高速・高感度 VSM 振動試料型磁力計 8600シリーズ
高速・高感度 1.5x10^-8 emu、FORC解析にも最適
8600シリーズは、最高感度 15nemu(1.5x10^-8 emu)、磁場スイープ速度 10kOe/s の性能を持つ、高感度・高速測定を実現した次世代VSM(Vibrating Sample Magnetometer:振動試料型磁力計)です。磁場は 1mOe分解能でスイープ可能なため 永久磁石から軟磁性材料、岩石(磁性鉱物)まで幅広く対応できます。また、FORC(First Order Reversal Curve)測定にも対応し 高速・高感度測定を必要とする同測定には最適です。サンプル温度は 5.5K~1,273K の広い範囲で測定を行えます。8600シリーズには、8607型(~2.76T)、8607型(~3.22T)、8610型(~3.62T)の 3モデルがあります。
(株)東陽テクニカ 脱炭素・エネルギー計測部
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特長
主な特長
- 高感度: 15n emu(1.5x10^-8 emu) *10s/pt設定時
- 高速磁場スイープ: 1T/sec(10,000 Oe/sec)
- 高速測定: データ取得速度:10ms/pt
- 印加磁場: 8604型:~2.76T(gap1)
8607型:~3.22T(gap1)
8610型:~3.62T(gap1) - 磁場設定分解能: 1m Oe(100nT)
- 温度制御: 低温クライオスタット:5.5K~450K
高温オーブン:室温~1,273K
SSVTチェンバ:100K~950K - 自動回転機構付き
- 磁気抵抗測定(MR)オプション
- バイポーラ電源により、零磁場を通じたスムーズで連続的な変移が可能
- FORC測定に最適
FORC解析に最適 (FORC:First-order Reversal Curve)
FORC解析は、磁性材料中の構成物質間の磁気相互作用や保磁力分布などを解析する手法です。一般的に100ループほどの計測データをからFORCダイヤグラムを作成し解析を行います。 100ループほどの測定には長い時間を要し、かつ FORCダイヤグラム強度は微分処理にて求めるため 低ノイズの測定データが必須です。 8600シリーズは、高速、高感度・低ノイズで測定が行え FORC解析にも最適です。
仕様
8604 | 8607 | |
---|---|---|
最大磁界強度 | 2.76T | 3.26T |
測定レンジ | 25nemu ~ 1,000emu | |
磁場ランプレート | 1T / sec | 0.5T / sec |
磁場分解能 | 100 nT | |
サンプルローテーション | レンジ:連続、設定分解能:0.1° | |
温度オプション | クライオスタット(LHe):4.2Kベース、5.5~450K温調 | |
クライオスタット(LN2):77.6Kベース、85~450K温調 | ||
SSVT:78Kベース、100~950K温調 | ||
オーブン:303~1,273K |
- ヒステリシス曲線
- FORC測定
- 初期磁化曲線
- 減磁曲線
- 残留磁化測定
- 時間軸測定
- マイナーループ測定
- 角度依存性測定
- スクリプト機能によるカスタマイズ測定
- 温度依存性測定、キュリー点測定等(温度オプション使用時)
アプリケーション
磁気記録装置材料
- 磁気ヘッド材料(GMR、CMR)、スピンバルブ材料
- スパッタされたハードディスク薄膜
- 金属蒸着テープ、オーディオテープ、ビデオテープ
- 光磁気材料、磁気光学材料
永久磁石
- 希土類ネオジウム/鉄/ボロン、サマリウムコバルト化合物
- ハードフェライト
- ポリマー複合磁石
研究
- GMR, CMR, TMR 極薄膜磁気構造
- 希土類、遷移金属材料
- 分子磁石
- 高温・有機超伝導体
- スピングラス
- アモルファス・微小結晶体
- 磁性流体・反磁性体・常磁性体・超常磁性体・鉄合金・反強誘電体・フェリ磁性体材料
わずか13nemu RMS、50nemu p-p の低ノイズ
14memuの磁性体を10ms/ptの条件でヒステリシスループ測定した場合、わずか13秒。
14memuの磁性体を46ループしたFORC測定の場合、わずか4分32秒。