P4PORT
解説
Perforceサービス(サーバ、ブローカ、プロキシ)が、通信の接続待ちに使用するポート番号およびバインドするネットワークトランスポートの値です。
Perforceアプリケーションにおいては、通信相手であるPerforceサービスのプロトコル、ホストおよびポート番号の値です。最も一般的に使用されている通信プロトコルはtcp
(TCP/IP経由のプレーンテキスト)またはssl
(TCP/IP経由のSSL)です。
PerforceはIPv4ネットワークとともにIPv6ネットワーク経由の接続もサポートしています。ホスト名の解決の際にIPv4とIPv6のどちらのアドレスを使用する必要があるか(あるいは単に使用したいか)を指定できます。tcp4
およびssl4
のプロトコル設定にはIPv4アドレスのサポートが必要です。同様に、tcp6
とssl6
にはIPv6のサポートが必要です。tcp64
およびssl64
を使用すると、最初にホストの解決をIPv6アドレスで試み、IPv6が使用できない場合にIPv4アドレスを受け入れます。tcp46
およびssl46
を使用すると、その反対の動作を指定できます。すなわち、可能であればデフォルトでIPv4の使用を試み、IPv4が使用できない場合にIPv6を使用します。構成可能変数net.rfc3484
をユーザのワークステーションまたはP4CONFIG
ファイルに設定すると、オペレーティングシステムによって自動的にどちらのトランスポートを使用するかが決定されます。
ネットワークサービスの動作およびパフォーマンスは、単にサービスをホスティングしているマシンのネットワーク能力や、エンドユーザが使用するオペレーティングシステムだけでなく、ユーザ固有のLANおよびWANのインフラストラクチャ(および、エンドユーザとPerforceバージョン化サービスの間にあるすべてのルータでのIPv6サポート状況)によって異なります。
シナリオの1つとして、自宅から作業するユーザを例にとります。ユーザがIPv6ベースのホームネットワークを配備しているとしても、ISPまたはVPNのプロバイダがIPv6を完全にサポートしているとは限りません。そのため弊社ではP4PORT
にいくつかの異なる設定を用意し、IPv4からIPv6への移行中の管理者とユーザが可能な限り柔軟に作業できるようにし、旧バージョンとの互換性を持たせています。
P4PORTプロトコルの値 |
IPv4/IPv6または混合ネットワークでの動作 |
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IPv4のアドレス/ポートにのみ接続待機および接続します。 |
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IPv6のアドレス/ポートにのみ接続待機および接続します。 |
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IPv4アドレスへの接続待機および接続を試みます。失敗した場合、IPv6で再試行します。 |
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IPv6アドレスへの接続待機および接続を試みます。失敗した場合、IPv4で再試行します。 |
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IPv4のアドレス/ポートにのみ、SSL暗号化を使用して接続待機および接続します。 |
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IPv6のアドレス/ポートにのみ、SSL暗号化を使用して接続待機および接続します。 |
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IPv4のアドレス/ポートに接続待機および接続します。失敗した場合、IPv6で再試行します。接続後はSSLによる暗号化を必要とします。 |
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IPv6アドレス/ポートに接続待機または接続します。失敗した場合、IPv4で再試行します。接続後はSSLによる暗号化を必要とします。 |
混合環境ではnet.rfc3484
構成可能変数に1
を指定することが推奨されます。
p4 configure set net.rfc3484=1
こうすることによって、プロトコルの値を明示的に指定していないユーザにも、net.rfc3484
に準拠した動作が保証されます。つまり、クライアント側の構成可能変数net.rfc3484
が1
に設定され、P4PORT
がexample.com:1666、またはtcp:example.com:1666
、または ssl:example.com:1666
に設定されている場合、ユーザのオペレーティングシステムはそれぞれの接続にIPv4とIPv6のどちらを使用するかを自動的に決定します。
SSLを使用してPerforceに接続する場合は、Perforceサーバの指紋がP4TRUSTファイルに保存されているものと一致しなければなりません。(新しいPerforceインストールに最初に接続したとき、サーバのフィンガープリントが表示されます。それが管理者によって割り当てられたものと一致すれば、p4 trustコマンドを使用してサーバをP4TRUSTファイルに追加することにより、サーバに安全に接続できます。
使用上の留意点
クライアントが使用するか? |
サーバが使用するか? |
同様に機能するコマンドライン |
P4CONFIGファイルで設定できるか? |
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使用可 |
使用可 |
p4 -p
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使用可 |
明示的に設定されない場合の値
プログラム |
値 |
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Perforceサーバ |
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Perforceプロキシ |
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Perforceアプリケーション |
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例
Perforceアプリケーション |
Perforceバージョン化サービス |
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注
Perforceアプリケーション上でのP4PORT
の形式は
です。または、Perforceアプリケーションとバージョン化サービスの両方が同じホスト上で動作している場合は、単にprotocol
:host
:port
port
です。ポート番号は1024
から32767
までの範囲内でなければなりません。
P4PORT
にIPアドレスとポート番号の両方を指定すると、Perforceバージョン化サービスはP4PORT
に指定されているIPアドレス以外のIPアドレスからの要求を無視します。
プロトコルを指定しない場合、アプリケーションとPerforceバージョン化サービスの間での伝送はプレーンテキストで行われ、IPv4アドレスが想定されます。