マルチビーム測量無人ボート「EchoBoat-ASV-G2™」
マルチビーム測量無人ボート「EchoBoat-ASV-G2™(EchoBoat)」は、全長約1.7mの小型ボディでありながら、高精度GNSSジャイロ(POS-MV Surfmaster One)、フルスワス・マルチビーム測深機(Pico-MBES120)を搭載し、2基のスラスタを用いて自在に前後進・旋回が可能な自律航行型ボートです。
主計測機器であるマルチビーム測深機は、取り付け位置が固定されており事前のセンサーオフセット計測やパッチテストなどの面倒な手間が要りません。現場に持っていけばすぐに計測が可能になります。
航行中のマルチビーム計測の準備・オペレーション・後処理は、本製品に同梱されている統合型海洋測量・調査ソフトウェア「HYPACK」を使用して簡単に実施でき、これまでのマルチビーム測深の作業効率が大幅に改善されます。
特長
船体
高耐久性ポリエチレン(HDPE)による、軽量ながら高い耐久性を持った船体です。
独自のオートパイロットコントローラ「AutoNav™」を搭載し、ミッションプランニングや自律操船制御が簡単に実現できます。
マルチビーム測深機:Pico-MBES120
小型ながらスワス幅120°、実行測深深度約90m※のマルチビーム測深機です。
※:最大測深深度は音波の伝播環境に依存します。
慣性GNSSジャイロ:POS-MV SurfMaster One
IMUとPCSが一体化することにより、小型ながら高精度のGNSS測位と動揺計測が可能になりました。
後処理ヒーブ「TrueHeave™」やオプションの後処理キネマティック解析ソフトウェア「POSPac」を使用することでさらに高精度の測量結果を得ることができます。
<マルチビーム計測制御・後処理:HYPACK>
仕様または構成
船体
- 素材
- 高密度ポリエチレン(HDPE)
- 寸法
- 全長1.68m、全幅0.81m
- 重量
- 本体重量31.3kg、ペイロード34kg
- スラスタ
- ブラシレスモーター2基
- 速力
- 巡航3kt、最大10kt
- 最大稼働時間
- 8時間
- 遠隔操作範囲
- 最大2km
マルチビーム測深機 「Pico-MBES120」
- 寸法
- 送波器 36mmφ×142mm(D)
受波器 36mmφ×170mm(W)
信号処理部 72mmφ×164mm(H) - 重量
- 送波器 0.84kg
受波器 1.08kg
信号処理部 1.28kg(アルミ製容器) / 2.49kg(ステンレス容器) - 周波数
- 337kHz、360kHz、380kHz、CW/FMモード切替可能
- スワス幅
- 120°
- ビーム数
- 256
- 実用測深範囲
- 約90m @ 337kHz(環境に依存)
- 直下フットプリント
- 1.4°×1.4° @ 380kHz
- 最小レンジ分解能
- 37mm(周波数・パルスモードに依存せず)
慣性GNSSジャイロ 「POS-MV SurfMaster One」
- 寸法
- IMU 145mm(D)×160mm(W)×66mm(H)
GNSSアンテナ 178mmφ×73mm(H) - 重量
- IMU 13kg
GNSSアンテナ 0.45kg - 動揺計測精度
- ロール/ピッチ DGPS時0.04°、PosPac使用時0.025°
- 方位計測精度
- 0.085°(1.5mベースライン)
- ヒーブ計測精度
- リアルタイムヒーブ 5cm又はダイナミックレンジの5%
後処理ヒーブ(TrueHeave™) 2cm又はダイナミックレンジの2% - GNSS測位精度
- DGPS時 0.5~2m
POSPac使用時 8mm+1ppm×ベースライン長
オプション
Applanix社製 後処理キネマティックソフトウェア「POSPac MMS」
本製品に搭載の慣性GNSSジャイロ「POS-MV」のデータを用いて、最尤推定による高精度の後処理測位・動揺データ解析処理結果を得ることができます。
R2Sonic社製 キュービックマルチビーム測深機「Sonic 2020」
本製品に搭載のマルチビーム測深機Pico-MBES120と同等サイズで、より高性能のマルチビーム測深(700kHz、測深点数1024点、レンジ分解能1.25cm)が可能になります。
AML Oceanographci社製 音速度プロファイラ「Base X2」
従来のものよりはるかに小さい音速度プロファイラです。メモリ・バッテリ内蔵型で直接本機を海中に投入・引き上げるだけで音速度プロファイルデータを計測し、計測後はWiFi接続によりケーブルを使用せずともデータが取り出せます。
センサー取付部においてほかのセンサーと換装することにより、音速度プロファイル以外の別の計測用途に使うこともできます。
インターフェロメトリ測深機「Bathyswath2」
低価格でありながら高密度の測深データとサイドスキャン海底画像データを水深の15~20倍※の広範囲にわたって計測する、PCベースの最新世代インターフェロメトリ音響測深システムです。マルチビームに比べて導入コストが低減できるのみでなく、システムの設置、使用に要する時間が短縮できます。
浅海向け高周波サイドスキャンソーナー「StarFish」
StarFishサイドスキャンソナーシステムは、最新の水中音響技術と信号処理技術を用いて高精度の海中イメージをお求めやすい価格とコンパクトで堅牢なパッケージで提供します。
450kHz~1MHzの高周波の超音波を用いて高い分解能のアジマスビームによって高精細な画像を生成することが可能です。
Velodyne LiDAR「VLP-16」シリーズ
統合マルチビーム測量ソフトウェア「HYPACK」はVelodyne社の小型LiDARである「VLP-16」シリーズの収録、データ処理が可能です。VLP-16シリーズは標準のVLP-16「PUCK」で1kgを下回る軽量さで、小型プラットフォームに搭載するLiDARアプリケーションに適しています。VLP-16シリーズは距離と較正された反射率測定を含むリアルタイムの3D LiDARデータを収録するための特許取得済みの全方位サラウンドビューを保持しているため、複雑な設定が必要ありません。