東陽テクニカ(半導体物性評価)

ResiTest8404-EMPAC型 比抵抗/ホール測定システム

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ResiTest8404-EMPACは、半導体の移動度、キャリア濃度、比 抵抗を測定する能力を極限にまで高めた装置です。
特に印加磁場を交流にするAC ホール測定は先進的なパワー デバイス材料、オーミックコンタクトの取りにくいワイドバンドギャップ材料に威力を発揮します。
また印加電流を交流にする事により熱揺らぎによるノイズを発生しやすい熱電材料や低抵抗材料の測定を可能にします。
サンプル形状はVan der Pauw 形状とホール バー形状の両方に対応しています。 また室温測定のみでなく低温測定、高温測定も行うことができます。
ResiTest8404-EMPACは、材料測定のニーズの進化に合わせて新しい機能を追加できる堅牢なプラットフォームを提供します。
(株)東陽テクニカ 脱炭素・エネルギー計測部
phone03-3245-1103

特長

多くの半導体および電子材料は、パワーデバイス、太陽電池 および熱電材料、新しいディスプレイ技術、有機材料などの用途向けに開発されています。そしてこれらの材料の電子特性の測定はますます困難になっています。これらの材料は 通常 移動度が 1 cm2/Vs 未満になり、従来の DC (一定)磁場での電子輸送特性測定システムでは、電荷キャリア移動度が低くいため、測定できない事が多々あるためです。
これらのニーズに応えるため、東陽テクニカはACホール測定法を開発し、高抵抗・低移動度の電子輸送特性測定を可能にしました。
米国LakeShore社は、このACホール測定法を採用し、更なる高感度測定を可能にするために、ホール効果測定専用のプリアンプ付きスキャナを開発しました。またロックインアンプ搭載のソースメジャーユニットと組み合わせる事で、今まで測定が困難であった新規半導体材料の電子輸送特性測定を可能にしました。

仕様

測定機能

項目 内容
測定項目 オーミックチェック、キャリア移動度、キャリア濃度、抵抗率(比抵抗)、ホール係数、シート抵抗、シートホール係数、シートキャリア濃度、キャリアタイプ
測定手法 ●オーミック測定:2端子抵抗測定法
●比抵抗測定:van der Pauw法、ホールバー測定
●ホール効果測定:4端子DC磁場法、4端子AC磁場法
測定サンプル数 1個/回
サンプルサイズ 5~10 mm角平板 厚み~1mm以下
測定電極数 ●標準サンプルホルダ:8極
4極は半田用パッド、4極は半田用パッドまたは爪電極(カードに依存)
●高温ホルダ:4極 (爪電極 x 4)
●冷凍機ホルダ:6極

*サンプルの厚み1umでの計算値です

項目 範囲
ホール移動度 1×10-3~1×106cm2/Vs
キャリア濃度 8×1023cm-3以下
比抵抗 1×10-8~1×107Ωcm

電気測定仕様

項目 範囲
DC電圧感度 50nV以下
AC電圧感度 100nV以下
最大印可可能電流 ±100mA
コンプライアンス電圧 最大10V

磁場仕様

項目 DC測定 AC測定
最大磁場 0.7T 0.5Trms
印可可能周波数 中抵抗モード:100 mHz / 高抵抗モード:50mHz

オプション

室温用サンプルホルダ-

高機能インサートと室温ライトタイトボディー

高性能インサートは、サンプルカードへの物理的な取り付けと電気的な接続を提供します。
標準のインサートは、ライトタイトボディおよびオプティカルアクセスボディと互換性があり、室温で動作します。インサートには、ガード付き信号用3軸コネクタが8個付属しています。その他に温度モニターリード、インサート識別、安全インターロックが含まれてコネクタが装備されています。標準のインサートは、さまざまな標準およびオプションのサンプルカードと互換性があります。

ライトタイトなボディは、付属の標準インサートのサポートとして機能し一貫したサンプルアライメントを可能にし、サンプルにライトタイトでドラフトフリーの環境を提供します。25mm(1インチ)のマグネットエアギャップに適合するように設計されています。また、すべての標準およびオプションのサンプルカードと互換性があります。オプションでオプティカルアクセスが利用できます。

