INITIAL ENERGY SCIENCE&TECHNOLOGY Co. Ltd.(IEST/ 中国)
Operandoセル膨張解析システム SWEシリーズ
SWEシリーズでは、充放電中の二次電池のセル膨張収縮を最大5000kgの一定加圧、
または一定厚みに制御することでOperando測定することが可能です。
サーボモーターを採用した高精度制御システムに複数の高精度センサーを搭載して、
電池の充放電サイクルにおける膨張厚さと膨張力を正確に測定します。
電池材料の開発と電池の膨張メカニズムの研究に活用できるシステムです。
二次電池製造工程カタログ / Operandoセル膨張解析システム紹介資料
リンク(別ウィンドウ・外部リンク)
株式会社東陽テクニカ 脱炭素・エネルギー計測部
phone03-3245-1103
Mail:keisoku[at]toyo.co.jp
特長
- 一定加圧モードまたは一定厚みモードでセルの膨張・圧力挙動を評価
- 最大5,000kgの加圧が可能
- 大型の角型セルやラミネートセルに対応
(標準400×300×100mm(W×D×H)以下、それ以上は応相談) - 恒温槽オプションあり
仕様
SWEシリーズラインナップ
型番 | SWE2100 | SWE2110 | SWE2500 | SWE2510 |
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測定仕様 | ||||
測定モード | セル膨張力、セルの初期厚み、セル温度、セル膨張厚み、セル応力ひずみ曲線 | |||
温度制御 | -20~80℃ | ー | -20~80℃ | ー |
加圧範囲 | 20kg~1,000kg (1.82MPa@60mm×90mm, 0.25MPa@180mm×220mm) |
50kg~5,000kg (9.10MPa@60mm×90mm, 1.25MPa@180mm×220mm) |
||
加圧測定確度 | ±0.3% | |||
厚み測定範囲/変位測定範囲 | 80mm/±5mm | 100mm/±5mm | ||
厚み測定確度/変位測定確度 | ±10μm/±1μm | ±10μm/±2μm | ||
セルサイズ | ~220mm×180mm ×80mm |
~220mm×180mm ×50mm |
~400mm×300mm×80mm | |
ユーティリティ | ||||
入力電圧 | 単相200V/3500W | 単相100V/500W | 単相200V/6100W | 単相200V/2100W |
外形寸法/重量 | 690×1180×1670mm / 350kg |
385×430×960mm / 150kg |
1080×1620×1800mm / 550kg |
675×722×1220mm / 300kg |
システム構成
充放電データおよび荷重・厚みデータ統合
専用の東陽テクニカ社製IB-Linkソフトウェアにより、Bio-Logic社製のポテンショガルバノスタットと連動し、
充放電データと荷重・厚みを統合してデータ出力が可能です。
■装置構成例
技術資料
【技術資料】圧力条件でのリチウムイオン電池へのEISテストの適用-モジュール化時のセルSOCの検討-
近年、リチウムイオン電池は高い電力容量と安全性により、民生用電子機器、電気自動車系統用蓄電池などの分野で広く使用されています。
電池の高容量化に対する需要が高まるにつれて、とりわけ車載電池においては、必要な容量を満たすためにより多くのセルを1つのモジュールに組み込み使用しています。セルをモジュール化する際には、モジュール外装の強度や変形を考慮するだけでなく、外装の拘束圧力が電池の性能や安全性に及ぼす影響も考慮する必要があり、異なる荷重下でのリチウムイオン電池の性能を研究することは非常に重要です。電気化学インピーダンス分光法(EIS法)は、非破壊で電荷の電極内拡散、界面移動、溶液内拡散など、リチウムイオン電池の内部挙動や状態を解析することができます。 今回、Operandoセル膨張測定システムと電気化学測定装置を組み合わせて、いくつかのSOCにおいてインピーダンス値の圧力依存性を調べました。 これは電池の使用時と
パッケージング時において明確な指標となる重要なデータとなります。
事例紹介
二次電池セルの膨張の原理と問題点
リチウムイオン電池 (LIB) は、その充放電サイクルにおいてリチウムイオンが電極への挿入(Intercalation)や脱離をおこなうためにLIB自身が膨張や
収縮をします。その挿入脱離の過程は可逆的であるのが理想ですが、現実の充放電サイクルにおいては一部のリチウムイオンが負極から脱離できずに
電極表面に不溶性のデンドライトとして析出する等で、LIB自体が不可逆的な膨張を示すことがあります。さらにはLIB自身の変形や電極材粒子の割れや
電解質膜(SEI)の破壊、電解質の減少といった、より深刻な結果を招く可能性もあります。
このようなことからLIBの膨張収縮は、電池としての信頼性を評価するうえでとても重要な指標と考えられます。
割れ、剥がれ、デンドライト析出など、セルの膨張・収縮は二次電池の劣化に大きく起因します。
対策例
- 膨張・収縮がしにくい電極材料を開発
- 膨張・収縮を抑えるバインダーを開発
- 圧力をかけて不可逆な膨張を軽減
本システムは充放電中のセルの膨張・収縮をOperandoで測定し、これら対策による効果を評価することができます。
角型セルの拘束圧力の最適化
二次電池はセルにかかる圧力によっても性能が変化します。電気化学測定に追加して荷重特性を見ることで、二次電池を
パッケージングする際の拘束圧力を最適化することができ、電池性能の向上につながります。
測定条件
- 使用装置:SWEシリーズ
- 使用セル:角型のリチウムイオン二次電池(LFP/グラファイト(アルミケース))
- 測定条件:初期荷重15kg、30kg、60kgで充放電
この結果から30kgの初期荷重が最適と判断できます。