FAQ
PCB社技術情報
音響技術
ID.セクション I:定義と専門用語
Q. 2 TEDSとは何ですか。
A.
TEDS(Transducer Electronic Data Sheet)とは、センサ内でトレーサビリティデータを記録してあるチップのことです。マイクロホン用TEDSチップは、プリアンプに内蔵されており、0.9形式または1.0形式でプログラムできます。マイクロホンを多数使用する際に、センサの位置を特定するのにTEDSは特に便利です。PCBの130xXX型センサや上位機種の378xXX型システムは、1.0でプログラミングされています。
TEDSチップは、センサに関するデータを記録する小さな部品です。PC用のUSBメモリを小さくして、フォーマット済のテンプレートを追加したようなものです。TEDSチップには、型番、S/N、校正日、分極タイプ等のセンサに関する情報を記録してあります。 規格はIEEEが定めていて、IEEE (P)1451.4やIEEE 1451.4が一般的です。これら規格バージョンの中に、センサ毎に異なったIDテンプレート番号があります。TEDSはリーダーで読み取ることができます。または、TEDS書込ソフトを使って読み取ったりプログラムしたりすることができます。
IEEE (P)1451.4にある接頭辞「P」はpreliminary(暫定的)の略であり、PCBのマイクロホンとプリアンプの組み合わせにおいてはバージョン0.9です。PCBのマイクロホンで最も多いIDテンプレートはテンプレート12であり、マイクロホンとプリアンプです。テンプレート16はプリアンプだけのテンプレートであり、プリアンプが別で注文されるとプログラムされて出荷されます。マイクロホンとプリアンプを共にアセンブリとして注文された場合には、プリアンプだけのテンプレート(16)は削除され、他のマイクロホンとプリアンプのテンプレートが優先され、TEDSリーダーを立ち上げると表示されます。バージョン0.9の例を以下に示します。
The Modal Shops 400B76型リード/ライトソフトを使った際のスクリーンショットの例を下記に示します。TEDS IEEE P1451.4の暫定フォーマットで列の制限がありました。そのため、型番は最初の3文字だけであり、バージョンはrev(リビジョン)を表わす文字であり、最後の2ケタはバージョン番号です。テンプレートでは、型番の前にある0を省略しています(下記参照)。下記の型番は、378B02です。型番に加えて、S/N、校正日、感度、そしてプリポラライズド型(1)か外部分極型(0)かが示されます。お客様のメモはASCIIの欄に記入できます。
バージョン1.0 (IEEE 14.51.4)では、PCBではマイクロホンにテンプレート27と28を使用します。
バージョン1.0では、テンプレートが拡大され、音場タイプやマイクロホンサイズなどの追加情報を含んでいます。
0.9でフォーマットされた製品を購入しても、PCBにてTEDSフォーマット1.0にプログラミングし直すことが可能です。ただし、一旦1.0にしてしまうと、0.9のフォーマットに戻すことはできません。そのため、PCBでは慎重を期して、上位機種の378システムも、バージョン0.9でプログラミングしています。どちらか不明の場合は、購入記録を見て、378xXX (0.9)またはTLD378xXX (1.0)のどちらにプログラミングされているかを調べてください。
加速度計には別のテンプレートがあり、いくつかのテンプレートは、型番にTLA、TLB、TLC(プログラミングするテンプレートを示します)を含むLMSソフトと共に使用するためのものです。
お客様側でTEDS読み出しについて問題が生じたら、TEDSリーダーがあるかどうかまず確かめて、メーカー、型番、そしてバージョン0.9または1.0のどちらに対応しているかを調べてください。