Xe プラズマ FIB-SEMシステム 【AMBER X 2】
特長
- 最大1mm幅のFIB断面加工を高速で実現した最新型FIB-SEM
- Gaフリーでの微小試料作成
- カーテニング等のアーティファクトを抑制するRocking Stageなど、TESCAN社独自技術を複数搭載
- 超高分解能、フィールドフリーSEMイメージング
- インカラム検出器による二次電子 / 反射電子検出
- TESCAN社の特許技術Static 3D-EBSDによる3次元の組織解析
- FIBを一次イオン源としたToF-SIMSを搭載可能
- 共焦点ラマン顕微鏡との融合が可能
XeプラズマFIBにより、1mm幅で作成されたリチウムイオン電池電極の研磨断面のSEM像
加工に用いたイオンビーム電流は1μAで、作成時間は3.5時間
300μm径の銅線断面のEBSD像
高合金鋼中の析出物の3D-EDS像
多くの形態観察、化学、物性分析が、AMBER X 1台で実行可能です。
テクノロジー
新型iFIB+™の特長
XeプラズマFIBを用いたTEM試料作製
ピエゾ駆動アパーチャ制御によるセミオートビーム調整
あらゆる方向にチルト可能な高精度ロッキングステージ
直感的ユーザーインターフェース/大型サンプルチャンバー
仕様
電子光学系
電子銃 | 高輝度ショットキーエミッタ |
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SEMカラム | 静電場・磁場複合レンズ搭載BrightBeamTMカラム |
分解能 | 標準モード 0.9nm at 15kV 1.5nm at 1kV ビーム減速モード 1.3nm at 1kV STEM 0.8nm at 30kV |
最大観察視野 | 50mm at max WD |
加速電圧 | 50V ~ 30kV |
最大プローブ電流 | 400nA |
低真空モード (オプション) | 真空度 ~500Pa |
イオン光学系
FIBカラム | i-FIB + |
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イオン銃 | Xe プラズマ FIB (ECRタイプ) |
分解能 | < 12nm at 30kV |
加速電圧 | 3kV ~ 30kV |
プローブ電流 | 1pA ~ 3μA |
SEM-FIB コインシデンス | WDSEM = 6mm |
Xe FIBのメリット
加工面積 (時間)
XeプラズマFIBは、Ga FIBに比較して50倍以上のミリングレートを実現します。
従来数10μmと限定されていた加工範囲が100μmを上回り、最大1mmの加工が実現しました。
またTESCAN社の独自技術であるフィールドフリーUHR SEMカラムの搭載により、大容量3次元トモグラフィー像が高い空間分解能で取得可能です。
樹脂包理された酵母菌に対し、Ga FIBとXe FIBでそれぞれ15分加工したデータ
- 右上 Ga FIBにより加工された断面像
- 右下 Xe FIBにより加工された断面像
樹脂包理された酵母菌の3次元再構築像
- 左 Ga FIB 10 x 10 x 10μm Voxelサイズ15nm
- 右 Xe FIB 140 x 100 x 65μm Voxelサイズ100nm
微小試料作成および化学分析時におけるコンタミネーション
Xeイオンは化学的・電気的に不活性であるため、イオン入射による金属化合物の形成/偏析や汚染が起こりません。
従って材料が持つ物理特性の変化や、SEM-EDSやFIB-SIMSにおける化学分析時のスペクトル干渉についての考慮が不要となります。
超微細粒アルミニウムから微小化されたマイクロピラー
Ga FIBで加工されたピラーは粒界に沿ってGaイオンの付着が見られるのに対し、Xe FIBで加工されたピラーにはすべり線が確認できるほど汚染がありません。
3Dイメージング
大容量3Dイメージング
アーティファクト抑制技術
高いFIBのミリングレートは、断面加工に置いてアーティファクトの誘因となることがあります。
カーテニングとして知られるアーティファクトは、断面を出そうとしている表面の凹凸、ミリングのばらつきをもたらす化学組成の不均質、または試料中の結晶配向の相違によって発生します。
TESCAN社はプラズマFIBの特長である高いミリングレートの特性を損なうことなく、高品質の断面加工が達成できるようにするための独自技術をいくつか提供しています。その中で最も効果的な手法は、新たに開発された加工面の二次傾斜を利用する独自のRocking Stageを用いて、カーテニングを大幅に低減させることです。
加工中の断面のリアルタイムモニタリングとRocking Stage技術を併用することにより、非常にきれいな断面を保つことができます。
カーテニング抑制のためのRocking Stageを用いて研磨されたリチウムイオン電池材料の断面
TOF-SIMSオプション
TOF-SIMS検出器オプションを用いたLiバッテリの分析例
電池材料評価
TESCAN社のユニークなFIB-SEM技術が、リチウムイオン電池などの電池材料評価において、新しい可能性を提案します。
主な特長
- トモグラフィー機能による3次元構造の可視化
- クライオトランスファー機構により、電子線に弱い試料の加工・観察が可能
- 大気非暴露での試料取り扱いが可能
- EDS分析による主成分元素の分布情報の取得
- ToF-SIMSオプションにより、Liなどの軽元素や微量元素の分析
- 共焦点ラマン顕微鏡のインテグレーションにより、化学構造/状態の同時マッピング
FIBにより作成された断面
リチウムイオン電池電極のFIBによる加工断面
- 左 XeプラズマFIB 加工幅1mm 加工時間3.5時間
- 右 Ga FIB 加工幅50μm
FIB-SEMによる3次元トモグラフィー
XeプラズマFIBを用いたリチウムイオン電池電極の3次元トモグラフィー画像。(200 x 100 x 80μm)
- 左 連続像取得中の断面SEM像
- 右 3次元再構築像
EDSとToF-SIMSによる分析
リチウムイオン電池の正極材の評価
- 左上 完全放電状態におけるFIB二次電子像と、SIMSによるLi分布像
- 左下 満充電状態におけるFIB二次電子像と、SIMSによるLi分布像
- 右上 質量スペクトル
- 右下 EDS元素マッピング・X線スペクトルでは、Liは確認できない