EV充電アナライザ / シミュレータ
comemsoのEV充電アナライザ/シミュレータは、電気自動車の充電器機構やEV充電器の開発、設置、メンテナンスに利用できるアナライザ/シミュレータです。EV充電における様々な問題の解析、テストが可能です。AC普通充電とCOMBOⅠ/COMBOⅡの急速充電に対応しており、以下の3つのモードで使用できます。
- EV充電器(EVSE)とEVの間に入ってモニタ・解析(Man in the Middle)
- EV充電器(EVSE)のテスト用として(EVシミュレーション)
- EVの充電機構のテスト用として(EVSEシミュレーション)
株式会社東陽テクニカ 理化学計測部
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特長
- IEC61851-1充電モード1,2,3およびSAE J1772、GB/T 18487.1-2015(ACのみ)のAC充電に対応
- IEC 61851-1充電モード4およびDIN 70121、ISO 15118、SAE J1772、およびIEC61851-23 Annex CC(オプション)のDC充電に対応。
- AC/DCの電流、電圧測定とPLC制御通信を同じタイムスタンプで解析
- 電圧、電流、周波数、5kHzまでの高調波干渉のキャプチャおよび解析
- 長時間にわたり、全充電プロセスを解析
- 世界中の様々な充電システムに対応するためのコネクタ/アダプタを用意
- Vector CANoe用のパネルで、使いやすいGUI
- スーツケースタイプとラックマウントタイプ
スーツケースタイプは屋外利用ができる堅牢な筐体-IP66準拠
仕様
※本項記載の仕様は、ACスーツケースタイプの仕様です。
AC 入力電圧 | 110-230VAC,内蔵24VDCバッテリー |
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重量 | 15kg |
サイズ(L×W×D) | 520mm × 390mm × 230mm |
動作温度 | -20~60℃(ディスプレイバッテリーなしで) |
USBインターフェース | USB2.0 ファイルシステムFAT16 |
CANインターフェース | CAN Gateway for Remote Mode, 1MBit/s |
テスト標準 | E DIN EN 61851-1, SAEJ1772, GB/T 18487.1-2015(AC only) |
サポートするEV充電 | コンダクティブ充電 |
EV充電電圧 | AC120V/230V/240V 単相から三相まで切り替え可能 |
EV充電電流 | 本体は最大50Aまで対応。 ただし、AC標準ケーブルは32Aまで。 Type1の場合、40Aまではカスタマイズ可能。 |
EV充電周波数 | 50Hz / 60Hz |
シミュレーションのレンジ、精度など
コントロールパイロット信号上のEVSEシミュレーション | |
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CPの周波数 | 100kHz ~ 8kHz |
パルス、ポーズ値 | 5 ~ 60000µs |
タイミング分解能 | 500ns(PWMのパルスとポーズ) |
タイミング精度 | 1µs(PWMのパルスとポーズ) |
パイロット電圧 | |
レンジ | ±13.8V |
精度 | ±100mV |
分解能 | 7.463mV |
プロトコル分解能(CAN) | 7.463mV |
立ち上がり(Cなし) | 1.2 ~ 1.6µs(HWトレランス) |
立り下がり(Cなし) | 1.2 ~ 1.6µs(HWトレランス) |
立ち上がり(C:3.5nF) | 7.0 ~ 9.5µs |
立ち下がり(C:3.5nF) | 8.0 ~ 10.0µs |
CANインターフェースを用いた測定記録
CANインターフェースを用いた測定記録 | |
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状態メッセージおよびエラーメッセージの記録 | 50Hz:最大250メッセージ/s 60Hz:最大300メッセージ/s (L1..L3 サインサイクルメッセージに対し) |
測定レンジ、精度など
コントロールパイロット信号 | |
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測定サイクルとCAN送信 | PWM信号のサイクルごと(700μs … 2ms) |
測定タイミングの分解能 | 100ns(PWM信号のパルス間) |
パイロット電圧 l レンジ l 精度 l 分解能 l プロトコル分解能:CAN |
+/- 13.8V +/- 100mV 7.463mV 7.463mV |
負荷回路 | ||
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ライン電圧 | AC | DC |
レンジ | 0 ~ 400V | 5 ~ 1000V |
精度 | ±1V RMS値 ラインごとに100測定ポイント |
±100mV ±0.5%、 100µsごとに測定、100測定ポイントの平均 →10msごとのCANメッセージ |
正弦波周期の偏差 | ±128µsレンジ 1µs分解能 |
|
ハードウェア分解能 | 14.65mV | 15.25mV |
CANプロトコル分解能 | 1V | |
ライン電流 | AC | DC |
レンジ | 0 ~ 50Arms | 0.3 ~ 200A |
精度 | ±100mA RMS値 ラインごとに100測定ポイント |
±100mA ±%、 100µsごとに測定、100測定ポイントの平均 →10mSごとのCANメッセージ |
