sec |
電流 | |||
出力電流 | ±150mA | ±1.5A | ±15A |
電流レンジ | 10μA~100mA( 5レンジ) | 100μA~1A( 5レンジ) | 1mA~10A( 5レンジ) |
電流制御分解能 電流測定分解能 |
800nA 0.2nA(18bit) |
8μA 2nA(18bit) |
80μA 20nA( 18bit) |
電流制御/ 測定確度 |
値の0.05% ±フルスケールレンジの0.015% (10μA~100mAレンジ) 値の0.1% ±フルスケールレンジの0.015% (1Aレンジ) 値の0.3% ±フルスケールレンジの0.04% (10Aレンジ) |
||
並列接続 | なし | なし | あり (8 チャンネル並列接続で±120A) |
インピーダンス(オプション) | |||
周波数範囲 | 10mHz ~10kHz | ||
インピーダンス測定方式 | マルチプレクサ | ||
一般 | |||
高さ | 1U | 2U | 4U |
(*)電波法について
10kHz/50Wを超えて製品を利用する場合は、高周波利用設備として総務大臣の許可が必要です。
許可申請は、製品の設置場所を管轄する総合通信局におこなってください。
関連法令
- 電波法第100条 (高周波利用設備)
- 電波法施行規則第45条 (通信設備以外の許可を要する設備)
- 無線局免許手続規則第26条 (高周波利用設備の設置許可の申請)
- 無線設備規則第65条 (通信設備以外の設備の電界強度の許容値)
試験並列接続による大電流試験
1システムで大型電池試作や高Cレート試験にも対応可能
BCS-915は測定チャンネルを並列接続することで最大±120Aの試験まで実施可能
使用例①
15A試験×8ch
使用例②
15A試験×2ch
30A試験×1ch
60A試験×1ch
使用例③
120A試験×1ch
オプション サンプルホルダ(ラミネートセル・円筒セル・コインセルに対応したホルダの提案)
サンプルの形状・大きさ・必要な電流値・上限温度・温度センサーの有無などご指定いただければ最適なサンプルホルダをご提案可能です。 サンプルホルダを使用することで電池へのコンタクトの仕方が一定となり接触抵抗の再現性が向上し比較が簡便になります。
ラミネートセルホルダ
耐熱:100℃、サンプルサイズ:120mm角、最大電流:15A
円筒セルホルダ
耐熱:80℃、サンプルサイズ:18650型 / 21700型 / 20700型、最大電流:15A
コインセルホルダ
耐熱:100℃、サンプルサイズ:2032Cまたは2016C、最大電流:1.5A
オプション:フレーム式サンプルホルダ
サンプルホルダだけでなく、サンプルホルダを恒温槽内で収納するフレームもご提案可能です。フレームには測定ケーブルが配線されており、フレームにサンプルホルダをセットするだけで充放電システムとサンプルが導通します。サンプルホルダとフレームを使用することで恒温槽内に効率的にサンプルを格納できるだけでなく、恒温槽内での配線作業が不要となり、作業による他チャンネルのケーブルが取れてしまうなどの干渉リスクを解消します。
サンプルホルダを含めた構成例1:省スペース コインセル評価
システム構成
- BCS-905x3台
- SU-242x1台
- 耐熱測定ケーブル
- コインセルサンプルホルダx3台
システム仕様
- チャンネル数:24ch
- 最大電流:150mA
- 温度範囲:-40℃~100℃
- サンプル:2032C型コインセル
サンプルホルダを含めた構成例2:ラミネートセル
システム構成
- BCS-915x6台
- LU-242x1台
- 耐熱測定ケーブル
- ラミネートセルサンプルホルダx48ch
- ホルダ式フレームx1式
システム仕様
- チャンネル数:48ch
- 最大電流:150A
- 温度範囲:-20℃~80℃
- サンプル:ラミネートセル
- サンプルホルダに温度センサー込