室温用サンプルホルダ-アクセサリ

  • EMP-HP-SC-10-P型:PTセンサー付き10mmプローブピンサンプルカード
  • EMP-HP-SC-10-S型:PTセンサー付き10mmソルダーパッドサンプルカード
  • EMP-HP-SC-50-P型:室温用50mmプローブピンサンプルカード

高性能インサートには、サンプルのマウントやサンプル交換を容易にするために、さまざまなサンプルカードが用意されています。 標準のプラグインサンプルカードは、10mm角までのサンプルをマウントすることができます。オプションのカードではオプションで50mm角まで対応可能です。
10mm角サンプルカードは、プローブピンスタイルとハンダパッドスタイルがあり、50mm角サンプルカードは、プローブピンスタイルのみです。
プローブピンスタイルのサンプルカードは、サンプルへの電極ワイヤリングを必要とせず、サンプルをマウントすることができます。
室温の微妙な温度変化も測定結果に影響を与えることがあります。 そのため、サンプルカードには白金RTDが内蔵されており、測定結果から最大限の情報を得ることができるようになっています。 温度モニターやコントロールオプションと組み合わせて使用することで、試料温度のわずかな変動を記録し測定結果を得ることができます。

温度可変サンプルホルダー

室温で測定しているだけでは見えてこない特性、例えばキャリア濃度の変化から活性化エネルギーを推定したり、移動度が急変する結晶構造の転移点の見極めなど、温度を変化させながら測定して始めて得られる情報はたくさんあります。
また試料の種類によって、要求される測定温度の範囲もさまざまです。ResiTest8404-EMPAC型比抵抗/ホール測定システム用に、高温用と低温用の専用試料ホルダーをご用意しています。

高温用サンプルホルダー(EMP-OVEN型)

ResiTest8404-EMPAC型高温用サンプルホルダ―

*At 773 K and ±1% rdg: maximum = 1 MΩ; at 1,273 K and ±1% rdg: maximum = 1 kΩ

試料を最高1,273 K*まで加熱しながら、Hall効果を調べることができます。オーブンインサートは、オーブン本体の上部に設置されます。オーブン本体とオーブンインサートは真空気密の筐体を形成しているため、アルゴンガス雰囲気下での試料加熱が可能です。オーブンインサートには、信頼性の高い温度測定フィードバックループを確保するため、サンプル位置の近くに温度センサーが取り付けられています。
・温度範囲:RT~1273K
・爪電極材質:タングステン 信号ライン:ニクロム

低温用サンプルホルダー(EMP-CCR型)

ResiTest8404-EMPAC型高温用サンプルホルダ―

クローズドサイクル冷凍機(CCR)本体とインサート(EMP-CCR)。 CCR はヘリウム交換ガスを冷却することにより、可変温度の極低温環境を提供します。
液体冷媒は必要ないため継続的な運用コストは最小限で済みます。 効率とスループットを最適化するために、サンプルは大気圧よりわずかに高い圧力のヘリウムガスに囲まれており、真空を破ったりCCRを温めたりすることなくサンプルを交換できます。
・温度範囲:10 K (DC磁場)/15 K (AC磁場) ~400K
サンプル上面に光学アクセスを備えた CCR (EMP-CCR-O型) サンプル上面への光アクセスキットおよび光アクセスマグネットと組み合わせることにより低温下でのさまざまな波長の光を照射させ物性測定を可能にします

MeasureLINK™-MCS software

MeasureLINK

MeasureLINK-MCS ソフトウェアは、フィールド制御、温度制御、測定シーケンス、および統合機能を容易にします。
この柔軟なソフトウェアにより、ユーザーはシステムのリアルタイム性能を監視し、制御セットから測定シーケンスを構築することができます。
メニューのグラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)により、フィールドと温度を特定の設定値に制御したり、これらのパラメーターを指定したステップ値で設定範囲内をループさせることができます。
シーケンスは保存でき、繰り返し測定する際に呼び出すことができます。