ハードウェア分解能 | 1.795mA | 3.05mA |
CANプロトコル分解能 | 100mA | |
リーク電流測定 | AC | DC |
レンジ | ±300mA | DC電力に依存 |
精度 | ±1mA DC | |
ハードウェア分解能 | 9.466µA | |
CANプロトコル分解能 | 100µA |
機能
EV充電器(EVSE)とEVの間に入ってモニタ・解析 (Man in the Middle)
このモードは充電器とEVの間に入って解析するため、EV充電機構やEV充電器の開発者のみならず、充電器設置時や出荷時の品質確認、メンテナンス時のトラブルシューティングツールとしてなど、幅広い用途でお使いいただけます。
AC充電回路の解析例
COMBOⅡ充電の解析画面例
EVの充電機構のテスト用として(EVSEシミュレーション)
このモードはEV充電器(EVSE)のシミュレーションを行い、EVの充電機構の試験を実施するモードです。主にEVの充電システムの開発者様向けのモードです。
EV充電器(EVSE)のテスト用として(EVシミュレーション)
このモードはEVのシミュレーションを行い、EV充電器(EVSE)の試験を実施するモードです。主にEVSE開発者様向けですが、各国での充電器のフィールド調査や、品質確認、トラブルシューティングなどにもご利用いただけます。
負荷アダプタを用いて負荷を接続
オプションの負荷アダプタを用いて電子負荷装置などを接続することで、様々な負荷状態をシミュレーションすることができます。実際のEVを準備することなく、充電ステーションに対して試験を行うことができます。
その他
- EVテスト用追加機能のPP抵抗変更(プラグサイクルエミュレーション)は、オプションでEVSEテストにも使用することができます。
- 様々なタイプのソケットに対応し、世界中のEVSEのテストに使用できます。
オプション
Extended EV/EVSEシミュレーションオプション
【機能】DC充電におけるPLC通信の各メッセージに遅延、ロスを挿入するオプションです。
Professional EV/EVSEシミュレーションオプション
【機能】DC充電におけるPLC通信の各メッセージの内容を書き換えるオプションです。
プラグサイクルエミュレーションオプション
【機能】PP抵抗(プロキシミティパイロット抵抗)の値を1Ω分解能で変更が可能です。実際のプラグの抜き差しを行うことなく、プラグ抜き差しを繰り返すエミュレーションや、それによるPP抵抗の変化を疑似した試験が可能です。また、EV test機能やACテストライブラリ機能などの自動試験の中に組み込むことも可能です。
ACテストライブラリオプション
【機能】- 以下の普通充電規格から選択し、EVSEの自動試験が可能。
IEC 61851-1 Apr. 13
SAE J1772 Oct. 12
GB/T 18487.1-2015 Annex A (AC) - テストシナリオを選択して実行するだけなので、簡単に試験が可能。
もちろん試験内容の編集も可能。 - CP-PEのショートカット、ダイオードショーカットなど様々な障害挿入が可能。
- テストレポートはCSV、HTML、PDFで出力可能。
- 専用の電子負荷装置と組み合わせ、抵抗シミュレーション
- PPエミュレータと組み合わせ、プロキシミティ(PP)値のシミュレーション
ラインアップ
本体ラインアップ
AC+DC | スーツケース |
DCオプション Type1 |
DCオプション Type2 |
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ラックマウント (AC+Type1+Type2) |
ラックマウント (AC+Type1 or Type2) |
||
DCのみ | スーツケース (Type1のみ or Type2のみ) |
ラックマウント (Type1のみ、Type2のみも選択可) |
ACケーブルラインアップ
EV側 | Type1 PP抵抗なしも選択可 |
Type2(3相 or 単相) PP抵抗なしも選択可 |
TypeGB PP抵抗なしも選択可 |
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EVSE側 | Type1 PP抵抗なしも選択可 |
Type2(3相 or 単相) PP抵抗なしも選択可 |
TypeGB PP抵抗なしも選択可 |
その他の付属品
プラグサイクルエミュレータ |
AC接続プラグ AC充電器模擬時に使用 |
AC負荷接続アダプタ ACのEV模擬時に使用 |
システム構築
お客様のご用途、試験要件に合わせてシステム構築が可能です。
概ね以下の要領で構築していきます。
①ハードウェアラインナップを選定
- スーツケース or ラックマウント
スーツケース:屋外利用向きで、~15kW程度まで。フィールドサポートなどのご用途に。
ラックマウント:研究開発などのラボユース向け。大容量にも対応可能。 - AC充電、COMBOⅠ、COMBOⅡで必要な充電方式はどれか。
②各種オプション
- AC充電の場合、必要なケーブルを選択
- Extendedシミュレーション、プロフェッショナルシミュレーション、プラグサイクルエミュレーション、テストライブラリなどの機能オプションを必要に応じて選択いただきます。
③必要な電力
試験に必要な電力(kW)により、必要電源・電子負荷と組み合わせてご提案いたします。
- 充電器シミュレーション:直流電源(V2Gが必要な場合は双方向直流電源)にてご提案
- EVシミュレーション:直流電源+直流電子負荷(または双方向直流電源)にてご提案
システム構築例
COMBOⅡの小容量EV&充電器シミュレータの構築例
大容量充電器シミュレータの構築例(~350kWまで対応可能)